日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第80話

マギカライヒ共同体からの援軍要請から2日後

 

 

岐阜県の航空自衛隊岐阜基地では、マギカライヒに派遣される特殊有害鳥獣駆除作戦隊の装備がC-2輸送機への積み込み作業、隊員達がC-130輸送機を背に搭乗前の最終確認作業を行っていた。

 

 

「装具よし、点検確認!」

 

「了解!総員、整列!」

 

 

最終確認が終わり、隊員が整列する。整列した隊員達の前に立った鬼島は咳払いしてから訓示を下す。

 

 

「諸君、我が隊にとっては初の任務が下った。昨年のトーパ王国での任務で確認された特殊有害生命体(日本に於ける魔王の公式名称)と酷似した個体がムーの隣国、マギカライヒ共同体で初確認された。既にマギカライヒ共同体に於いては死傷者も発生し、首都目前に迫っているとの事だ。一刻の猶予も無いため、我々はこれより現場へと向かう。以上、総員搭乗開始!!」

 

 

鬼島の訓示の後、隊員達は待機していたC-130へと乗り込んでいく。

貨物室は大勢の隊員達により一気に満杯となり、ランプドアが閉じられると機内の照明が光る。

 

 

「各員搭乗確認」

 

「了解」

 

 

作戦隊の全隊員の搭乗が完了すると、隊員達を乗せた3機のC-130は離陸場所へと移動し、離陸態勢を取った。

 

 

『カーゴ1、オールグリーン』

 

『カーゴ2、オールグリーン』

 

『カーゴ3、オールグリーン』

 

『ラジャー。カーゴ1、クリアドノーマルテイクオフ』

 

『ラジャー。クリアオブテイクオフ』

 

 

管制塔とのやり取りの後、1機ずつ離陸していく。

数分で3機が離陸すると、後を追うように装備と軽車両を乗せたC-2輸送機が続き、更に後を日本政府からの要請を受けて戦車と装甲車を空輸する合衆国空軍のC-17グローブマスターが離陸していく。

各輸送機はこれより数日掛けて、アルタラス、ミリシアルを経由してムーのアイナンク空港へと入り、ムー本土に駐留している陸上自衛隊と航空自衛隊と合流、その後は陸路を使って現地入りする予定である。

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ムーの首都オタハイトの南郊外にある南オタハイト駅では、マギカライヒからの援軍要請で現地に派遣される海上歩兵団の車両が貨車に乗せられていき、将兵が機関車に連結された客車へと乗り込んでいく。

 

 

「演習を終えて一週間足らずでもう実戦か」

 

 

ヴァンデクリフトは予想よりも早い部隊の初実戦の機会に戸惑っていた。

最高司令官ことラ・ムー国王から王城で直々に命令を受けてから2日間は部隊編成と準備に追われ、今日の出撃までの間、まだ実戦経験のない海上歩兵団が任務を完遂できるか不安で一杯だった。

 

 

「閣下」

 

「どうした?」

 

「この任務、魔王討伐が大前提ですが、現有戦力で我々は魔王に対抗できるでしょうか?」

 

「魔王に関するデーターは日本とミリシアルから提供されてるし、今回の相手は魔王の出来損ない。本物の魔王を相手にする訳じゃないんだ。過度に恐れる必要はない」

 

「ですが、相手はあの魔法帝国が産み出した生命体。一度は世界を滅亡寸前にまでおいやった魔王のクローンです」

 

「本物の魔王は自衛隊と合衆国軍の2個小隊が倒していると聞いてる。自衛隊に出来るなら我々にも出来る。自信を持て。下手に奥手に出たら将兵の士気にも影響するぞ」

 

「はぁ……分かりました」

 

 

そう言うとヴァンデクリフトは客車へと乗り込む。

 

 

 

 

数分後、車両を乗せた貨車と将兵を乗せた客車と連結した4両の機関車は南オタハイト駅を出発した。

1つ目と2つ目の機関車と連結した貨車には戦車や装甲車などの重車両、3つ目の機関車にはトラックやジープ等の軽車両を乗せた貨車、4つ目の機関車は将兵を乗せた客車を牽きながら、一路マギカライヒを目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、魔法帝国の遺跡から目覚めた量産型ノスグーラ、通称リョノスは、大勢の魔物を従え、マギカライヒ共同体首都から50キロ南に位置するバルーン平野に、特にこれと言った動きを見せる事になく、その場に根が張ったかのように留まっていた。

 

 

「成る程、魔帝様は大陸ごと未来へ転移されたのか」

 

 

バルーン平野に聳え立つ長い塔、ラヴァーナル帝国辺境統治庁の執務室ではリョノスが、自身の眠りを覚ましたマギカライヒ共同体の調査隊から押収した、魔法帝国製の記憶装置を使い、眠っていた間に起きたこの世界の様々な出来事について調べていた。

 

 

 

「私が目覚めたのは偶然やもしれんが、この装置の記録通りの時期に魔帝様がこの世界に再び降臨されるなら下種の国の1つや2つ献上しなければならんな。先ずは手始めに、この大陸を攻め滅ぼそう」

 

 

ムー大陸を魔法帝国への手土産にしようと画策するリョノス。

 

 

 

その時、執務室にある警報装置が鳴り響く。

 

 

 

「何事だ」

 

 

警報装置と連動しているモニターに目を向けると、バルーン平野の向こうに見える多数の影に動きが見えた。

 

 

「あぁ…先日滅ぼした下種共の仲間か。流石に万単位の年月が経過して多少の知恵をつけたようだな。だが、奴らの戦力が此処に集まるというなら好都合だ。一気に奴らを滅ぼせばこの陸地を手に入れるのが楽になる。精々、我に対抗する術を練る事だな」

 

 

リョノスはここは打って出ずに、その時が来るまで大人しく待つ事に決めた。

 

 

 

続く




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