日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第74話

迫撃砲部隊による砲撃が開始され、砲撃の火蓋を切った105ミリ重迫撃砲から放たれた105ミリ榴弾は弧を描きながら、第1防衛線の真上から降り注いだ。

第1防衛線に配置されていた車両と歩兵を模したダミーは、爆発の衝撃波により次々と破壊され、センサーが撃破判定のデーターを司令部へと転送していく。

集められたデーターは司令部に設置されたコンピューターにより処理され、リアルな戦闘を司令部要員達にモニターを通じて視覚的に写し出す。

 

 

「よし!良いぞ!」

 

「このままの勢いで押しきれ!」

 

 

双方の動きをリアルタイムで表示しているモニター映像にムー側の武官達は沸き立ち、合衆国側の幹部達は冷静に双方の戦力分析を行う。

 

 

 

 

重迫撃砲による砲撃が続き、用意されていた即応弾が撃ち尽くされると、砲撃音が止んだ。

 

 

「向こう側の様子は?」

 

「総崩れですね。今なら突破可能です」

 

「よし!中隊前進!」

 

 

足止めを受けていた海兵連隊は再び車両に乗り込み前進を開始した。大通りへ出ると、広い道幅を一列に並んだ車列が前進する。

 

 

「戦闘工兵車を前に!」

 

 

車列の一番先頭に居た戦闘工兵車が車体前面の大型ドーザーを使い、積み上げられたタイヤや土嚢で作られた壁や残骸をいとも簡単に押し退け、車両が通れる隙間を作った。

そこから歩兵を乗せた装甲車と戦車が次々と侵入していき第1防衛線を制圧、突破に成功した。

 

 

「よし!このまま行くぞ!」

 

 

防衛線突破に成功した事で士気を上げた連隊は破竹の勢いで更なる防衛線の制圧・突破を開始する。

此処から沖の空母からの近接航空支援も加わり、地上部隊は第2、第3の防衛線を損害を出しながらも突破していき、いよいよ最後の防衛線の制圧に向けて動き出した。

 

 

 

「クソ!防御力が半端じゃないぞ!」

 

 

 

最終防衛線へ向けて移動していた地上部隊はその途上で、熾烈なゲリラ戦を受けていた。

周囲の建物の2階や3階の窓から機関銃やロケットによる突発的なゲリラ攻撃が加えられ、侵攻部隊はその度に足を止めて、歩兵による建物制圧を行っていく。

 

 

「やられた!」

 

「俺もだ!」

 

「そこに隠れてやがる!グレネードだ!」

 

 

建物に入るなり歩兵達は部屋を一つ一つクリアリングひていくが、階段の踊り場や部屋の中にある家具に隠れていたゲリラ役からの攻撃に損害を受けていく。

 

 

「クソ!あっちからもこっちからも!キリがない!」

 

 

建物を一つ制圧してもまた別の建物や死角からの攻撃に車両と歩兵の損害が広がっていく事に、ムー側にも焦りが見え始めていた。

流石に市街地戦を嫌と言う程経験している合衆国海兵隊による市街地戦を想定したゲリラ攻撃戦術は伊達ではない。今の海上歩兵団は、かつてのイラク戦争やソマリアでの泥沼のような市街地戦を身を以て味わっており、士気にも大きな影響が出ている。

 

 

「迫撃砲による砲撃支援は!」

 

「ダメです!此処では我々も巻き込まれます!」

 

「チクショウ!このままじゃ全滅だ!」

 

 

 

完全に手詰まりの状態の海上歩兵団。

司令部に居るヴァンデクリフトは現状打開のための策を打ち出す。

 

 

「…………………参謀」

 

「はい」

 

「現場の制空権の確保は?」

 

「完了しております」

 

「至急、海軍にヘリコプターを寄越す様に要請」

 

「司令、なにを考えておられるので?」

 

「市街地上空から地上部隊を誘導させる。司令部から現場の地理に精通している者を乗せて任務に当たらせろ」

 

「了解!」

 

 

ヴァンデクリフトはヘリコプターを活用した新しい戦術を試そうと考え、沖に待機しているラ・カギーアに配備されているヘリコプターを呼び寄せた。

 

 

 

 

 

 

ヴァンデクリフトからの要請を受けたラ・カギーアの甲板では、当艦所属のH-43ラ・ソチカー6機のうち4機がメインローターを回転させながら発艦準備を行っていた。

 

 

『哨戒機、発艦!』

 

 

強力なダウンウォッシュを甲板に吹き付けながら、ラ・カギーアのアングルドデッキからラ・ソチカーが次々と発艦していき、一路前線へ向けて飛び去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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