日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第47話

ムーで次期主力戦車開発とラ・シャルマンの改良に関する予算と人員を確保した先進技術立証室は次なる技術調査のためマイカル港にやって来ていた。

 

 

「いよいよか」

 

 

マイラスは先進技術立証室で造船技術と海洋技術の解析と調査のために創設された元海軍技術部門の技術者と職員を中心とした第2研究室の面々と共に、海軍が手配した内火艇に乗っていた。彼等が乗り込んだ内火艇はマイカル港沖に係留されている、元グラ・バルカス帝国海軍第2艦隊旗艦『グレードウォール』へと向かっていた。

この日、日米ムの3か国によるグレードウォールを含めたグラ・バルカス帝国の鹵獲艦艇の本格的な調査が予定されており第2研究室の面々はグレードウォールに乗り込むため船上の人になっていた。

 

 

「デカい………」

 

 

距離が縮まる度、グレードウォールのその巨体さが分かる。紀伊との砲撃戦、対艦ミサイルによる飽和攻撃に晒されたグレードウォールの上部構造物は無惨な姿になっている。

しかし、造船技術に関する研究が進んでいるムーにとっては大破しているグレードウォールも貴重なサンプルには間違いない。

 

 

「着いた。じゃあ行くぞ」

 

 

グレードウォールにたどり着いた第2研究室の面々はタラップを急ぎ足で登り、上甲板へ出た。既にそこには日米の技術者達が調査を開始していた。

 

 

「ヤバい!日米の連中に先越されるな!我々も行くぞ!」

 

「どんな財宝よりも価値のある宝の山を横取りされるな!」

 

 

着くなり第2研究室の面々は我先にと主砲塔や機銃、高角砲に纏わり付くと調査を開始する。

 

 

「凄い!主砲塔だけでこの装甲の厚さだ!」

 

「見ろ、こっちには砲弾があったぞ!取られる前に印つけとけよ!」

 

「機銃弾や破片一つも残すな!持って帰れそうな物は全部持って帰るぞ!」

 

 

皆、日米の技術者達の間に割り込むように研究に必要な資料に印をつけたり、機器を使った計測を始めていく。

 

 

「これじゃ海賊だな………何しに来たのか分からんな」

 

 

そう言うマイラスもノートを手にしながら近くにある物を観察していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで、場面を第3文明圏クワ・トイネ公国へ変える。

 

 

 

 

ロウリア戦争が終わり戦後の後処理も一段落したこの日、マイ・ハーク港にある海軍基地では大規模な式典が開かれていた。

この日クワ・トイネ海軍に新たな艦艇が導入され、その就役式典が行われていたのである。

 

 

「お集まりの皆様、お忙しい中、多数のご出席誠にありがとう御座います」

 

 

式典会場に設けられた演壇上でカナタが出席していた一般客や議員、各地の有力者、各国の大使に挨拶の言葉を述べる。

 

 

「本日、我が公国に於いて新時代を向かえつつある海軍に新たな艦艇が配備される事になりました。皆様の目の前に停泊している、この艦艇群こそ新たな時代を築くための第一歩なのです」

 

 

カナタが指差した方向を見ると、1隻の艦艇の姿があった。灰色一色に塗装された全長100メートルの大型平甲板型の船体には艦首に1基と艦尾に2基の合計3基の単装砲、20ミリバルカン砲が据え付けられた2基の人力操作式ターレットが装備されており、大型の艦橋構造物の後ろには煙突1基、マストには小形レーダーが備えられている。形状的には戦中戦後の駆逐艦に近い艦影をしており、海上自衛隊初となる国産護衛艦『はるかぜ』型に似た艦影であった。

 

 

 

「これらの艦は日本国、アメリカ合衆国、ムー国の3か国の素晴らしい技術が盛り込まれた最新鋭艦であり、それの提供を我が国は受ける事になり至極光栄の極みであります。我が国民を代表して私から3か国の皆様にお礼を申し上げます」

 

 

カナタは式典に出席している日米ムの大使に感謝の言葉を述べる。

 

 

「そして栄誉ある新型艦の艦名を此処に発表したいと思います」

 

 

そう言うとカナタは机の上に置いてあった色紙を手に取り、そこに記されている新型艦の艦名を述べる。

 

 

 

「本艦を………ヤン・マーと命名します!」

 

 

 

それを合図に『ヤン・マー』と命名された艦から世界共通語で書かれた垂れ幕が下がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




この新型艦艇に関しては兵器設定をご覧ください。

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