日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

222 / 258
閑話休題:5-19

特殊空挺連隊の襲撃により、戦闘前に指揮官戦死と言う大損害を受けたグラ・バルカス軍は、進撃路の後片付けをしながら今後の事について、指揮権を引き継いだ幹部達が話し合っていた。

 

 

「指揮官戦死にこれ程の大損害………作戦の続行は可能かと思うか?」

 

 

戦死したサーイーレに代わり、指揮権を引き継いだ『マーレ』少佐は、部隊が受けた損害から作戦続行可能か各部隊の指揮官に問い掛ける。

 

 

「我が戦車隊は損害を受けましたが、戦闘続行は可能で、兵の士気は依然変わりなく旺盛です。むしろ、このような卑怯な手を使ってきた敵を打ちのめしてやりたいと言う思いを持っている兵士が大多数です」

 

「我が歩兵隊は死傷者が多く、移動用の兵員輸送車の殆どが使用不能なため戦闘は可能ですが進撃速度の低下は免れません」

 

 

各隊から上げられる損害報告から基地奪還部隊は戦闘は可能であるが、移動速度の低下は免れない。隊の全指揮権を持つマーレは進撃を続行するか、再度部隊を建て直して進撃するか考える。

 

 

「…………………………各隊は戦闘可能であるのは間違いないんだな?」

 

「はい」

 

「よし、では戦闘は続行可能と判断し我が隊はこのまま目標に向けて進撃を続行する!」

 

「「「「「了解!」」」」

 

 

 

グラ・バルカス軍は作戦続行を優先し、道を塞いでいる岩を破壊して、負傷者を後送し、ハーフトラックに乗りきれない兵士をタンクデサントのように戦車の車体に乗せて再び進撃を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、バルクルス基地では…………

 

 

「何とか間に合いました!」

 

 

基地の一角にある整備場で、ヴィットマンとマイラス達が使用不能となった61式から取り外したパーツを用いて61式改の現地改良のための突貫改修作業を終えていた。

 

 

「見た目も多少は凛々しくなりました」

 

 

現地改良を終えた61式改には、61式に搭載されていた装備が移されている。

車長ハッチと装填手ハッチにはアメリカ軍のM1エイブラムスに施されている市街地戦防御キットTUSKを参考にした全周防御用の防盾が装備され、61式の同軸機銃であるガエタン軽機関銃(ブローニングM1919)が装填手に追加されており、更には車体左右に履帯と車輪を守るための金属板から切り出した爆発反応装甲付きのサイドスカートが取り付けられて防御力と対歩兵火力が増強されている。

 

 

性能的には、イスラエル軍のマガフにより近くなっている。

 

 

「昨日の戦闘結果から戦車隊は積極的に前へ出ないでしょう」

 

 

 

基地駐留部隊の戦車隊は昨日の戦闘で前に出すぎたため、4両の61式が失われる結果となったため、今回の戦闘では対戦車火器を保有する歩兵部隊を中心に戦車隊はその援護に回る事になっている。

 

 

「歩兵中心の戦闘となると戦車の援護は非常に重要になりますね」

 

「えぇ。ですが生身の兵士中心の戦闘になると、犠牲者も昨日の戦闘より多くなりそうですが………」

 

「そのための戦車です。それで今回の戦闘は空軍と航空自衛隊も参加すると聞いてますけど、本当ですか?」

 

「えぇ。航空自衛隊も支援に当たってくれる予定になっています」

 

 

 

現時点で、リュウセイ基地ではムー空軍と航空自衛隊リュウセイ基地分遣隊が待機しており、ムー空軍のマリンで編成された航空部隊は地上部隊への近接航空支援、航空自衛隊はF-15とF-2による制空権確保を分担して行う事になっている。

 

 

「ん?」

 

 

ふと何処からか爆音が聞こえてくる。

 

 

「あれは………」

 

 

空を見上げると、7機の機影が白い飛行機雲を引きながら高空を飛行していた。

 

 

「F-2とF-15………まだ戦闘も始まってないのにどうして?」

 

「特殊空挺連隊の作戦に参加するらしいです」

 

 

F-2とF-15はそのまま北の空へと向けて飛び去っていった。

 

 

 

 

 

 

それから十数分が経過した。

 

 

進撃を続けるグラ・バルカス軍は谷を抜けた。平原に出ると後は基地に向けて進路上に障害物は殆ど無い。帝国軍は遅れた分を取り返すかの如く、出せる速度で全速を出しながら進み続ける。

 

 

「目標確認」

 

 

たが、それも特殊空挺連隊により完全に捕捉されていた。道の左右にある人間の背の高さよりも少し長いくらいの雑草で覆われた叢の中で、ほんの僅かな隙間から特殊空挺連隊が目を光らせている。

 

 

「隊長、間も無く予定時間です」

 

「作戦第2段階に移行」

 

 

チャーリーの指示で、隊員はバックパックからレンズが付いた四角い箱、レーザー誘導爆弾を誘導するレーザー照射装置を取り出し、3脚を組み立て、照射装置を乗せると電源ボタンを押す。

目には見えないが、照射装置から爆弾誘導用のレーザー光線が目標に向けて照射される。

 

 

「こちらイグアナ1、目標捕捉完了」

 

『こちらスカイハンター了解』

 

 

無線を使い、上空で待機しているF-2と交信する。

上空で待機していた3機のF-2は高度を下げ、主翼下のハードポイントに装備されているGBU-87/Bクラスター爆弾の投下態勢に入る。

 

 

『ドロップ、レディ………ナウ!』

 

 

パイロットが操縦桿のボタンを押すと、GBU-87/Bが投下された。

 

 

 

 

続く




皆様からのご意見とご感想お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。