日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第17話

最初に射撃を開始した74式戦車の105ミリ戦車砲から放たれた多目的対戦車榴弾は、進撃してきた南軍本隊へ向けて突き進み、地面に着弾したと同時に爆発を起こした。

 

榴弾砲程ではないが爆発により、多数の南軍兵士が吹き飛んだ。

 

 

『初弾命中!射撃続行!』

 

 

74式戦車は南軍へ向けて砲撃を続ける。

十数両の車両から放たれる砲弾の嵐に南軍は吹き飛ばされ、揉まれ潰されていく。

油気圧サスペンションによる車体を前方へ傾斜させている事により、74式は最大俯角で山頂から敵のほぼ頭上から砲弾が見舞える事が出来、逆に南軍は車高の低い74式を捉える事が出来ず、いたずらに被害を増やしていく。

 

 

「恐れるな!進め!進め!進め!」

 

 

南軍本隊の後方に控えていた督戦隊は剣を振り回し、前進を指示する。南軍は砲撃に恐れをなしたまま、言われるがまま中央山脈に向かって突撃を仕掛ける。

 

 

「来た!各員、射撃始め!」

 

 

公国兵と自衛隊員達は手にしていた小銃と機関銃による射撃を開始した。

 

 

「グァ!」

 

「ギャア!」

 

 

真正面から銃弾を受けた南軍兵士達は次々とドミノ倒しのように倒れていく。しかしそれでも南軍兵士は諦めず、友軍兵士の遺体を乗り越えて突撃を仕掛ける。

 

 

「まるで大戦時のソ連軍みたいだな!仲間の死体を踏み越えてきやがる!」

 

「撃ち続けろ!」

 

 

自衛隊員達は映画でよく見られる物量による力押しで突撃を仕掛けてくるソ連軍のようなイメージを彼等に抱く。そのイメージ通り、南軍兵士は督戦隊による恐怖と、後には引けないという思いが交差し、勢いに任せて仲間の死体を踏んでも気にせず前に進み続ける。

 

 

「クソ!これじゃキリがない!狙撃班、敵の指揮官を探せるか?」

 

『了解』

 

 

普通科隊を指揮する大隊長の要請に、山頂に控えている自衛隊の狙撃班の隊員が対人狙撃銃と、在日米軍から提供されたバレットM82の国内ライセンス生産型を構え、スコープ越しに南軍の兵士の中から指揮官らしき兵士を探す。

しかし南軍も考えている様で、向かってくる南軍兵士は皆同じ色とデザインの鎧を着ているため見分け辛かった。

 

 

『ダメです。向かってくる下っ端に上手く擬態してて、見つけられません』

 

「だったら奴等の一番後ろに督戦隊が居るか?」

 

『待ってください』

 

 

隊員は視点を敵本隊の後方に移すが、それは直ぐに見つかった。敵本隊の一番後方で、馬に跨がりながら剣を振り回して友軍兵士達を前進させている内務人民委員の姿があった。

 

 

『見つけました。隠すつもりがないのか、結構派手な鎧を着てますよ』

 

「ならソイツらを始末してくれ。恐らく彼等が居なくなれば、連中は総崩れを起こす筈だ」

 

『了解。撃ちます』

 

 

隊員の1人がバレットを手に、スコープで内務人民委員の頭を狙い引き金を引く。

 

 

バァァァン!

 

 

対人狙撃銃よりも格段に破壊力があるバレットM82から放たれた12・7ミリ弾は、南軍の頭上を超音速で飛び越えて、内務人民委員の頭に命中した。

すると、兜を被っていた内務人民委員の頭は中から破裂するように粉々に吹き飛び、首から上が無い死体のみが残った。

 

 

『HIT、ターゲットダウン。続けて撃ちます』

 

 

続けて射撃し、もう1人の内務人民委員の体に直撃し上下に両断した。

 

 

『目標排除』

 

「よくやった!」

 

 

大隊長は歓声を上げた。

 

 

 

「各員、撃ち続けろ!もうすぐ敵の動きが鈍る筈だ」

 

 

大隊長の言う通り、敵は突然の督戦隊の戦死を知ったのか、進撃速度が落ちた。

 

 

「今だ!畳み掛けろ!」

 

 

動きが鈍った敵に向けて火力が集中していく。恐怖の対象だった内務人民委員が居なくなり、南軍兵士の中でついこの前まで農民や一般人だった兵士は武器を捨てて降伏していく。

 

 

「俺は降りるぜ!」

 

「もうこんなのはコリゴリだ!死にたくねぇよ!」

 

 

それに感化されたのか正規兵達も武器を捨ててその場で両手をあげ、指揮官らしき兵士も一部を除いて撤退を始める。

 

 

 

 

「撃ち方やめ」

 

 

 

逃げる敵への射撃をやめさせた大隊長。射撃が止むと、そこに残っていたのは戦死した南軍兵士の死体と、負傷して動けなくなった兵士、中には白旗を掲げて降伏の意思を示している兵士達だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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