日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

13 / 258
第12話

ジン・ハーク港沖に地点に到達した海上打撃戦部隊は、港のロウリア海軍施設攻撃のため、準備に入った。

 

 

「艦長、第3飛行隊より、敵軍港の攻撃は成功との事です」

 

「着弾観測機はどうだ?」

 

「既に目標上空に到達しています」

 

「これより後片付けだ。取り舵一杯!」

 

 

 

紀伊は速力を上げて艦隊より前に出ると、艦を回頭させ攻撃準備に入る。他の護衛艦は紀伊が撃ち漏らした敵の掃討と警戒のため、紀伊を後方から護衛する形で展開する。

 

 

 

「主砲、砲撃用意!目標敵船舶ならびに敵軍事施設!」

 

「主砲、砲撃用意!」

 

 

 

松田の号令で、射撃指揮所に居た黛達は測距を開始する。

紀伊から発進したRQ-2J無人着弾観測機からの位置情報に従い砲の仰角と角度調整を行う。

 

 

 

「初弾観測9斉射、交互撃ち方。斉射間隔20秒、発射弾数各門5発」

 

 

 

主砲搭が海軍施設の方向へ向けて旋回し、3基9門の砲身が上下に動く。

 

 

 

「測的完了。主砲目標良し、方向よし、射撃用意よし!」

 

「攻撃始め!」

 

「撃ち方始め!!」

 

 

 

合図と同時に、全主砲が砲撃を開始した。

 

 

「弾着、今!」

 

 

敵軍港に3本の水柱が上がった。

最初に撃ち込まれた3発の砲弾は、岸壁から離れた位置で停泊していた大型船の集中しているエリアに着弾し、爆発の衝撃波と爆風で多数の船を破壊した。

 

 

 

「初弾、敵船団に着弾確認。敵多数撃破!」

 

「次弾、下げ5!」

 

 

 

初弾射撃による観測射撃結果と観測機からの位置情報を元に修正を行い、次弾の射撃準備と調停が終わる。

 

 

 

「本射第2弾発射用意よし!」

 

「発射用意……撃て!」

 

 

 

続いて第2射が開始され、放たれた6発の砲弾は最初の着弾位置から少し奥まった位置に着弾し更に多くの大型船を破壊する。

紀伊は港内の敵船を全て破壊するため着弾観測機による修正を加えなが射撃を続け、敵船を徹底的に破壊していく。

 

 

 

「敵船舶、多数の破壊を確認!」

 

 

 

第30射目になると港内に居た船のほぼ全ては破壊、又は使用不能となっていた。松田は双眼鏡で目視確認を行う。

 

 

「…………」

 

 

破壊された船の残骸が港内を漂い、無事であった水兵がそれに掴まりながら救助を待っている光景が飛び込んでくる。破壊しきれなかった小型のボートも見えたが、殆どが非武装なものばかりで大した脅威にはならないと判断し次の攻撃への指示を下した。

 

 

 

「目標変更、敵司令部!」

 

 

 

港の北側エリアにある海軍司令部に目標を変更、方位角と照準修正が行われる。

 

 

 

「こ……こっちを向いたぞ!」

 

 

 

石を加工して作られたレンガで作られた海軍本部はロウリアの国旗と相手を威圧するため城のようなデザインとなっているため非常に目立つ。その海軍本部施設の屋上に居たホエイルは自身に向けられた51センチ砲を見て恐怖した。

 

 

 

 

「目標修正よし!射撃用意よし!」

 

「主砲斉射!」

 

「全砲塔斉射用意……………撃て!」

 

 

 

後片付けと言わんばかりに紀伊の全主砲による一斉射撃が再開し、最早聞き慣れた雷よりよ遥かに大きな発射音と衝撃波が走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな馬鹿な………………6年の歳月を掛けて整備した海軍が………」

 

 

 

 

何も出来ないまま全ての海軍戦力を失ったホエイルは、どうするか考える。

 

 

 

(どうする?考えろ!考えるんだ!考えるんだ!)

 

 

 

 

ホエイルは自分に向けられた紀伊の主砲を見て慌てて逃げ出そうとするが、恐怖で脚が震えて動けなかった。

 

 

 

(来る!?何かが…………)

 

 

放たれた9発の51センチ砲弾は弾道飛行で海軍施設の真上から降り注ぎ、2トン近い重量の砲弾が本部の壁や天井を薄紙のように貫き内部に入り込むと同時に信管を作動させ、砲弾内に封入されていた大量の炸薬が大爆発を起こした。

ホエイルを初め内部に居た海軍関係者諸とも海軍本部施設内にある司令部庁舎は内側から風船のように破裂して崩落。これが決定打となり、6年掛けて整備されたロウリア海軍はその機能の全てを失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、航空自衛隊第203飛行隊はロウリアの国境を越えて首都の東側から接近していた。

 

 

 

『こちらエクセル、モールへ』

 

「こちらモール」

 

『敵首都に周辺に90騎程の航空戦力を確認した。ミサイル攻撃を実施せよ』

 

「了解。モールリーダーより全機へ。これより敵目標に対して攻撃を実施する」

 

 

 

第203飛行隊を指揮する『本城篤』二等空佐と指揮下にある20機のイーグルは戦闘態勢に入り、搭載しているAAM-4を発射した。

 

 

 

 

 

「壮観だな」

 

 

 

首都ジン・ハークの警戒飛行を行っていた第2竜騎士団所属の新人騎士『ターケナイン』は突然の敵不明騎接近の報を受け迎撃のため西側エリアを飛んでいた。

 

 

 

『おい新人、首都防衛は竜騎士の花形だ。無様な姿は晒せんぞ』

 

「はい!どんな敵が来ても退けて見せます!」

 

 

 

厳しい試験を潜り抜けて竜騎士になったターケナインは自信に満ち溢れていた。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

ふと前方から光が見えた。

何事かと思った瞬間、隣を飛んでいた先輩騎士が乗っていたワイバーンが爆発した。

 

 

「何だ!」

 

 

それを合図と言わんばかりに、高速で飛翔する多数の光が第2竜騎士団に襲いかかり、次々と仲間に光が直撃し爆発していく。

 

 

「クソ!一体何が………おい!相棒!」

 

 

突然、彼が乗っていたワイバーンが怯えたかのような声を挙げて地面に向かって高度を下げる。

 

 

「どうしたんだ相棒!」

 

 

ターケナインは信じられない程に怯えきっていた愛騎の様子に只事ではないと直感し、地面に向かっていく愛騎を咎める事なく、そのまま地面に降りた。

 

 

 

「うおっ!」

 

 

 

着陸と同時に愛騎は身体を丸めてしまい、ターケナインは滑り落ちた。

 

 

 

「大丈夫か?」

 

 

優しく問い掛けるターケナインの声に愛騎は怯えきっていた目を向けてくる。

 

 

 

「分かった。もういい」

 

 

 

戦意を失くした愛騎に戦闘を強制させる程、ターケナインは酷な人間ではない。帰ったら懲罰覚悟で次々と撃ち落とされていく仲間を見る事にした。

 

 

「静かになったな…………終わったのか?」

 

 

見上げると、ジェットエンジンの轟音は遠ざかり、空中には何も残っていない。僅か時間のうちにターケナインを残してロウリアの王都防衛戦力の一角は消滅。たった1日で海軍全戦力と航空戦力の大半を同時に失ったロウリアは完全に手詰まり状態となり、王都は攻勢から守勢へと回り徹底抗戦の構えを取った。

 

 

 

 

 

 

 

続く




皆様からのご意見とご感想お待ちしております
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。