日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第8話

「レッドオーガとブルーオーガが人間どもに倒されただと?」

 

 

魔王軍に占領された北エリアから更に北にある廃鉱山に作られた魔王軍本陣の洞窟内に、重苦しい声が響く。

洞窟の一番奥には広い空間があり、そこには魔王軍総大将『ノスグーラ』が配下のコウモリから報告を受けていた。

 

 

「で…人間共には逃げられたと?」

 

 

魔王は糧となる人間を集めていた館がある北エリアを守っていたレッドオーガとブルーオーガが人間にやられたと聞き、人間の何十何百倍もの力を持つ彼らを葬った敵の事が気になった。

 

 

「レッドオーガとブルーオーガを屠った敵はどんな奴だ?」

 

 

キィキィキィキィ………

 

 

「鋼鉄の地竜が居て、目に見えない礫を放ってきただと?まさか………」

 

 

ノスグーラは人間達で自分たちに対抗できる力を持っているのは、自身が封印される直前に現れた『4人の勇者』と異界からやって来たと言う『太陽神の使い達』以外には存在しないと身を以て経験している。コウモリからの報告に鋼鉄の地竜と目に見えない礫を放ってきたと言う事は、敵が太陽神の使い達に間違いないと確信した。

 

 

「不味いな……魔帝様に近い力を持つ太陽神の使い達が現れたとなると、同じ轍を踏む事になりかねん」

 

 

ノスグーラは太陽神の使い達が自身や自分を産み出した魔法帝国にとっても非常に厄介な存在である事を認識しており、彼らが総攻撃を仕掛けてくる前に先手を仕掛けるべきだと判断、当初の計画であるトーパ王国への本格的な侵攻作戦日時を早める事にした。

 

 

「致し方無い………配下の全ての者に告げよ!人間共に味方する太陽神の使い達の復活が確認された!我が主、魔帝様の復活の障害となる彼らが再び力を以て仕掛けてくる前に決着をつける!明日の早朝を以て侵攻作戦を開始する!!」

 

 

 

ノスグーラの言葉は配下にある全ての魔物に思念波の力を使って伝えられ、温存されていた全兵力を占領した世界の扉へ集結させる。

 

 

 

 

そして一夜のうちに侵攻の準備を整えた魔王軍は世界の扉に集結し、彼らの後方に居るノスグーラは朝日を背に全神経を集中させながら、非常に高度な呪文を唱えていた。

 

 

『………………………………出でよ!カイザーゴーレム!!!!!!!』

 

 

 

呪文を唱え高らかにそう言葉を放つと、地面に大きな振動が起きる。

 

 

 

グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!

 

 

 

辺りに響く咆哮をあげながら、地面の土や石を材料にした巨大なゴーレムが姿を表した。

全長50メートルはあるカイザーゴーレムはノスグーラの持つ膨大な魔力によって自分の手足のように制御され、ノスグーラはその場から飛び立ちカイザーゴーレムの肩に乗る。

 

 

「先ずは人間共に絶望を味あわせよう………行くぞ!カイザーゴーレム!」

 

 

 

魔王の意のままにカイザーゴーレムはゆっくりと歩きだし、魔物達を後ろに下がらせて、世界の扉を破壊し、家屋を破壊しながらトルメス南エリアに向けて進撃を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

一方、ノスグーラの進撃開始とほぼ同時刻のトルメス南エリアで、起床時間となり日米の部隊が駐留するキャンプエリアに設けられたテントから日米の隊員達が出てくる。

 

 

「ん?」

 

「これは……」

 

 

 

日課である国旗掲揚をしていると、地面から僅ながら振動を感じた。百田とナンツはその振動に違和感を感じる。

 

 

「地震じゃ無いな」

 

 

震災を経験している百田はその揺れが地震では無い事を察知し、大きな異変が起きていると悟る。

 

 

「百田さん!アーロンさん!!緊急事態なんだ!」

 

「敵の親玉が乗り込んできた!それも巨大なゴーレムを従えて北エリアから近付いてくる!」

 

 

キャンプエリアにモアとガイが慌てた様子で駆け込んでくると百田とアーロンに緊急事態を知らせる。

 

 

「敵の親玉って事は………例のノスグーラって奴か」

 

「俺達の存在を知って慌てたか……分かった!モア、ガイ、俺と百田とメテオス氏と共に北門へ行くぞ!」

 

「分かった!」

 

 

百田とアーロンは部下の猿渡とコリーに隊の緊急招集と編成をするように指示し、まだ寝ていたメテオスを叩き起こして緊急事態である事を説明する。

 

 

「成る程、話は分かった!直ぐに連れていってくれ!」

 

 

叩き起こされて不機嫌だったメテオスの表情は直ぐに仕事の表情となり、魔導写真機と研究資料を片手にモアとガイと共にハンヴィーに乗り込むと北門へ向けて走る。

 

 

「モア、今の状況を可能な限り説明してくれ!」

 

「分かった!ノスグーラはカイザーゴーレムを使役し、北エリアから突然姿を表した!今の所、進撃速度は遅めだが北門に到達するのは時間の問題みたいだ!」

 

「トーパ軍は!」

 

「迎撃態勢を取っている!昨日王都からやって来た、王宮魔導特戦隊も迎撃準備をしているが、正直魔王相手には心許ない!」

 

「分かった。メテオスさん、カイザーゴーレムとはどのような存在なのでしょうか?」

 

 

アーロンはメテオスにカイザーゴーレムの詳細について質問する。

 

 

「カイザーゴーレムはノスグーラだけが使える高等魔法で、その膨大な魔力を使って大地にある様々な物質を材料にして精製される巨大ゴーレムだよ。弱点は胴体の真ん中にコアがあり、そこに攻撃を仕掛ければカイザーゴーレムは崩壊する筈だし、ノスグーラのカイザーゴーレムを操れる距離は非常に短い。恐らくカイザーゴーレムにほぼ近い至近距離に居ると思ってくれ」

 

「まるでスタ○ドだな。カイザーゴーレムの動きと防御力は分かりますか?」

 

「カイザーゴーレムはその巨体から精密な動きと素早い動きは出来ない。防御力も土と岩の集合体だから、君達が使っている火力でも問題は無い筈。だがその巨体に見合った凄まじいパワーはある。油断はしない方がいいね」

 

 

 

メテオスの説明を受けながら、ハンヴィーは北門へと走る。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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