日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第4話

トルメスに到着した日米の先遣小隊はモアとガイの案内でトルメスに入った。既に民間人の避難が完了している南エリアの大通りを先遣小隊の車両が走る。

 

 

「歴史を感じるな。まるで映画の世界だ」

 

 

 

日米の先遣小隊は双方1個小隊、合わせて2個小隊60人で編成されている。

車両編成は自衛隊側はパジェロを指揮車として96式装輪装甲車1両、軽装甲機動車2両、16式機動戦闘車1両、87式偵察警戒車2両、大型トラック5両を装備。

 

対する海兵隊側はハンヴィーを指揮車としてストライカーM1126ICVが1両、ストライカーM1128MGSが1両、LAV-25A2装甲戦闘車が2両、J-LTVが2両、輸送トラック5両が配備されており、機動力を維持しつつ火力を持った編成となっている。

 

 

日米の車両部隊は南エリアに展開しているトーパ軍の騎士達の注目を集めながら司令部へと走り、先頭を走るハンヴィーにモアとガイが乗り込みながら司令部がある場所へと案内する。

 

 

「あの先の角を曲がれば司令部です」

 

「了解」

 

 

モアはハンヴィーの助手席に座るアーロンに道案内をしながら車内の狭さに窮屈感を感じていた。

ハンヴィーの車内にはモアとガイ、アーロンに運転手の軍曹、銃座に座る海兵隊員の合計5名が乗り込んでおり、軍用車両である故に大衆車のように広くもなければ快適でもない。しかも乗り込んでいるハンヴィーは指揮車として使われているため交信に使用する通信装置や弾薬が入ったケースにその他の小物を満載しているため余計に窮屈なのである。

 

 

(ガイは窮屈に感じないのか?)

 

 

ふと隣に座っているガイを見ると、流石に職業柄狭くて窮屈な場所に慣れているのか、涼しい顔をしている。

 

 

 

 

そうしているうちに車両部隊は司令部が設けられた司令部庁舎へと到着する。庁舎玄関前にはアジズが仁王立ちで待っていた。

 

 

「皆さんは此処でお待ちください」

 

 

モアとガイはハンヴィーから降りると、アジズに駆け寄る。

 

 

「アジズ司令、日本と合衆国軍の方々をお連れしました!」

 

「ご苦労!」

 

 

 

モアが後ろを振り向きジェスチャーを送ると百田とアーロンの2人がアジズの元へとやって来る。

 

 

「日本国、陸上自衛隊有害鳥駆除任務部隊先遣小隊長の百田太郎3尉です」

 

「新生合衆国海兵隊トーパ王国派遣隊先遣隊長アーロン・ナンツ中尉です」

 

「神聖ミリシアル帝国、魔帝対策省トーパ王国特派員のメテオス・ローグライダーだ。よろしく頼むよ」

 

 

 

2人は直立不動の姿勢でアジズに敬礼する。

 

 

 

「よくおいでくださった!私はトルメス駐留部隊司令のアジズと申します!」

 

 

 

アジズは百田とアーロンとメテオスと握手を交わす。

 

 

 

「アジズ司令、到着早々ですが状況の説明をお願い致します」

 

「了解。では司令室へとご案内いたします!」

 

 

アジズの案内で百田とアーロンとメテオスの3人、百田とアーロンの部下である『城島仁史』准陸尉率いる自衛隊員5名、『コリー・ロケット』2等軍曹率いる海兵隊員10名と共に司令室へと入った。

司令室に設けられた円卓に座ると、アジズは状況説明を行う。

 

 

「さる数日前に魔王ノスグーラ率いる魔王軍の襲来を受け、世界の扉は崩壊、北エリアの守備隊は全滅しました。その後魔王軍は北エリアのミナイサ地区を占領し逃げ遅れた住民600名と共に領主館に立て籠っている状況です」

 

 

机に広げられた地図には魔王軍とトーパ軍の配置が書かれているが、状況はトーパ軍が推され気味である事を示している。

 

 

「現在は首都からやって来た国軍が何とかその他のエリアの防衛に回っているため何とか奴らの侵攻を食い止めていますが正直状況は良いとは言えません」

 

「了解しました。魔王軍ノスグーラに関してはこちらのメテオス氏に」

 

 

アジズはメテオスに手に入っているノスグーラに関する情報を話す。

 

 

「魔王を目撃した生存者からの情報を元にした魔王のスケッチと報告書です」

 

「どれどれ」

 

 

メテオスは魔王のスケッチを見る。

 

 

「ふむ……身長は3メートル、全身黒い毛の生えた2足歩行の人間型、人の言葉を喋り、高い知能を持つ……まさに伝承通りだね。ノスグーラは魔帝がこの世界から消え去る時に残した所謂生物兵器と言う奴で、万を越える魔獣を従える能力があると聞いていたが本当だったようだ」

 

 

魔帝対策省の人間であるメテオスは魔法帝国に関する幅広い知識を有しており、ノスグーラに関する知識も当然持ち合わせているが、ノスグーラの魔獣を洗脳し従えるという能力に関しては魔帝の遺跡から発見された各種伝承でしか情報が無かったため、報告書に書かれている魔獣の大軍を率いているという状況からその能力が伝承通りであると理解する。

 

 

「これ以上の事は分からないのかね?」

 

「申し訳ありません。敵の進撃速度が速すぎて情報が錯綜し、これ以上の事は…」

 

「そうか。じゃあ後の事は直接目で見て確かめるしかないな。すまない、現状について後の事に関して話を続けてくれ」

 

 

メテオスは引き下がり、再び現状について話を続ける。アジズから語られたのは魔王軍に捕らえられた民間人は既に何十人かが魔王の餌として捕食されてしまい、今も1日に数十人単位で民間人が魔王の元へ連れ去られていると言う。

 

 

「成る程……状況は切迫していますね。民間人達の精神的な部分も考慮すれば早急に行動を起こさなければならないな」

 

「えぇ。我が軍も救助作戦を何回か実行したのだが、何れもブルーオーガとレッドオーガに悉くやられて失敗しています」

 

「レッドオーガとブルーオーガ?」

 

「あぁ…レッドオーガとブルーオーガと言うのは名前の通り赤と青の毛色をした2体のオーガの事で、人間を遥かに上回る力を持ち、食事をとれば半永久的に力が落ちる事なく戦い続けていられる魔物。しかも奴等の毛は針金のように固く、剣と槍は当然受け付けない」

 

 

「なら飛び道具を使う我々の出番ですな」

 

 

 

城島が手にしていた89式小銃を見せる。

 

 

 

「取り敢えず現状については理解しました。ベルンゲンに居る本隊へ報告します」

 

 

 

百田が立ち上がり、本隊に無線報告に向かおうとした時………

 

 

バリィィィィィィィィィィィィン!!

 

 

突然司令室の窓が破られ、1体のフードを被った黒い物体が入ってきた。

 

 

 

「貴様は………マラストラス!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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