日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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閑話休題:5-15

戦車隊が善戦している頃、後方に控えていた基地駐留部隊の歩兵隊は戦車隊を掻い潜って迫ってくる敵歩兵隊に対処していた。

 

 

「撃て!!奴等を近づけるな!」

 

 

基地駐留部隊はムー陸軍の主力ライフルであるボルトアクションライフルを必死に操作しながら、敵を狙い撃つ。

 

 

「次から次へと!」

 

「機関銃、援護!」

 

 

鬼気迫る勢いで迫ってくる敵と、軽機関銃と重機関銃による攻撃も加わり何とか敵を近づけさせまいとする基地駐留部隊。後が引けない戦いに双方とも精神的に疲弊していく。

 

 

「前方、敵装甲車と軽戦車!」

 

 

誰かが叫ぶ。

ふと前方を見ると、敵歩兵を乗せた多数のハーフトラックと護衛のシェイファーが迫ってくる。

 

 

「各隊、前方に火力を集中!」

 

 

歩兵隊の指揮官がハーフトラックとシェイファーに火力を集中させる。

ガエタン重機関銃の12・7㎜弾が敵ハーフトラックの運転席や荷台の装甲板を貫通し運転手と歩兵ごと貫く。

 

 

「良いぞ!行けぇぇ!」

 

 

基地駐留部隊はガエタン重機関銃の威力に勇気づけられたのか、喚起の声をあげる。

敵もガエタン重機関銃の威力を脅威と認識したのか、シェイファーが前に出てきて、ガエタン重機関銃が設置された機関銃陣地を優先的に攻撃していき、そのうちの数発がガエタン重機関銃を射撃手ごと吹き飛ばした。

その勢いのままハーフトラックとシェイファーが仕掛けてきた。

 

 

 

「重機関銃がやられた!奴等が来るぞ!」

 

「慌てるな!例の新兵器を使え!」

 

 

指揮官の命令で、数人のムー兵が背後の細長い箱から一本の何かを取り出した。

全長900㎜の鉄製の筒の下にはトリガー、左横には小型の照準器が備えられ、後方にはラッパ状のパーツが取り付けられており、それを手にしたムー兵は緑色に塗装された砲弾のような形をした弾頭を先端にねじ込んでから固定すると肩に担ぐ。

 

 

「良いか……しっかり狙え」

 

 

ムー兵は照準器を覗き込み、シェイファーに照準線を合わせる。

 

 

「後方安全確認!発射ぁぁぁ!!!」

 

 

後ろを振り向いて誰も居ない事を確認してから引き金を引く。

 

 

 

シュバァッッ!シュゥゥゥゥゥゥ!!!

 

 

ラッパ状のパーツから炎と衝撃波が吹き出され、弾頭部が煙を吐きながら勢い良く飛び出して行き、シェイファーの前面装甲に直撃する。

その瞬間、シェイファーは派手な爆炎をあげ、砲塔がビックリ箱のように真上に向かって飛び上がり、炎上した。

 

 

「やったぁ!」

 

「凄い威力だぞコイツは!」

 

 

ムー兵達は手にしていた筒、新生アメリカ合衆国から取り寄せた『RPG-7 対戦車擲弾発射器』の破壊力に驚きと喚起の声をあげる。

 

 

 

「よし!どんどん撃ち込め!!」

 

 

 

ムー兵達はRPG-7に弾頭を装着し敵車両に向けて次々と撃ち込んでいく。

対戦車兵器からの攻撃を想定していないシェイファーとハーフトラックはRPG-7の有効射程距離内に入り込んでいたため、百発百中の確率で命中させられ一方的に破壊されていく。

 

 

 

「ダメだ!近づけねぇ!」

 

「こんな所で死にたくねぇよ!俺は逃げるぜ!」

 

「俺もだ!やってられるか!逃げるぞ!」

 

「待て!待たぬか!貴様らそれでも精強な帝国陸軍の軍人かぁ!戦え!突撃ぃぃ!!」

 

 

敵兵も予想を遥かに上回る反撃を前に、我先にとその場から武器を捨てたり、まだ使えるであろう車両を放棄して逃げ出し始める。それを部隊の指揮官が止めに入ると言う醜態を晒し、纏まった部隊行動が出来なくなっていた。

 

 

 

「敵の士気は崩壊した!追い返すぞ!着剣!」

 

 

好機と見た基地駐留部隊の歩兵はライフルの銃口に銃剣を装着する。

 

 

「突撃ぃぃぃぃ!!!!!」

 

 

その合図と共に陣地から大勢のムー兵が飛び出し、撤退していく敵兵に向けて銃剣突撃を敢行した。

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

「逃がすかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

鬼気迫るムー兵に敵兵は一目散に逃げ出すが、直ぐに追い付かれ銃剣で串刺しにされていく。勇敢な敵兵が幾人かのムー兵を返り討ちにするが、数に勝るムー兵に圧倒され、努力虚しく倒されていく。

 

 

「後退だ!後退!」

 

 

敵兵も不利だと判断したのかムー兵に背中を向けて退散していく。

 

 

「やった…………」

 

 

退散していく敵兵を見ながら、ムー兵達は敵からの攻撃を凌ぎきれた事に安堵する。

 

 

 

この時の戦闘を最後に、この日の戦闘は終了した。

だがグラ・バルカス軍は完全には撤退せず、遥か後方の自陣に籠ったため、互いに睨み合う事となった。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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