日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第44話

休戦協定締結から一週間が経ち、各国の領海と領空からグラ・バルカス帝国軍の潜水艦や航空機の姿が消えつつあり、安定に向け第2文明圏では今回の戦闘で被害を受けた町や都市の復興を兼ねた再開発が進んでいた。

特に被害の大きかったレイフォリアはムーを中心とした第2文明圏各国の支援の元、復旧が急ピッチで進められていた。

 

 

「重機が足りない!もっと重機を寄越してくれ!」

 

「不発弾に気を付けろ!まだ残ってるのかあるらしい!」

 

「大変だ!また不発弾が見つかった!国連軍の兵隊を呼んでくれ!」

 

 

レイフォリアにはムー、日本、アメリカからやって来た民間の建設会社と国交省地方整備局の事務所等が軍による警備の元、戦闘で破壊されたインフラと建築物の再建に取り掛かっている。民間人達が暮らしているエリアは被害が少なかった事もあり、今までグラ・バルカスによる圧政に苦しんでいた元レイフォル国民達は自らも復旧作業に乗りだし、各国の支援が行き届かない部分の再建を開始する。

 

 

既に復旧作業開始から数日が経過しており、被害が大きかったグラ・バルカス帝国が管理していたラルスフィルマイナ中心の軍事エリアは爆撃で破壊された建物や戦闘で破壊された車両や兵器の残骸の撤去が行われているが、ここで大きな難所にぶつかっていた。

 

 

 

「どうするんだコレ?」

 

 

日本の地方整備局から依頼を受けた施工会社と地質調査会社の社員達はラルスフィルマイナ基地の正門前に鎮座しているルークスの残骸を見ていた。

 

 

「こんなデカブツ、俺たちの手には負えないぞ」

 

「自衛隊かムー軍を呼んできてくれ」

 

 

重量と大きさの問題からルークスはラルスフィルマイナ基地正門前に放置状態であった。一応、危険物としてムー陸軍と自衛隊によりルークスの回りには規制線が貼られていたが移動させようにも重量が100トンを越える車体を移動させるのは容易ではなく、ムー陸軍も自衛隊も移動させるための手段とインフラ整備が行われる日まで放置する手段を取っていたのだ。

しかしこの日は予定よりも速くラルスフィルマイナ基地周辺のインフラ整備計画が整ったため、担当している施工会社の社員達が調査のため集まったのだが、ルークスが邪魔なため作業に取り掛かれていなかった。

 

 

「連絡を頂いたのですが、皆さんがご連絡を?」

 

 

施工会社の社員の通報により、自衛隊の施設科部隊がやって来た。

 

 

「自衛隊さんよ、こんなデカブツがあっちゃ作業の邪魔だから速くどかしてくれ」

 

「分かりました。では作業に取り掛かりますので少々お待ちください」

 

 

 

施設科部隊はルークスを移動させようと保有する全ての車両を使って移動を試みる。先ずは数台の75式ドーザーがワイヤーでルークスの車体を繋げて引っ張り出そうとする。

しかし、75式ドーザーがエンジンを全速で回してもルークスの車体は動かなかった。それどころか、繋いでいた牽引用ワイヤーが千切れてしまった。

 

 

 

「こりゃ我々の手にも負えないな………応援を要請!」

 

 

 

施設科部隊は戦車部隊に応援を要請した。

そして応援にやって来た90式戦車と90式戦車回収車がそれぞれ4両、合計8両がやって来た。

 

 

「牽引用意はじめ!」

 

 

隊員達はルークスを牽引用ウィンチで繋ぎ再び牽引を試みる。

すると、今まで地面に根っこが生えたかのように動かなかったルークスの車体が動き始めた。流石に50トンの車体を時速70キロまで加速させる1500馬力のディーゼルエンジンを持つ90式戦車と90式戦車回収車のパワーは伊達ではない。

 

 

 

「よし、このまま牽くぞ!」

 

 

 

8両の戦車と戦車回収車に牽引されたルークスはそのまま旧レイフォル空港へと牽引されていった。

そして5時間掛けて牽引されたルークスは修復された空港の滑走路へと入り、新生合衆国空軍所属のC-5MギャラクシーとC-17グローブマスターⅢ、航空自衛隊のC-2とC-130H輸送機が駐機している所へ運び込まれる。

 

 

「でけぇ………」

 

 

空港に居た空自と合衆国空軍のパイロット達は、既にグローブマスターⅢに積み終えていたワイルダー重戦車よりも遥かに巨大なルークスを見て唖然となる。

此処でルークスはギャラクシーに載せられて、ムーへと運び込まれる予定なのだが、このまま載せる訳ではない。

駐機している3機の輸送機の中で最大級のC-5ギャラクシーの最大積載量は120トン、対してルークスの車体重量は150トンあり、そのままギャラクシーには搭載する事はできないため、車体を軽くする必要がある。

 

 

「さて、始めるか」

 

 

マイラス率いる先進技術立証室と日本の防衛装備庁の技術者達はルークスの車体を軽くするため、デットウェイトとなる装備品の取り外し作業を開始した。車体を1トンでも軽くしようと、積み込まれていた砲弾、無線機、エンジン、燃料タンク、副砲、主砲までもが徹底的に剥がされていく。

剥がされた装備品類は危険物と非危険物に仕分けされ、C-2とC-130Hに分けて積み込まれていき、2時間程で作業は終了した。

 

 

「よし、積み込み開始!」

 

 

 

作業により従来の150トンから搭載可能重量まで軽くされたルークスの車体は巨大なギャラクシーの機体後方にある大きく開かれたランプドアから貨物室へと、機体前方から戦車回収車がワイヤーで引っ張りながら運び込んでいく。そして運び込まれたルークスは貨物パレットに載せられ車体を厳重に固定され安全確認が行われ積載作業を終える。

そして各輸送機は滑走路の離陸開始地点まで移動すると、1機ずつ空港を離陸し、ムー本土へ向けて飛び去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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