演習開始から一週間が経過した。
散発的なゲリラ戦に苦しめられながらもクワトイネ陸軍は対抗部隊を遂に山の山頂付近へと追いつめる事に成功した。
クワトイネ陸軍は演習に終止符を打つべく、大攻勢に打って出た。
「前進!」
サブマシンガンとライフルで武装したクワトイネ陸軍の歩兵部隊は、3方向から一気に進撃を開始した。
各部隊はトラップが仕掛けてある可能性が高い山道を避けて、獣道や斜面を山頂に向けて駆け出していく。
「止まるな!的にされないように進め!」
歩兵部隊は雪や草に足を取られながらも、体力が続く限り駆け上がる。
すると、対抗部隊も攻撃を仕掛けてきた。
「やれた!ヒット!」
「後は任せろ!」
「機銃手、支援!」
前進する各歩兵分隊の機関銃手がガエタン社製の6・5ミリ軽機関銃を伏射による射撃で支援を開始する。
「進めぇ!進めぇ!進めぇ!」
BB弾が飛んでくる中、歩兵部隊は匍匐前進で対抗部隊にの最後の防衛陣地へ向けての突撃の勢いを弱める事なく、突き進む。
そして、歩兵1個小隊が防衛陣地へ肉薄に成功した。
「手榴弾!」
BB弾が詰まったグレネードが投げ込まれ、ガス圧によりBB弾が勢いよく飛び散り、防衛陣地のムー兵が混乱する。
「突入!」
そして防衛陣地へ突入するとサブマシンガンが撃ち込まれ、防衛陣地は壊滅しクワトイネ陸軍により占領された。
「よし!このまま敵司令部に突入だ!」
その勢いを維持したままクワトイネ陸軍は防衛陣地の奥にある対抗部隊の司令部へと突入した。
そしてその日の午後には、対抗部隊の司令部は壊滅し、演習はクワトイネ陸軍の辛勝と言う結果で終了した。
「負けたか……」
「お疲れ様……」
演習終了後、敗北判定を受けたムー兵達はクワトイネ兵達と共にその場に座り込んでタバコを吸ったり、話をしたりしながら過ごしていた。
「しかし強いなアンタ達」
「そうか?」
「あぁ………俺たちから見てもかなり強かったぜ。正直に言うと俺たち、アンタらを見くびってた」
「俺たちか文明圏外国だからか?」
「そうじゃねぇよ。グラ・バルカスのような連中とやり合った事が無えアンタ達が戦えるのかって思ってたんだ」
「成る程な………」
「でも、そんな事無かったな。強かったぜ」
「ありがと」
僅かにではあるがクワトイネ兵とムー兵との間でそう言った感情が芽生えつつあった。
今までは遠く隔たれた国同士の兵がこうして交流を深める事もこの演習の目的の一つでもあり、それが顕著に出始めていた
この演習後、クワトイネ陸軍は大きく飛躍する事となり、やがてはムーとも軍事面でも肩を並べる実力を備える事になるのは少し先の話である。
続く
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