日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

179 / 258
外伝:11

ムーラとレクマイア、尾張の参戦で空中では反乱軍の航空戦力が一掃されつつあった。

空中戦でワイバーンには及ばない火喰い鳥は、たった2騎のワイバーンに刈り取られていき、遂に1騎を残すのみとなった。

 

 

「これで最後だぁぁ!!」

 

 

ムーラは逃げ回っていた残り1騎の火喰い鳥に向けて、相棒にブレスを吐かせ、撃ち落とした。

 

 

「やった!」

 

 

反乱軍の火喰い鳥を見事に殲滅したムーラとレクマイアは歓喜に沸いた。

 

 

「やったなムーラ殿!」

 

「えぇ。これで何とか制空権は確保できた。これでヘリが飛ばせる」

 

 

ムーラは無線で尾張に制空権を確保した事を報告する。

 

 

 

「艦長!制空権確保との連絡あり!」

 

「よし!直ちに陸自のヘリ隊に連絡!」

 

 

制空権が確保できたので、神は格納庫で待機している陸自の第4対戦車ヘリコプター隊特別任務小隊に連絡を入れる。

 

 

 

「よし出番だ!行くぞ!」

 

「はい!」

 

 

格納庫に格納されていたAH-64Dアパッチの操縦席と射撃手席に居た大塚と伊藤が声を挙げる。

海上自衛隊のヘリコプター整備員が大塚のアパッチをエレベーターに移動させる。

 

 

『エレベーター上げます』

 

 

アナウンスと共に、エレベーターが動き出し、アパッチを尾張のヘリ甲板に上げる。

 

 

「エンジンスタート!」

 

 

エンジンのスターターボタンが押されると、2基のターボシャフトエンジンが動き出した。

 

 

「エンジン回転数良好。温度異常無し」

 

「火器管制システム異常無し」

 

「ジェロニモ1、take off」

 

 

アパッチが尾張の飛行甲板からゆっくりと浮き上がり、尾張の艦橋を越える程の高度にまで浮き上がると、そのまま尾張の周囲を旋回を開始する。

 

 

 

「ハンター1発艦!」

 

 

 

最初に発艦したアパッチに続いてAH-1Sコブラが格納庫から引き上げられてくる。今回の大塚を指揮官とする特別任務小隊には大塚の操縦するアパッチと、コブラ1機の2機で編成されている。現状では最高の航空戦力である。

 

 

「これより大使が居るウィスーク公爵邸へ向かう!到着後は公爵邸付近の敵を掃討後、大使の脱出を援護!」

 

『ハンター1了解!』

 

 

アパッチとコブラは進路をウィスーク公爵邸へ向けて一直線に飛行する。

 

 

「地上は凄い事になってますね」

 

 

下を見ると、町のあちこちて火の手があがり、王国軍が住民達の盾になりながら、一目散に比較的安全な港の方へ誘導していく。

 

 

「あぁ………」

 

 

 

大塚は下を見つめながらも操縦桿から手を離す事なく、操縦に専念する。

 

 

 

「見えた!」

 

 

 

僅か数分で目的地に到達した特別任務小隊。

ウィスーク公爵邸の回りには敵は来ていない様子で大塚はホッとした。

 

 

 

『こちら空挺1、聞こえるか?』

 

 

 

そこへ、松本から連絡が入った。

 

 

 

「こちらジェロニモ1、よく聞こえる。そちらは無事か?」

 

『何とかな。お客さん2人と我々で1騎ずつ火喰い鳥を落とした』

 

「それは凄いな。一応こちらから見る限り、周囲に敵は居ない。我々が上空から警戒するから今のうちに港に向かってくれ」

 

『了……』

 

『こちらムーラ!緊急事態発生!』

 

 

そこへムーラが無線で割り込んできた。

 

 

「こちらジェロニモ1、その声はムーラだな?どうかしたのか?」

 

『敵が総攻撃に入った!城門を突破されたらしい!至急救援を乞う!』

 

「敵さんもいよいよ後が無くなって来たって事か……分かった!今からそっちに向かう!5分だけ持ちこたえてくれ!」

 

『了解した!』

 

 

大塚は一度ムーラからの無線を切り、隣のコブラと無線を繋ぐ

 

