アパッチにより戦車を全て破壊された反乱軍は戦力が激減、地上での戦いの主導権はカルアミーク王国軍側へと傾きつつあった。
「押せぇ!押し返せ!奴等を港に行かせるなぁ!」
指揮官不足により自ら陣頭指揮を執るブランデ国王は、剣を片手に指揮を続ける。
民間人が避難している港に敵を行かせてなるものかと、王国軍人達は反乱軍達を押し返していく。
「えぇい!何をしている!魔獣を前面に押し出せ!」
反乱軍の魔導師『オルド』は前線で反乱軍を指揮し、魔獣部隊を前面に押し出す。
「魔獣だ!魔獣の大群が来たぞ!」
人間の何十倍の戦闘力を持つ魔獣部隊が王国軍前線に押し寄せてくる。
「不味い!このままではまた押し返される…」
王国軍にとって魔獣は非常に厄介この上ない存在である。魔獣一匹につき10人以上でないと倒せないため、今の王国軍の力を考えると、最早不可能に近かった。
「どうする………あの魔獣の大群を止めるには」
ブランデはどうしようかと迷う。その間にも魔獣達は雄叫びを挙げながら迫ってくる。
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ~
「ん?」
何処からか、何かをうちだしたような音が聞こえる。一瞬頭上を細長い何かが通過し、その直後、魔獣部隊で複数の爆発が同時に発生し、多数の魔獣が吹き飛んだ。
「陛下!頭上をご覧ください!」
ブランデの配下の者が指差した方向を見る。港の方向から大使達の護衛を終えて駆け付けたAH-1Sコブラが現れた。
「おぉぉぉぉぉ~………先程、敵の戦車を破壊した日本の羽虫の仲間かぁ!!」
ブランデはコブラを見てそう声を挙げる。
コブラは彼等の上空を通過すると、ホバリング状態に入り、左右のウイングに装備されているハイドラ70ロケットランチャーを魔獣部隊に向けて連射モードで撃ち込んでいき、多数の魔獣を吹き飛ばしていく。
流石に獰猛な性格の魔獣もコブラの圧倒的とも言える戦闘能力を前に動きが止まり、恐れをなしたのか後退を始める。
「凄い、敵が後退していくぞ………」
「失礼します!」
そこへ、ムーラと相棒がブランデの前に降り立った。
「国王陛下、ご無礼は承知と心得ていますが、今一つお願いがあります!」
「ムーラ殿………申してみよ」
「はっ!港に居る日本の戦船より、貴軍を支援するとの申し出がありました!」
「支援か!?それはありがたい!して支援とはどのように?」
「はい。戦船の巨砲を以て、敵を殲滅するとの事です。その前に、ここから前方に見える町に民間人が取り残されていないかと確認したいのですが」
「分かった。少々待ってくれ」
ブランデは配下の者に、砲撃地点の敵に占領されている町中に民間人や友軍は取り残されていないかを確認を取る。
「ムーラ殿、心配無用だ。王都の住民は全員、港に避難しているのを確認している!思う存分やってくれて構わない。もし必要なら我が軍もそちらの指示で動かせるようにしておこう」
「ご配慮感謝します!」
ムーラは無線で尾張に報告する。
「艦長、砲撃許可が得られました。それと、こちらの指示で王国軍を動かしてくれるように手配もしてくれるそうです」
通信員からの報告に神は帽子を被り直すと、一呼吸置いて刮目した。
「よし!砲撃用意や!」
「了解!」
尾張は主砲の向きを変えて、敵が居る方向に向けて照準を合わせる。
「艦長、ジェロニモ1より砲撃諸元が来ました!」
「射撃指揮所、砲撃諸元はジェロニモ1のデータを使用。各砲交互撃ち方!」
「了解!」
港から敵が居る地点を砲撃するには王城が邪魔であるため、大塚のアパッチが着弾観測と火力誘導を行い、送られてくるデータを元に砲撃諸元が割り出されていき、その情報が各砲に伝達される。
「主砲、交互射撃用意よし!」
「撃ち方始め!」
「撃てぇ!」
数回のブザーが鳴り響く。それと同時に3基の主砲塔に装備された3つの砲身の中央の砲身が同時に射撃を開始した。
超音速で打ち出された砲弾は曲線を描きながら王城とブランデ達の直上を一瞬で通過していく。
『弾着………今っ!』
3発の51センチ榴弾は反乱軍の真上から降り注ぎ、着弾した瞬間に砲弾に詰め込まれていたTNT火薬が大爆発を起こした。その衝撃波と熱波は反乱軍を粉々に吹き飛ばしていく。
「初弾全弾命中!」
「同一諸元にて効力射!」
「はい!」
続いて効力射撃による連続砲撃が行われ、全て反乱軍の頭上から降り注ぐと、反乱軍を踏み潰すかのごとく消し飛ばしていく。
「おぉ………」
「これは………」
目の前で起こる大破壊にブランデと王国軍は耳を塞ぎながら、それを呆然と見つめる。
「これが日本の力か………つくづく彼等が味方で良かったな」
51センチ砲による効力射撃は反乱軍の総戦力を消滅させていく。
そして30分にも及ぶ砲撃の末、反乱軍は戦力の9割を失い、戦闘能力をほぼ完全に失った
続く
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