日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第3話

トーパ王国首都ベルンゲン

 

 

中世ヨーロッパ時代のフランスを思わせる町並みで、普段は静かで、様々な民族が軒を連ねているこの町の中心に聳え立つベルンゲン城。城へと入る正門前で国王ラドスは日本、アメリカ、ミリシアルの援軍を自ら出迎えるため、首を長くして待っている。

 

国王ラドスは心中、日本とアメリカに大いに期待していた。2年前のフィルアデス大陸戦争でパーパルディアを打ち負かす程の軍事力について彼は既に多くの情報を耳にしているが実際に目にした事は無い。

パーパルディアを終始圧倒した日本とアメリカの軍隊を見るのを楽しみにしていたラドスの元に近衛兵がやって来た。

 

 

 

「陛下!日本国、新生合衆国、ミリシアル帝国より援軍が到着致しました」

 

「来たか!くれぐれも粗相がないよう、丁重に出迎えよ!」

 

「はっ!」

 

 

 

 

ベルンゲン城から南へ10キロ離れたベルンゲン港にある浜辺では、大勢のトーパ国民がごった返していた。彼らは事前に王国政府から国民へ向けて通達された援軍に関する件で、国民達は彼らを一目見ようと集まっていた野次馬達であった。

 

 

「見えたぞ!」

 

 

沖に現れた輸送艦くにさき、輸送揚陸艦ニュー・オリンズ。2艦のウェルドックから陸自と海兵隊の上陸第1陣を載せたLCACが浜辺に向けて後部の可変ピッチプロペラによる推進で接近してくる。

 

 

「船の中から船が出てきた!」

 

「こっちへ来てるぞ」

 

 

 

見物人達は浜辺に向かって全速力で向かってくるLCACを見て、浜辺に乗り上がって座礁するのでは無いかと不安になるが、そんな心配を余所にLCACは速度を少し緩めると浜辺に向かって突っ込んだ。

 

 

 

「突っ込んできた!座礁するぞ!」

 

「危ない!」

 

 

誰もがそう思い悲鳴をあげるが、LCACのゴム製船体が海上から滑り込むよう浜辺に上がった。浜辺を滑るようにホバー走行でどんどん入り込んでいく。

 

 

「砂浜の上を走ってるぞ!船なのに!?」

 

「どうなってるんだ!?」

 

 

ホバークラフトを知らないトーパ国民はLCACが砂浜をホバー移動する様子に驚きを隠せない。

無事に上陸に成功したLCACは船体のほぼ全体が砂浜に上がったと同時に停止、膨らんでいたゴム製の船体が萎み、甲板と地面との高さが平行になると前方のドアが開いた。甲板に居た上陸第1陣となる派遣部隊の隊員が次々と砂浜へと降り立った。

 

 

「集合!」

 

 

降りてきた日米の部隊はその場で整列する。

 

 

「人員掌握!点呼!」

 

 

点呼が行われ先遣小隊全員が揃っている事を確認し終えると、上陸第2陣の受け入れのため彼等が乗ってきた2隻のLCACは直ぐに母艦へと戻っていく。

 

 

「いよいよ来たな」

 

 

 

自衛隊側の指揮官である鬼島に海兵隊の指揮官である『ケン・ウォーレン』大佐が話し掛けてくる。

 

 

 

「えぇ。生きてて鬼退治する桃太郎になるとは思いませんでしたよ」

 

「俺もだよオニシマ。イラクやアフガニスタンに行った次が異世界、しかもモンスター退治に駆り出されるとはな」

 

 

 

2人の指揮官はこちらを見てくるトーパ国民の視線を受けながら、上陸指揮を行う。

その傍らで、自衛隊と海兵隊の上陸作業をミリシアル帝国海軍第3地方隊旗艦のミスリル級戦艦『コパー』の艦橋から見ていた人物が居た。

 

 

「うむ、何とも素早い動きだ。情報は確かだったと言う訳だね」

 

 

