「次に武器をご紹介しましょう」
マイラスは、木箱から1丁のライフルと拳銃を取り出す。
先ずそのライフルであるが木製の長い銃床の先から突き出ている長く太い銃身、銃の下に突き出ている箱型の弾倉が特徴のライフルは非常に頼もしい印象を受ける。
「これは我が軍で採用が検討されている歩兵自動火器計画の試作品です」
このライフルは、アメリカ軍がベトナム戦争の初期に使用していたM14ライフルをモデルにしており、オリジナルとの違いはムー人の体格に合わせて大きさが変えられている事と、弾薬がムー陸軍制式弾である6・5㎜弾に合わせられており、発射機構はセミオートのみである点で、内部機構やデザインはM14を踏襲している。
「この銃は従来のボルトアクションライフルのように一発撃つ度にボルトの操作を必要とせず、引き金を引くだけで発射・排莢・装填の3つの動作を行う自動ライフルです。操作は至って簡単です。先ずは20発の弾薬が入ったこの弾倉を引き金の前にあるこの溝に弾倉の前を引っ掛ける様に装着します。次に此処のチャージングハンドルを引くと、弾倉から持ち上げられた弾薬がボルトに装填されます、後はここにある安全装置のつまみを回せば発射準備完了です」
マイラスはライフルの装填から発射までの流れを実演しながら説明する。
「続いて、弾倉内の弾薬を撃ちきり、新しい弾倉に交換する方法です。弾倉と引き金の中間にあるこの小さいレバーを押しながら弾倉を引き抜きます。引き抜いたら、新しい弾倉を先程と同じように装着し、開いたままのチャージングハンドルを少し引き下げ手を離しボルトを閉めれば再度発射が可能です。ボルトアクションに比べれば少し慣れが必要ですが、扱える様になればボルトアクションライフルよりも遥かに扱いやすくなります」
ライフルの説明を終えて、次に拳銃の説明を始める。マイラスが手に取ったその拳銃は一見すれば現代の一般的な自動拳銃であるが、非常に単純で武骨な印象を受けるこの銃は日本では『黒星』『銀ダラ』等の通称を持ち、悪い意味で知られている有名な『トカレフTT33』だった。
犯罪者やヤクザのイメージが強いこの拳銃が何故此処に有るのか?
「この拳銃は日本では悪い意味で知られていますが、先進技術実証室では従来の6連発リボルバーよりも優れているこの銃、自動拳銃の特性に注目しました。この銃は先程のライフルと同じ様に複数の弾薬が籠められた弾倉を装着し、発射時の反動で排莢と装填を行います。使い方は、8発の拳銃弾が入っているこの弾倉をグリップのこの穴に入れ、上のスライドを引きます。こうすれば装填完了です」
マイラスはトカレフの側面に備えられたレバーを下に倒す。
「これは手動式の安全装置で、このレバーがスライドを引っ掛けると同時に引き金をロックする構造となっています。この拳銃のオリジナルには安全装置が無いのですが、この拳銃には運用面での安全を考慮し手動式安全装置を追加しています。このレバーを下に倒せばスライドと引き金に掛けられていたロックが外れ発射可能となります。そして撃ち切れば、このスライドストップと呼ばれるレバーがスライドを後退位置で停止させます。引き金とグリップの間にあるボタンを押すと弾倉が外れ、次の弾倉を装填しスライドストップレバーを押し下げればスライドが元の位置に戻り再び発射可能となります」
弾倉を引き抜き、別の弾倉を押し込みスライドストップレバーを押し下げスライドを元の位置を戻す動作を見せるマイラス。
「ではこれよりこの2丁の銃と弾薬を一人ずつ配ります。受け取った方から弾倉に弾丸を込めてください。ですが決して銃には装着しないでください」
試作ライフルとトカレフ、弾薬が全員に配られる。受け取った者から弾倉に弾を込めていく。
そして全員が支給された装具と銃を身に付け、整列すると、試験中隊はそのまま徒歩で所定の場所へと移動していった。
続く
皆様からのご意見とご感想お待ちしております