日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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ここから暫くは、日本とアメリカの活躍を書きます。


第8話

中央暦1640年 8月1日

 

日本と在日米軍による、パーパルディア皇国 皇都エストシラントと工業都市デュロ攻撃の約一週間前のこの日の深夜、エストシラントより東へ5㎞の地点。

皇都郊外にあるこの砂浜は皇族の保養地として使われており、砂浜から500メートルの平地には皇族専用の別荘が数件程、軒を連ねている。

今は戦争中のため、誰も居ない事となっている。

 

 

新月で月明かりがなく、波が打ち付ける音しか聞こえない中、砂浜より奥の海面から複数の人影がゆっくりと砂浜へと上陸してくる。

砂浜に揚がってきたのは黒一色のウェットスーツに酸素ボンベを背負い、銃を携えた10人程度の男達で、海面から姿を表すと周囲を警戒するように展開を始める。

一番先頭に居た男がハンドサインで全員に伝えると皆銃を構えたまま正面にある草むらへ向かって砂浜を駆け足で潜り込む。その場でウェットスーツを脱ぎ、黒のコンテナから装備を取り出し手際よく装備していく。

 

 

「ノブナガ、こちらコウガ。上陸成功、かまりと接触する」

 

『了解』

 

 

迷彩服に着替えた指揮官を中心に全員が一ヶ所に集まる。

 

 

「我々の位置は皇国首都から東へ5㎞の地点だ。任務は敵首都内にある重要施設の細かい位置の調査と重要施設の特定、味方の誘導だ。それまで俺達はかまりと共に敵首都内で活動する」

 

 

 

『かまり』、戦国時代の敵側に居る内通者を意味する単語がつけられた存在の元へ彼らは片眼にナイトビジョンを装着し、周囲を警戒しながら暗闇に紛れ、かまりが居る別荘地に向かう。

別荘地エリアに続く草叢を最短コースで抜け、木で作られた柵を易々抜け別荘地エリアへと侵入する。

 

 

「この奥の突き当たりを左か」

 

 

エリア内には数人のパーパルディア皇国兵がパトロールを行っているが目的地とは反対方向のため彼らに見つからないよう、闇夜に紛れながら音を立てず建物や物陰に隠れながら素早く移動していく。

 

 

「ここだな」

 

 

 

辿り着いた目的地にあったのは木造の小洒落た家だった。門扉には皇国の政府関係者を意味する紋章が取り付けられており、その別荘の主こそがかまりである事は明かである。

そんな建物が建っている敷地を囲っている塀の裏にあるドアを開けて中に入り建物の勝手口の前で立ち止まる。

指揮官がリズムを加えながらドアを静かに叩く。

 

 

「しばし待たれよ」

 

 

そう返答が返ってくる。

男達は手にしていた銃の安全装置を外し何時でも撃てる様に備える。

 

 

 

程なくしてドアが開かれる。

 

 

「よくここまで来られた。」

 

 

彼らを出迎えたのは口髭を蓄えた初老の男だった。

 

 

「協力者のカイオス殿ですか?」

 

 

彼らを出迎えたのは、パーパルディア皇国第3外務局局長の『カイオス』だった。

今現在、パーパルディアの政府関係者の中で日本の事を誰よりも理解し独自のチャンネルを持っている唯一の人物である。

 

 

「貴方方が連絡のあった、日本とアメリカの密偵ですな?」

 

「はい。取り合えずよろしくお願いいたします」

 

「こちらこそ。して貴方達の名前を聞いておきたいのだが……」

 

「本名は明かせませんが何か名が無いと不便でしょう。取りあえず私の事はハットリと呼んで頂ければ」

 

「私はイーサンと呼んでくれ」

 

「相分かった」

 

 

ハットリと名乗ったのは日本の陸上自衛隊特殊作戦群の隊員、イーサンと名乗ったのは在日米海軍所属のネイビーシールズの隊員であり、この2か国の連合特殊作戦部隊は一週間後の自衛隊と米軍との合同作戦、皇国政府の中枢人物の逮捕拘束支援のためカイオスの手引きによりここまでやって来たのである。

 

 

「では改めて作戦計画を練りましょう。」

 

 

その日から、彼らとカイオスとの間で一週間後の作戦についての計画が練られる事となった。

 

 

 

 

 

続く

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