ミリシアル帝国魔帝対策省の職員で今回の魔王軍の調査研究を指揮する『メテオス・ローグライダー』はパイプ煙草を片手に自衛隊と海兵隊をそう評価する。

彼は今回の魔王軍調査で魔法帝国に関する技術力解析とアドバイザーを担当しており、自衛隊と海兵隊に同行する事になっているが、同時に日本とアメリカの軍事力に関する情報収集も極秘で政府から命令されており、自衛隊と海兵隊の動きを事細かく記録していく。

 

 

 

「メテオス殿、上陸艇の用意が完了いたしました」

 

 

 

彼の元にコパーの艦長が知らせに来た。

 

 

 

「分かった」

 

 

 

メテオスは意気揚々と艦橋から出ていく。

 

 

 

 

 

 

 

それから時系列は数時間進み、トルメスに場面は変わる。

 

 

 

ガイとモアの2人はトルメス駐留部隊司令官アジズより、王都からやって来る自衛隊と海兵隊の出迎えと観戦武官の命令を受けて、トルメスの南門に来ていた。

 

 

「ガイ」

 

「ん?」

 

「王都からやって来る日本と合衆国の軍隊ってどんな奴なんだ?」

 

 

モアがガイにそう問い掛ける。

 

 

「そうだな……一言で言うと凄い奴らだ」

 

「なんだそりゃ?」

 

「連中は戦車とか装甲車とかって言う怪物を持ってる。噂じゃ大軍を蹴散らせる程の戦闘能力があるらしいぜ」

 

「パーパルディアのリントヴルムみたいなものか?」

 

「比べる方がリントヴルムに失礼だ」

 

 

 

そんな話をしていると、南門の城壁上に居た監視兵が2人に大声で報告をしてきた。

 

 

 

「モア様、見えました!日本とアメリカ軍が来られました!」

 

 

監視兵からの報告に、南の方向を見る。

 

 

 

ブォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

街道の向こうから巨大な影が姿を表した。

無機質な感じの咆哮をあげながら3色迷彩の自衛隊車両と、ウッドランド迷彩塗装が施された海兵隊の車両部隊が近付いてくる。

 

 

「おいガイ!あれがさっき言ってた奴か?」

 

「そうだ。久し振りに見たな」

 

 

ガイは既にムーで実物を見ているため殆ど動じないが、彼らを初めて見るモアは驚く。

トルメスにやって来たのは、ベルンゲンにやって来た有害鳥駆除任務部隊の先遣を勤める2個戦闘小隊で、車両隊は南門の前で停止すると、陸自の先遣小隊指揮車であるパジェロ、海兵隊の指揮車両であるハンヴィーから2人の指揮官が降りると、2人の前に歩み寄ってくる。

 

 

(何なんだあの服と兜は?)

 

 

モアは日本とアメリカからやって来る援軍は自分達のように装飾が施された荘厳なデザインの鎧を着た屈強な戦士達であると予想していたが、現れた双方の軍人達が着ている色ち違いの迷彩服の上に分厚いボディーアーマーを身に纏い、丸いヘルメットを被った姿に今まで抱いていたイメージとはかけ離れていると感じたが、それを表情と態度には出さず平静を保つ。

 

 

 

「日本国陸上自衛隊有害鳥駆除任務部隊先遣小隊小隊長の百田太郎1等陸尉であります!」

 

「新生合衆国海兵隊トーパ王国派遣大隊先遣隊隊長のアーロン・ナンツ中尉であります」

 

 

自衛隊側の指揮官である百田太郎1等陸尉、海兵隊側の指揮官であるアーロン・ナンツ中尉の自己紹介を受けてモアとガイは姿勢を正し直立不動の体勢を取る。

 

 

「トルメス駐留部隊のモアと申します。こちらは傭兵のガイと言います。遠路遙々ご苦労様でした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




アーロン・ナンツのモデルは、あのエイリアン映画に登場するあの海兵隊二等軍曹がモデルです。

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