日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第5話

イシュタム艦隊の接近は既に、上空のE2Cホークアイからの情報により、既に日米艦隊に察知されていた。

 

 

「向かってくるのは、金剛擬きの戦艦が1隻と駆逐艦12隻、巡洋艦6隻か………数が多いな。流石にこの数を砲撃戦で相手にするのは面倒だ。敵の戦艦を除いて、護衛の艦はミサイルで排除する。」

 

「了解!」

 

 

松田の指示で、護衛艦と米艦隊からハープーンミサイルによる一斉攻撃が開始され、18発のハープーンは低空飛行のままイシュタムへ向けて飛行を開始する。

 

 

「よし、ECM開始!」

 

 

 

 

 

 

 

イシュタム艦隊 『メイサ』

 

 

「ん?」

 

 

メイサのレーダー士官が見ていたレーダースクリーンが突然、砂嵐に包まれ何も見えなくなってしまった。

 

 

 

「艦長、レーダーが突然機能不全を起こしました!」

 

「何?」

 

 

オスニエルもレーダースクリーンを覗き込んでみるが、報告通り砂嵐で何も写っていない。

 

 

「レーダー不調でしょう。直ぐに調べなさい。」

 

「了解!」

 

 

レーダー士官は様子を見に艦橋から出ていく。

 

 

「どうしたんだ?」

 

「いえ、ちょっとしたトラブルです。直ぐに解決するでしょう。」

 

 

この時彼らは気がついて居なかった。

 

 

既に、そこまで脅威が迫っている事を……

 

 

 

『艦橋!前方より、多数の飛翔物体接近!!』

 

「何ですって!対空戦闘用意!」

 

『対空戦闘用意!』

 

 

直ぐ様、イシュタムは対空戦闘用意が始まるが、迫ってくる飛翔物体は彼らの常識では考えられない速度で迫ってくる。

準備を終えた艦から射撃が開始されるが、海面スレスレでの低空飛行のため対空砲の死角で、中々命中しない。

 

 

そして最初の一発が、駆逐艦に命中した。

 

 

 

『フルド、アルドラ、アダラ、アボリジニ被弾!航行不能!』

 

『レサト、アクラブ、ジュバ、サルガス、ギルダブ被弾!!轟沈!』

 

「何っ!!」

 

 

突然、味方の駆逐艦が撃沈され、巡洋艦も航行不能となった事態にオスニエルとメイナードは理解が追い付かなかった。

 

 

「まさか、敵は既に我々を捉えているのか!!だとしたら本艦も狙われるぞ!!」

 

 

『艦橋!前方より敵艦影視認!!』

 

 

「本当かっ!!」

 

 

 

ふと前方を見ると、水平線上から敵艦の艦影が見えた。

 

 

「あれは…グレード・アトラスターかっ!!?」

 

「馬鹿な!何故ヤツらがあの艦をっ!見張り、敵艦との距離は?」

 

『敵艦、距離20マイル!!』

 

「20マイル!?………見間違いではないのですか?!」

 

『あ、もう一度確かめます!………………確認しました!敵艦との距離は間違いなく20マイル!!』

 

「馬鹿な!そんなに遠い筈は……まさか!敵艦はグレード・アトラスターよりも大きいと言うのですか!!」

 

 

 

驚愕するオスニエルの横で、メイナードはある事に気がつく。

 

 

「まて、敵艦がグレード・アトラスターより大きいなら、より大きな砲を積んでいる筈だ。46㎝砲の射程距離が42㎞だから……………いかん!既に我々は敵艦の射程距離に入ってるぞ!オスニエル艦長、反転180°、全速回避だ!!」

 

「了解!!反転180°、急速離脱!!」

 

 

メイサは慌ててその場から離脱しようと反転するが、それ程甘くはなかった。

 

 

 

 

 

 

『紀伊』第1艦橋

 

 

「敵艦補足!」

 

「うむ。ここは先手必勝だ!対水上戦闘用意!主砲射撃用意!」

 

