日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第2話

モアとガイからの報告でグラメウス大陸からの魔物襲来の報は城塞都市トルメス内に瞬く間に広まった。

守備隊は直ちに戦闘態勢に入り、迎撃態勢に入った。

城塞から少し離れた地点にあるトルメスの駐留部隊司令の『アジズ』以下の幹部達は報告と情報収集に奔走していた。

 

 

「直ちに王都へ魔王ノスグーラ復活を報告し、援軍を要請せよ!」

 

「了解!」

 

 

アジズは通信兵達に指示を出し、伝説の魔王『ノスグーラ』復活の報告と緊急援軍要請を送らせる。

通信兵が魔信機を使って王都に援軍要請を送っていると、伝令兵が慌てた様子で入ってきた。

 

 

「司令、世界の扉が突破されました!守備隊は全滅した模様です!」

 

「何だと!?」

 

 

世界の扉陥落と守備隊全滅の報に司令部は戦慄した。1万年もの間、魔物の襲来から世界を守ってきた世界の扉があっさりと突破され、精鋭の守備隊が全滅したという事実は到底受け入れ難い内容だった。

 

 

 

「分かった………王都にこの事を伝えろ」

 

 

 

トルメスから王都ベルンゲンに向けて世界の扉陥落の報告が送られた。

それを受けたトーパ王国首脳部は急ぎ議会を開き、国王『ラドス16世』主催の緊急対策会議を開催した。

 

 

「何故今になって魔王が……トルメスからの報告は確かなのか?」

 

 

 

ラドスの質問に王国の王立大学考古学部の最高権威である教授が答える。

 

 

 

「はい。神話では魔王ノスグーラは4人の勇者のうち3人の命を使用した超高度な魔導力による結界により封じられたとあり、その魔力は年々減少しつつあるとも記載されています。神話の通りならノスグーラの復活は魔力減衰により結界が破れた事による物だと推測できます。ですがトルメスからの報告に万単位の魔物とレッドオーガ、ブルーオーガも従えているとの報告から、復活したのは此処数年以内かと」

 

「奴はグラメウス大陸内に封印されたから気づけなかったか。しかし何れにせよノスグーラが率いている軍勢は正真正銘本物の魔王軍という事になる。外務大臣よ、各国にこの事を直ぐに伝えよ!そして可能なら援軍要請も行え!」

 

「はっ!」

 

 

トーパ王国は直ちに準備に入った。外務大臣は王都内にある日本とアメリカ、ムー、ミリシアルの大使との緊急会談を要請し、4か国による緊急外交会議が開かれた。

 

 

「と言う訳でございます。現在我が国は城塞都市トルメスに於いて魔王軍の迎撃を行っておりますが、魔王軍の進撃速度と戦力は桁外れに高く、我が国独力での防衛と迎撃は困難になると予想されます。日本国、合衆国、ムー国、ミリシアル帝国の各々方に援軍要請をお願いしたいと…何卒お願いしたいと申し上げます!」

 

 

外務大臣は4人の大使に頭を下げて援軍要請を伝える。

 

 

「頭をお上げください。我がミリシアルとしては伝承にある魔帝に関する対策と研究、情報収集目的であれば即魔帝対策省から小規模のアドバイザーは送れると思います」

 

「我々は現在、グラ・バルカスとの戦争中ですので、そちらへ回せる戦力の余裕はハッキリ言って無いに等しい状況です」

 

 

魔法帝国研究に躍起となっているミリシアル側の反応は上々で、ムーはグラ・バルカスとの戦争の兼ね合いから援軍は期待出来そうにないとの返答が返ってくる。

残りの2か国である日本とアメリカの大使は腕を組んで渋い表情で返答する。

 

 

「我が国に関してもムー国と同様に有事の最中でありますし、援軍に関しては各省庁が絡む問題です。直ぐにとは行きませんが、現在の有事法制に於ける国際貢献という名目でしたら前向きな返答ができるかと」

 

「我が合衆国に関しては新たな国土防衛の任務に軍全体を充てております。抽出できるのは小規模になると思われます……」

 

 

 

各々の国からの返答に外務大臣は喜びの表情で大使達の顔を見る。

 

 

 

「ありがたい!感謝の言葉しかありません!何卒よろしくお願いいたします!」

 

 

 

この会談後、各国の大使は本国にこの件を報告した。

 

 

 

 

 

 

援軍要請を受けた各国では、グラ・バルカスとの戦争で影響が無い程度の小規模な戦力派遣について検討が行われた末、昨今の状況を鑑みて小規模ではあるが日本と合衆国からトーパ王国への戦力派遣が決定された。

 

 

 

 

それから一週間して、日本の神奈川県にある海上自衛隊横須賀基地ではトーパ王国へ派遣される陸上自衛隊の部隊が集結していた。

日本全国の部隊から隊員と装備を選抜し編成された『トーパ王国有害鳥駆除任務部隊』が、ムーから帰還してきたばかりの輸送艦『くにさき』へと乗り込んでいく。

 

 

 

「アレも持ってくんだな」

 

 

 

くにさきに載せられていく車両に、最新鋭の16式機動戦闘車の姿がある。その他には10式戦車や貴重な89式装甲戦闘車の姿もあり、本格的な地上戦をも想定している編成である。

 

 

 

横須賀沖には、くにさきの護衛に就く尾張を含めた第1護衛隊群第1護衛隊と、同じくトーパ王国に派遣される新生合衆国海兵隊1個大隊を載せたサン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦『ニュー・オリンズ』と護衛のアーレイ・バーク級駆逐艦『ハワード』『ヒギンズ』の合計3隻。

更にはミリシアル帝国から魔法帝国に関する研究を行う魔帝対策省から派遣されてきた研究員を乗せてやってきた海軍第3地方隊のミスリル級戦艦1と護衛の巡洋艦2隻が待機しており、日本側の出港準備を待っていた。

 

 

 

 

 

くにさき艦内のヘリコプター格納庫に設けられたブリーフィングルームでは、有害鳥駆除任務部隊の隊員が整列し、この部隊を指揮する中隊長の『鬼島浩二』1等陸尉が各小隊長向けに訓示を行っていた。

 

 

 

「今回我々は、未確認生命体により情勢悪化しつつあるトーパ王国へ災害派遣という名目で向かう訳だが、皆も知っての通り相手は人間でもなければ熊や鹿やイノシシなんて生易しいものでもない。本能のままに人を無差別に襲い害を与える非常に危険な魔物と呼ばれる生物だ。先のブリーフィングでも説明したから改めて言う必要はないが、これだけは言っておく……………迷ったら撃て!」

 

 

鬼島の言葉に全隊員は改めてトーパ派遣に緊張感を持って臨む覚悟を決める。

 

 

「今回はアメリカとミリシアルとの合同作戦になる。今回の作戦は今後の我々にとっては各国との連携を強めるための機会も兼ねている。各自は気を引き締めて任務に当たる様に!以上、解散!」

 

 

有害鳥駆除任務部隊は車両と装備の積込を終えると、第1護衛隊と共に横須賀港を離れ、沖の合衆国軍とミリシアル地方隊と共にトーパへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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