日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第3話

ク・ボタから先発した第1機動旅団は、国境警備隊が駐屯している中央山脈へ向けて、全速力で向かっていた。トラックの荷台では旅団の兵士達か到着後直ぐに戦闘行動が出来るよう各々のM1642の手入れと弾薬を装填していた。

訓練でようやく使えるまでになっているとはいえ、彼等にとってはライフルは未知の武器であり、戦場で使えなくならないように入念に手入れを行う。

 

 

「随分念入りだな」

 

「前線で頼りになるのはコイツだけだからな」

 

 

若い兵士はライフルを手に念には念を入れる思いでライフルを整備する。

 

 

 

一方で車列の前方を走っている60式装甲車の中では、モーチが無線機を使い国境警備隊に状況の確認をしていた。

 

 

 

『こちらも警戒態勢で備えています。今の処、敵の姿は確認されていません』

 

「了解した。そちらへの到着は一時間後を予定」

 

『了解』

 

 

 

通信を終えると、モーチは部隊通信用無線を開く。

 

 

「指揮車より各車ならびに全部隊へ。現在の処、国境に敵の姿は確認されていないが最早時間の問題である。我々は敵を絶対に越境させてはならない!各員の奮励努力に期待する」

 

 

モーチは通信機を切る。

 

 

 

 

 

 

一方で、中央山脈を見渡せる山の頂上にある国境警備隊本部では…

 

 

「隊長、間も無く全員配置につきます」

 

「分かった。斥候部隊は?」

 

「間も無く帰還します」

 

「分かった。じゃあ我々も行くか」

 

 

国境警備隊隊長を勤める『サイトモ』大佐は、自分用のライフルを手に警備隊詰め所から出ると、土嚢が積み上げられた掩体壕に入る。

この山は標高203メートルあり、ロウリアに向いている側の斜面が僅かに急になっており、クワトイネ側の斜面は緩やかになっていて攻め手側からは攻めにくく、国境警備の拠点としては非常に向いている山である。しかもクワトイネ側の山中には山の裏側へ通じる洞窟もあるため、出口からロウリア側を見渡せ、警備隊による防衛陣地が設置され正面と上から攻撃と監視が出来る。

 

 

まさに天然の要塞である。

 

 

「各隊の配置は?」

 

「ライフル、機関銃、既に設置完了しています。ロウリア側の斜面にもトラップを仕掛けました。軍の到着までの時間は稼げるかと」

 

「よし。じゃあ俺たちはやるだけの事をやろう」

 

 

サイトモは手にしているライフルに弾薬を装填する。

 

 

「隊長!斥候部隊が戻りました!」

 

 

そこへ、先行偵察に出ていた斥候部隊の指揮官がやって来た。

 

 

「報告します。敵地上部隊の前衛と思われる部隊、およそ10000を確認しました。全速力でこちらへ向かってきています」

 

「来たか。総員戦闘配置!」

 

 

警備隊は戦闘配置に就く。

ロウリア側を向いている洞窟の出口に居る機関銃部隊はブローニングM2重機関銃に弾薬を装填し、ライフルを装備している一般警備隊員も土嚢にライフルの銃口を添えて射撃準備に入る。

 

 

「戦闘配置完了」

 

 

戦闘配置が完了し、辺りが静粛に包まれる。

 

 

 

「来たぞ!敵を視認!」

 

 

誰かが叫ぶ。

 

 

全員がその方向を見ると、土煙をあげながら地割れのような音が聞こえてくる。

土煙の向こうから徐々に影のようなものが見えはじめ、その奥から馬に股がった騎兵と槍兵が見えてきた。

 

 

「凄い数だ………2年前の西部方面騎士団も同じような感じの光景を見たのか」

 

 

サイトモは迫ってくる南軍の数を見てそう呟く。

 

 

「隊長、連中は罠に掛かるでしょうか?」

 

「掛かる事を祈ろう」

 

 

迫ってくる南軍は待ち構えてる罠に向かって進み続ける。

 

 

 

 

続く




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