日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

136 / 258
今回は今まで書いてなかった新生合衆国のムーの関連についてです。


第67話

中央歴1644年3月 新生合衆国

 

厳しい冬が過ぎ春に向かって季節が移り変わる頃、日本本土から南に2000キロ程離れた場所に島がある。

この島には日本と共に転移してきた在日米軍と日本に在住または旅行に来て転移に巻き込まれた外国人によって建国された新生アメリカ合衆国がある。

 

台湾より一回り大きいくらいの面積を持つ新たな合衆国の首都ニューワシントンDCの中央に聳え立つニューホワイトハウスの執務室では、新生合衆国初代大統領『ピーター・ハワード』が国の長として働き詰めの日々を送っている。

 

 

「大統領閣下、ムーからの軍事技術協定の再確認書が届きました」

 

「ご苦労。で、相手側の反応はどうだ?」

 

「諸手をあげて喜んでいるそうです。特に新型戦車開発事業に関する技術供与の見返りに関しては直ぐに用意できるとの事です」

 

「それは良かった。くれぐれも事は慎重に尚且つ繊細に扱ってくれたまえ」

 

「はい」

 

 

 

建国以降、新生合衆国は日本と共にこの世界の列強国家との国交開設に奔走しており、日本は勿論の事、クワトイネ、クイラ、ムーとは親密な関係を構築しており、様々な技術の輸出やそれの見返りを受け順調に独立国として発展を遂げつつある。

特にムーへ対する軍事技術の輸出や技術指導を日本の新世界技術流出防止法に配慮しつつ機密に抵触しない範囲内で積極的に行っており、最近はムーの次期主力戦車開発に関する協定を締結しており、その力の入れ様は凄まじい様子である。

 

 

「ところで、議長」

 

「はい」

 

「ムーからのゲストの様子はどうだ?」

 

 

ピーターは同じ執務室に居た合衆国統合参謀本部議長に問い掛ける。

 

 

 

「はい。順調に技術を習得しているとの事です」

 

 

 

 

 

その頃、ニューワシントンDCから南の郊外に設けられた新生合衆国空軍『ニューアンドルース』空軍基地では、ムーから研修にやって来たムーのパイロット達が訓練を受けていた。

只、彼等が乗り込むのは戦闘機でもなければ、爆撃機でもない。滑走路の北側にある大型格納庫前には、戦闘機と輸送機ではなく中型のヘリコプターが一列に並んでいる。

 

 

ODカラー一色で塗装されたそのヘリコプターは、何処か古めかしいデザインのヘリコプターで、外観は朝鮮戦争やベトナム戦争初期の頃に活躍していたシコルスキー社の傑作ヘリコプター『S-55』とその発展型の『S-58』そのものであった。

そのヘリコプターは、ムーが昨年実用化に成功し量産を開始した初の国産ヘリコプターである『ラ・ソチカー』と『ラ・クトチョー』だった。

今この基地に居るラ・ソチカーとラ・クトチョーとそのパイロット達は新たに設置されたヘリコプター専門部隊『特殊航空機運用実験隊』の所属であり、ヘリコプターの運用経験蓄積のために軍用ヘリコプターの運用に長けた新生合衆国陸軍へ研修に来ていたのであった。

 

 

 

「各員、搭乗!」

 

 

 

実験隊のパイロット達は格納庫前に駐機していたラ・ソチカーとラ・クトチョーに乗り込む。

高い位置に設けられている両機の操縦席はガラス張りのキャノピーで覆われており視界が広く、太陽光が入ってくるためパイロット達は操縦席に着くなりヘルメットを被りバイザーを降ろす。

 

 

「電源セット」

 

 

電源ボタンが押されると、機体の各機器が動き出す。

 

 

「油圧、燃料、スロットルレバー、操縦桿、動作問題なし。オールグリーン」

 

「エンジンスタート!」

 

 

スターターボタンが押されると、ふくらんだ機首内に納められているマリンⅡのものと同じ空冷星形エンジンが始動し、機首の左右から突き出ている排気管から白い排気ガスが吐き出された。

 

 

「エンジン回転数良好、メインギア接続」

 

 

機首から斜め上に向けてエンジンと繋がっているローターを回すギアとエンジンが繋がれると、機体上部のメインローターと後部のテイルローターが回転を始める。エンジンの回転数と合わせてローターの回転数も上がっていき、やがて良好な回転数へと達し、離陸準備が整った。

 

 

「各機離陸準備完了!」

 

「コントロールタワー、離陸許可を求める」

 

『こちらコントロールタワー、離陸を許可する。goodlack!』

 

 

コントロールタワーから離陸許可を得ると、実験隊のラ・クトチョーとラ・ソチカーは次々と基地から飛び立っていく。

離陸した実験隊は今日の予定にある、教官役の新生合衆国陸軍のヘリコプター隊との合流地点に向かう。

 

 

「間も無く合流地点」

 

 

合流地点に設定された基地から北に離れた場所にある森林地帯に到達すると、そこには黒塗りのMH-60Lブラックホークがホバリング状態で待機していた。

 

 

『こちらスカイハンター、全機集結を確認した。これより戦闘訓練に入る。みっちり扱いてやるから覚悟しろ!』

 

 

教官役のヘリコプター部隊とは、在日米軍にアメリカ本土から訓練でやって来ていた第160特殊作戦航空連隊ナイトストーカーズ所属のヘリとパイロット達の事であり、実験隊はイラクやアフガニスタンで実戦経験豊富な彼等の洗礼を研修開始当初から受けており、技量とメンタルともに著しい成長が見られ、一人前のヘリパイロットになりつつあった。

 

 

『よし行くぞ!』

 

 

実験隊はナイトストーカーズの監督のもと、実戦を想定した訓練に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




皆様からのご意見とご感想お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。