日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第5話

「貴様は…マラストラス!?」

 

 

司令室の窓ガラスを突き破って突入してきた、ノスグーラの側近『マラストラス』。

背中から漆黒の翼を生やし、顔はフードに隠れているがボンヤリと目が光っており如何にも魔物という雰囲気を醸し出していた。

 

 

「城島!」

 

「2等軍曹!」

 

「「了解!了解!(アイ・サー!)」」

 

 

 

突然の乱入者に司令室内に居たトーパ軍の騎士達は剣を手に、日米の部隊はマラストラスに銃口を向けるが、マラストラスは全く動じる事なく話し始める。

 

 

「人間共の頭を打ち取るために、我自身で出向かわなければならないとはな………まぁ良い。暇潰しには丁度良い!」

 

 

マラストラスはアジズに向けて掌を見せるように向けると、そこに膨大な魔力によって生成された黒い炎が現れる。

掌よりも巨大なサッカーボールサイズにまで大きくなった黒い炎の塊をアジズに向けて発射態勢に入った。アジズ本人は恐怖で体が動けず、避けるのは間に合いそうにないと判断した日米の部隊が動いた。

 

 

「撃て!」

 

「Fire!」

 

 

自衛隊と海兵隊の隊員がマラストラスに向けて射撃を始めた。狭い室内で5・56ミリNATO弾はマラストラスの体を引き裂いていくが自己修復してしまい未だに息絶える様子は見せない。

 

 

「中尉!コイツ、中々倒れません!」

 

 

「クソっ!何なんだコイツは!!」

 

 

ナンツは不死身とも言えるマラストラスに悪態をつきながらも引き金から指を離さずマガジンを交換しながら撃ち続ける。

 

 

「この野郎!くたばりやがれってんだよ!!」

 

 

ケビン・ロドリゲス伍長がM4に銃剣を取り付けて、マラストラスに向けて突撃を仕掛けた。

 

 

「よせケビン!」

 

 

仲間の静止を振り切り、ケビン伍長はマラストラスに銃剣を突き刺す。

 

 

「この人間風情が!」

 

 

 

マラストラスは何とか出せるだけの力を振り絞りケビンに向けて腕を振り落とし殴り倒そうとしたが被っていたヘルメットにより衝撃が緩和され、ケビン自身は少しよろめいた程度だったが、直ぐに態勢を建て直し銃剣をマラストラスの胴体に突き刺した。

 

 

 

「グァァァァ!!」

 

 

傷口からは血のような液体が吹き出しケビンの顔面に飛び散るが、ケビンは銃剣を突き刺したまま宙を浮いていたマラストラスを床に引きずり下ろす。

 

 

「この!この!この!」

 

 

何度も突き刺し続け、銃剣を何度も突き刺す。

 

 

 

「ザマァ見ろ!この化け物が!」

 

「撃ち方止め!」

 

 

 

ナンツは射撃を止めさせ既に動かなくなったマラストラスに近づく。

 

 

 

「やったのか?」

 

「着け剣、確認!」

 

 

動かなくなったマラストラスに近寄り死亡確認を行う。蹴りつけてみたが動く事は無かった。

 

 

「確認!!」

 

 

魔王の側近と言われ、空を自在に飛び回り魔法攻撃を放ってくるマラストラスに今まで手を焼いていたアジズ達はあっさりとマラストラスを倒した日米の隊員に歓喜の表情と目を向ける。

 

 

「ふむ……これは思いがけないサンプルが手に入ったな」

 

 

メテオスは魔王に近い存在の魔物の死体を直ぐに、部下の職員に魔導高速冷却器装置を用意させ、マラストラスの死体を腐敗防止のため氷漬けにしてから透明な袋に詰めて真空装置で空気を抜くと、クーラーボックスに仕舞い鍵を閉める。

 

 

「これで良い。これで魔帝研究が進むよ」

 

 

抜け目の無い性格のメテオスは笑みを浮かべながらクーラーボックスに識別用ラベルを貼り付ける。

 

 

 

 

「百田殿、アーロン殿、かたじけない」

 

 

 

運良く命拾いしたアジズは2人に礼を述べた。

 

 

 

「いえ、無事でよかった。でも緊急事態とはいえ敵の幹部を……コイツから色々聞きたかったのですが」

 

「いや、捕らえても口を割る事は無かったでしょう。なにせ奴は魔王の側近ですからな」

 

 

過ぎた事を悔やんでもしょうがないと百田は思考を切り替える。

 

 

「状況について本隊に報告します。直ぐに動けるようにしましょう」

 

 

百田とアーロンは直ぐにベルンゲンに待機している本隊に魔王軍とミナイサ地区の状況と情報を報告する。

 

 

 

 

 

 

 

本部との打ち合わせにより、2日後を目処にミナイサ地区に残されている民間人救出のための作戦が実行される事となり、ベルンゲン港沖のくにさき、ニュー・オリンズから輸送ヘリと攻撃ヘリがトルメスに送られる事となり、その日の夕方にはトルメスにヘリ部隊が到着した。

 

 

「おぉぉぉぉ~…………」

 

 

トルメス内の南エリアにある広場とその近くにある空き地に陸自所属のCH-47Jが4機、AH-1Sコブラが3機、海兵隊所属のCH-53Eスーパースタリオンが4機、AH-1Zヴァイパー3機が着陸する。

それを見に来ていたトーパ軍の兵士は驚きと興味深い表情で眺めていた。

 

 

 

「何とか人質を運び出せるだけの輸送力の確保は出来ましたね」

 

「あぁ……ソマリアみたいな事にならない様祈るがな」

 

「それ、うちのヘリ隊の連中の前で言わないでくれよ。ムーでアパッチが撃墜されたのをまだ引きずってるんですから」

 

「それにしても明後日の作戦、モンスター相手に人質救出なんて出来るのかな?」

 

「それを今、隊長達が話し合ってるんだ。明日はブリーフィングと訓練漬けだぜこりゃ…」

 

 

 

ヘリポートには城島と『猿渡学』准陸尉、『犬神剛』3等陸尉の3人の陸自隊員、海兵隊の『ジム・カーンズ』伍長と日系人の『ジェームズ・モトウラ』伍長達がそんな話をしていた。

 

 

「ヘリ部隊は分かるとして、どうして本隊は来ないんですか?」

 

「本隊は戦車とか装甲戦闘車とかの重車両が中心ですから、まだ艦からの揚陸が終わってない上に整備や点検もあるから間に合わないんだそうだ」

 

「となると、ウチのRCVの出番かな?」

 

 

 

燃料補給を行うヘリ部隊の様子を見ながら明日の即席訓練に向けて日米部隊とトーパ軍は夜通しで準備に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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