「取り舵一杯!!対水上戦闘用意!主砲発射用意!」

 

 

松田の指示で、艦が左に向き、主砲塔が射撃指揮所の測距儀の回転と連動し右へ旋回を始める。

 

 

『主砲射撃用意よし!』

 

「先ずは偏差射撃だ!撃てぇい!」

 

『撃ち方始めっ!!』

 

 

衝撃と共に9門の51㎝砲が放たれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

数秒後、メイサの回りに巨大な水柱が上がり、メイサの細長い船体が大きく揺さぶられる。

 

 

「うわぁ!!」

 

「これは……被害を報告しなさい!!」

 

『衝撃により左舷に亀裂発生!亀裂から浸水!!』

 

『左舷スクリューシャフト1番、湾曲!速力低下!』

 

「直ぐにダメコンに取り掛かりなさい!機関出力は最大を保ちなさい!」

 

 

オスニエルは被害報告をしてきた部署に指示をだし、内線電話を切る。

 

 

「老朽艦のこのメイサには、衝撃だけでも危うい…何とか敵の射程距離外に抜けないと……」

 

 

 

 

 

メイサは速度は落ちたが、未だに速度は25ノット以上を保っている。

 

 

 

「敵艦、速力低下!」

 

「砲術長、今度は夾叉させろ!」

 

『了解!』

 

 

再び51㎝砲が放たれ、メイサを取り囲むかのように水柱が上がる。

 

 

『砲弾夾叉しました!次は当てれます!!』

 

 

黛は照準器を覗き込みながら、トリガーに指を掛け砲弾装填完了を待つ。

 

 

「急げ……急げ……」

 

 

そして、装填完了のランプが光り黛は間髪入れず艦橋へ報告する。

 

 

「各砲装填完了!発射用意完了!!!」

 

「撃てぇい!!」

 

「発射ぁぁ!!」

 

 

トリガーが引かれ、9門の51㎝砲弾が放たれる。

 

 

 

 

 

『メイサ』 第1艦橋

 

 

「早く…早く敵艦から離れなければ………」

 

『敵艦発砲!!』

 

「回避!!面舵いっぱ………」

 

 

オスニエルの指示より先に51㎝砲弾が先に到達し、9発の砲弾のうちメイサの艦首1発、艦中央部に2発の計3発が命中した。

 

 

「ひ、被害を報告……」

 

 

衝撃で転んで頭を打ったオスニエルは、頭からの出血を手で押さえながら立ち上がる。

 

 

『艦首被弾……いや、消滅!!』

 

「消滅っ!?」

 

 

前を見ると、報告通り第1砲塔前の艦首部分が爆発と衝撃で引き裂かれており、前からどんどん沈み込んでいく。

 

 

『艦首より浸水多発!!艦右舷中央部に貫通弾あり!破孔からも浸水多発!手がつけられません!!』

 

 

既に動力は損失し、航行不能となっていた。もはや戦闘を行うどころか、逃げる事すら出来ない。

 

 

椅子に座っていたメイナードは、無表情のまま項垂れていた。

 

 

(もはや昇進の夢は潰えた………イシュタム艦隊は壊滅し、生き残ったとしても本国では責任を取らされて………最悪は銃殺刑!!)

 

 

メイナードは懐から14年式拳銃に似た自動拳銃を取りだし、心臓に突きつける。

 

 

 

「メイナード司令!もう本艦は保ちません!!早く退艦を…………司令!!」

 

 

オスニエルが叫んだ直後、艦橋内に銃声が響き、メイナードは椅子から崩れ落ちた。

 

 

「第8帝国に……栄光あれ………」

 

 

 

その直後、火災の火が弾薬庫の砲弾に引火し、メイサは1分もしないうちに海へと引き込まれていき、その姿をフォーク海峡に没した。

 

 

 

 

 

 

 

続く




メイナードの最後のシーンの元ネタ分かる人は居ますかね?

ご意見とご感想お待ちしております。
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