日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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外伝:4

日本本土から北東に3000キロの地点にて確認された奇妙な地形を持つ島には3つの島がある。

リング状に広がる山脈に囲まれた内海に『カルアミーク王国』『ポウシュ国』『スーワイ共和国』の国があり、それぞれの島には海岸線が無く全体が断崖絶壁の崖に囲まれている。

 

 

この3国は外の世界からは完全に遮断され、其々の国の国民達は建国以来、手を取り合いながら共存の道を歩み続けている。

 

 

 

その中のカルアミーク王国の首都アルクール近郊に、王国3大諸侯で建国に最も尽力したとされる『ウィスーク』公爵家の邸宅がある。

その屋敷の一角にある小さな部屋の一角で、一人の少女が分厚い本を読んでいた。

 

 

「英雄の伝説………」

 

 

うら若き少女の名前は『エネシー』

ウィスーク公爵の一人娘であり、今は思春期を迎えて恋に燃えている。そんな彼女は今日も暇潰しにと、将来訪れるであろう自分が理想としている恋人の事を妄想をしていると、自身の部屋の一角に妙に分厚い本がある事を思いだし、休憩がてらそれを読み続けている。

 

 

今彼女が読んでいる英雄の伝説と書かれた本には、王国の歴史の中で活躍してきた英雄達の雄姿が描かれており、その中でエネシーが好きだったのは本の最後に書かれている一文だった。

 

 

 

『異世界の魔獣現れ王国に危機及ぼさん時、天翔る竜を操りし異国の騎士とその異国の使いと戦士達、そして魔を滅する方舟が現れる。彼等は太陽神による神託により、王国の危機のために立ち上がる。王国は建国以来の危機に見舞われるであろうが、異国の騎士と異国よりの使いとその戦士達、魔を滅する方舟により必ず救われるであろう』

 

「私の運命の人………きっとこの異国の騎士の方だわ!きっとそうだわ!」

 

 

 

少々困った妄想癖を持っているエネシーには、この預言のような文の中に書かれている異国の騎士こそが自分の運命の相手であろうと確信した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘックシ!」

 

「ハクション!」

 

 

 

尾張の艦内にある護衛要員用の待機室で大きくクシャミをするムーラとレクマイア。

 

 

「二人とも風邪か?」

 

 

近くに居た大塚が2人にそう問いかける。

 

 

 

「そうかもしれませんね。何だか背中に悪寒が…」

 

「ムーラ殿もか?実を言うと私もだ」

 

 

 

二人とも背中に異様な寒さを感じる。

 

 

 

「風邪だったら、売店に良い風邪薬がありますよ」

 

 

 

伊藤が2人にそれを教える。

 

 

 

「ありがたい。ムーラ殿、共に買いに行こうか?」

 

「そうだな」

 

 

 

2人は待機室から出ると、売店へ風邪薬を買いに行った。

 

 

 

 

 

 

呉を出港した使節船団は本土から北東に2900キロの地点に到達していた。

目的地までは後100キロを残すのみであり、船団は目的地の手前100キロの地点で特使達を目的地である島へ向かわせる手筈となっている。

 

 

「船長、予定地点へと到達しました」

 

「よし、特使を起こしてきてくれ。それと尾張に居るお客さんにも伝えてくれ」

 

 

 

予定地点へと到達した尾張とれいめいの2隻はその場で停止する。ここからは、ムーラとレクマイアの出番である。

 

 

「ではレクマイアさん、共に頑張りましょう」

 

「えぇ!」

 

 

 

尾張の艦載機格納庫の一角を陣取っていた2人のワイバーンはエレベーターで飛行甲板に出ると、各々の愛騎に跨がる。

そして、2人の後を追うように迷彩服を着用し小銃と拳銃、その他多数の装備で武装した2人の自衛官がやって来る。

 

 

「お二人が護衛役の松本殿と山崎殿ですな?」

 

「はい。松本幸治二等陸尉です」

 

「岸田信之1等陸曹です!」

 

 

この2人の自衛官はムーラとレクマイアと共に特使の護衛役を任された護衛官である。この2人は今回の任務のために陸上自衛隊最強と言われている『特殊作戦群』から選抜された隊員で、今回の特使護衛と言う重大任務で万が一に備えてと政府と防衛省より派遣されてきているのである。

 

無論、防衛機密の塊と言える特殊作戦群所属と言う事もあり2人の肩書きは第1空挺団普通科大隊所属のレンジャー隊員と言う事になっており、ムーラとレクマイアを始め、此処に居る者は橋本以外は2人の正体は知らされていない。

 

 

 

「お二人はワイバーンは初めてですか?」

 

「いえ。事前に訓練を受けていますので大丈夫です」

 

「そうでしたか。ではゆっくりと乗ってください」

 

 

 

レクマイアは最初に愛騎に乗り込み、その後を松本と岸田が順に乗り込む。

 

 

 

「こちらは準備できましたぞ!」

 

「分かった!では私も準備をしてこよう!」

 

 

 

ムーラは相棒と共に尾張から飛び立つと、れいめいの飛行甲板に着艦する。ヘリ格納庫前には既に、外務省から特使として派遣されてきた外交官の『北村勇二』とその秘書官が待機していた。

 

 

 

「特使の北村殿と浜崎殿ですな?私はお二人のエスコートを任されておりますムーラと申します」

 

「ムーラさん、今回は宜しくお願いします」

 

「こちらこそ。では出発前に、お二人はワイバーンに乗った経験は?」

 

「私も事前に訓練を受けましたが、自信はありませんね」

 

「私は問題ありません」

 

「分かりました。では乗ってください」

 

 

ムーラは先に北村と浜崎を相棒の背中に乗せてから、自分も跨がる。

 

 

「手綱をしっかりと握っていてください。では行きますよ!」

 

 

ムーラは胴に蹴りを入れてから相棒を飛び立たせる。

 

 

「おぉ~…………」

 

「中々のスリルですね!」

 

 

北村と浜崎はワイバーンの背中から見える始めての光景に興奮する。後ろを向くと、岸田と松本を乗せたレクマイアも来ていた。

 

 

「では行きましょう!」

 

 

2人の特使と護衛役の自衛官を乗せたムーラとレクマイアのワイバーンは目的地の島、カルアミーク王国へ向けて飛び立っていき、それを尾張とれいめいの艦橋から神と山崎は敬礼しながら見送る。

 

 

「気を付けて行ってきてくれや」

 

「頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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