斉射により放たれた155ミリ弾は、進撃中の南軍クワトイネ侵攻部隊の本隊の頭上へと降り注いだ。
『弾着………今っ!』
砲弾が頭上で爆発し衝撃波と破片が彼等に遅いかかる。
「うわぁぁぁぁ!」
「何なんだ!!」
連続的に起こる爆発に、南軍はたちまち混乱する。この一斉射で南軍は何千と言う兵力を瞬く間に喪失した。
しかし、砲撃はこれだけで終わりではなかった。
「続けて撃て!」
再装填中の75式に変わり第3師団の105ミリ榴弾砲が射撃を開始し、南軍へ向けて断続的に砲弾を打ち込む。
公国兵達は射撃をしたら砲弾と装薬を装填する一連の動作を繰り返し、75式全門の再装填からの発射準備が整うまで連続した砲撃を続ける。
放たれる105ミリ榴弾は、155ミリ榴弾程では無いが爆発時の衝撃は凄まじく、南軍兵達を木っ端微塵にしていく。
「散れ!1ヵ所に固まるな!」
南軍は兵力の損耗を抑えるため、集団戦方から散開戦法に切り替えようとしていたが、爆音と混乱により指揮系統が全く機能せず、南軍兵達は各々による独断でバラバラな行動をとる。
『こちらオメガ1、砲撃効果絶大』
上空ではOH-1が着弾観測を行いながら、砲撃諸元をリアルタイムで送り続ける。
75式と105ミリ榴弾砲は交互に射撃を行いながら、数万の侵攻部隊の戦力を削っていく。
「このまま一気に敵の戦力を削るぞ。砲撃続行!」
公国軍と自衛隊は砲弾を使い果たす勢いで砲撃を続け、山頂は発射煙が立ち込め、公国兵と自衛隊員は息が出来ないため全員ガスマスクを装着している。
砲撃開始から1時間で、特科と野砲部隊は持ち込んだ砲弾を使い果たし砲撃を終了した。
そして直ちに観測機による戦果確認が行われる。
『戦果確認。敵地上部隊の被害は甚大、侵攻停止中の模様』
ありったけの砲撃を受けた南軍は進撃を停止、負傷者の手当てと被害の確認を行っていた。もっとも、受けた被害が尋常ではなく、予想の何十倍の被害により進撃を停止せざえる得なかった。
上空を飛んでいるOH-1に気付いている者も居たが、それを攻撃をする余裕はないため、顔を上に向けて見ているしかなかった。
「これ程の被害……敵はどう出てくる?」
「普通なら、これ程の被害を受けたら進撃は諦めるだろうが、向こうには督戦隊が居ますから、無理矢理にでも進撃してくると見た方が良いかと」
「なら次の手段を使う時が来たな。戦車隊に戦闘待機を」
敵の進撃に備えて、待機していた74式戦車隊がエンジンを始動させ、油気圧サスペンションにより車体を前に傾け、砲身を最大俯角にして山頂から真下に砲口を向ける。
続く
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