 

「ジェロニモ1よりハンター1へ。俺は直ぐに城の方へ向かう!そっちは大使を港にいるれいめいまでしっかり送り届けろ!」

 

『こちらハンター1了解!』

 

 

大塚はコブラに後を任せると機体を反転させ城へと向かう。

 

 

「酷いですね」

 

 

城へ近づくに連れて地上の被害が酷くなっていく。

あちこちに敵の戦車が蔓延り、敵の歩兵や魔獣が城目掛けて突き進んでいく。

 

 

「見えた!」

 

 

ムーラとレクマイアの2人を確認した大塚は2人に無線を送る。

 

 

「こちらジェロニモ1!来てやったぞ!」

 

『ありがたい!見ての通り、城の前面に敵が押し寄せている!このままでは城が墜ちるのは時間の問題だ!歩兵と魔獣は我々でも充分対処できるが、敵の戦車はどうにもならないんだ!』

 

「分かった!敵の戦車はそんなに数は無い。奴等の相手は俺に任せろ!」

 

『頼んだ!』

 

 

敵戦車を相手取る事になった大塚と伊藤は久し振りの敵装甲戦力への攻撃に本来自分達の仕事である戦車狩りに心を燃やす。

 

 

 

「奴さんはルノーFT17に似ているな」

 

「それって、フランスが開発した世界初の回転式砲塔を備えた戦車でしたっけ?」

 

「そうだ。現代の戦車のルーツになった歴史的な戦車さ。もし奴さんがルノーと同程度の性能なら、チェーンガンで充分だ。伊藤、各戦車に向けてバースト射撃でやれるか?」

 

「勿論。相手の数は見た所25から30程度、チェーンガンとロケットで全て片付けられます」

 

 

伊藤は城に向かってくる戦車に向けて機首のTADS/PINVSを向けると、機関砲のロックを解除、ヘルメットのIHADSで手前の戦車をロックオンする。

 

 

「目標補足、照準よし!発射!」

 

 

伊藤は目標をセンターに入れると一瞬だけ機関砲のトリガーを押し、バースト射撃を行う。

 

 

「目標撃破!」

 

 

放たれた30㎜榴弾と徹甲弾は反乱軍の魔炎駆動式戦車の装甲を貫通し、内部に居た乗員を粉砕し動力を破壊、一瞬のうちに炎上した。

 

 

「目標沈黙!次の目標へ移ります!」

 

 

続けて左に居た敵戦車をロックオンし機関砲を撃ち込み、同じように敵戦車は爆発の後沈黙した。

伊藤は城に一番近い位置に居る敵戦車を優先的に攻撃し、次々と撃破していく。

 

 

「湾岸戦争の時の米軍もこんな感じだったんでしょうかね?」

 

「さぁな。このままワンサイドゲームになる事を願うが」

 

 

淡々と戦車を破壊していくアパッチに、敵の戦車は炎で撃ち落とそうとするが、元から対空戦闘を想定していない設計故、放った火炎放射もアパッチには全く届かなかった。

 

 

「無駄な努力だな」

 

 

 

伊藤は特に気にする事なく、淡々と機関砲で戦車を破壊していく。

やがて、アパッチが脅威と感じたのか敵戦車は次々と後退していく。

 

 

「敵が引き下がっていきます」

 

「絶対に逃がすな」

 

「了解」

 

 

大塚は敵戦車と一定の距離を保ちながら、ゆっくりと後退していく敵戦車を押し返していく。

 

 

「残り10両。機関砲残弾なし、ロケット弾攻撃に切り替えます」

 

 

続けて、伊藤はロケット弾攻撃に切り替える。

アパッチのウィングに装備されているハイドラ70ロケット弾が単発で1発ずつ放たれていき、全て敵戦車に命中していく。

 

 

「これで最後だ!」

 

 

残り一両の戦車を破壊し終え、伊藤は引き金から指を離した。

 

 

「目標の殲滅を確認した」

 

 

反乱軍の最高戦力だった魔炎駆動式戦車はたった1機のアパッチの前に全て損失し、地上での戦いの主導権は変わりつつあった。

 

 

 

 

 

 

続く




皆様からのご意見とご感想お待ちしております
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。