日本から出発した海上自衛隊の各部隊はそれぞれの担当する海域に到達すると、早速哨戒活動に入っていた。
ロデニウス大陸から東にある海域の哨戒を担当する厚木基地第51航空隊所属のP3Cは巡航速度で飛行しながら、辺り一帯をMAD(磁気探知機)や捜索用レーダー等の探知・捜索・監視装置をフル活用しながら飛行していた。
「ん?」
第51航空隊所属の一機のP3Cの捜索用レーダーとMADが、洋上を動く物体を捉えた。
「
SS-3と呼ばれるレーダー員からの報告に機内に居た全搭乗員に緊張が走った。
「位置と方位は?」
「2時方向、距離220、速度0」
「TACCO直ちに航路策定と報告」
「了解」
哨戒機に於いて機体を操縦する操縦士や他の乗員を指揮下に置く戦術航空士(TACCO)の「岡本幸司」2尉はNAV/COMと呼ばれる航法・通信員に、レーダー員からの情報を基に最適な航路を導き出すよう指示すると同時に、基地への報告を行う。
「司令部、こちらシードラゴン01。哨戒エリア内にて、所属不明の船舶らしき反応を捉えた」
衛星通信を介して海上自衛隊の各基地に置かれているASWOC(航空対潜水艦作戦センター)に報告を入れる。
『了解。直ちに当該不明目標を確認し、再度報告せよ』
「こちらシードラゴン01了解。これより不明目標確認に向かう、現場へ急行だ」
「了解」
岡本はPICと呼ばれる、機体を操縦する操縦士に指示を送と同時にレーダー情報を送る。
PICは操縦桿とスロットルレバーを操作し、機体を指示された方向へ向けた。
P3Cのアリソン社製T56-A-14ターボプロップエンジンが唸りを上げて、プロペラの回転速度が上がると、機体は速度700キロと言う、その図体からは想像できない程の速度にまで加速し、現場へ急行する。
「ESM探知!目標のレーダー波に捕まりました」
「方位は?」
「前方、不明目標を探知した位置からです」
「TACCO!目標に動きあり!」
「接近に気付かれたな。潜ってるのか?」
「はい。反射が小さくなっていきます、急速潜航に入った模様」
「目視確認は間に合わないな……」
岡本は目的地到着まで目標は潜航していると判断し、ASWOCに報告を入れる。
『了解した。警告弾にて目標へ警告。目標が警告に従ってクワ・トイネのEEZ外に出た場合は追跡終了し、警告に従わず領海へ侵入した場合は規定に従い攻撃せよ』
「了解」
そうこうしているうちに機体は目的地上空に到達し機体はそのまま高度を下げる。ここからは岡本が本領を発揮する。
「ソノブイ、1番から10番まで投下用意に」
岡本の指示で機体の後方に居るORD(機上武器員)が、ソノブイと呼ばれる小型のソナー装置を投下口にセットする。
『投下用意よし』
「投下!」
ORDが投下口にセットしていたソノブイから手を放すと、ソノブイが投下口から等間隔で放出されていき、投下直後に減速用のパラシュートが開かれ、ゆっくりと海上に着水していく。
着水したソノブイはフロートと連結したVHF通信アンテナを海上に残してソナーが海中へと潜っていく。
「さて、ここからだな」
続く
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