日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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フォーク海峡編のリメイク版です。


Re:フォーク海峡戦
第1話


中央歴1642年

 

 

第1文明圏最強の国家『神聖ミリシアル帝国』では、毎年、カルトアルパスと言う港町で各列強国の代表が揃って行う『先進11ヶ国会議』が開かれる。

会議開催のこの日、カルトアルパスには各国の代表を乗せた軍艦が次々と入港してくる。

 

 

 

「第1文明圏トルキア王国使節艦隊、到着しました。」

 

「了解。第1文明圏エリアへと誘導せよ。」

 

 

 

港湾管理責任者『ブロンズ』は、次々と入港してくる船を指定エリアへと誘導していく。

 

 

 

「続いてアガルタ法国も到着。魔法船6、民間船2です。」

 

「了解………………はぁ、早く来ないかな?」

 

 

 

ブロンズは仕事柄、色んな軍艦や船を見ており、毎年この会議で各国の最新鋭艦を見るのが仕事の合間の楽しみであるのだが、今回の彼は、ある2ヶ国の艦を待っていた。

 

 

「ブロンズ部長!来ました!」

 

 

 

双眼鏡で沖を見ていた職員の報告に、ブロンズは思わず立ち上がる。

 

 

「どこの国だ!」

 

「あの国旗…………日本国です!」

 

「数は?」

 

「えぇ………えっ!?」

 

「どうした?」

 

「き………巨大戦艦2、小型………いや中型の巡洋艦が5隻!」

 

「どれどれ………」

 

 

 

ブロンズは双眼鏡で沖を見る。その瞬間、彼の表情が一変した。

 

 

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!あれが……ロウリアとパーパルディアの艦隊をたった2隻で殲滅したという日本の巨大戦艦かぁっ!!!!!」

 

 

 

カルトアルパスに姿を現した日本代表を乗せた紀伊と尾張、あきづき型護衛艦4隻、あさひ型護衛艦2隻、新鋭まや型護衛艦まやは彼の目には、美しく、そしていかにも無敵と言った感じに写っていた。

 

 

 

「くぅっ…………聞きしに勝る威容だ………」

 

 

 

近づいてくる度に圧倒的とも言えるその巨体に目を奪われつつあるブロンズは直ぐ我に帰り、指定エリアへ誘導する。

 

 

 

「第1文明圏エリアへと誘導せよ!」

 

「ブロンズ部長、日本国は第3文明圏エリアでは…」

 

「あんな巨大戦艦、第3文明圏エリアでは狭すぎる。第1文明圏エリアに予備の場所があったろ?そこへ誘導だ。」

 

「了解!」

 

 

 

 

ブロンズの指示で、紀伊と尾張は4隻の護衛艦を沖へと残し、急遽用意された第1文明圏エリアへと誘導されていく。

既にエリアに停泊していた第1文明圏の代表達は、入港してきた紀伊と尾張に驚き、呆然と立ち尽くす。

 

 

 

 

「おぉ?驚いてるな彼等は。無理もないだろうな、あんなの見せられたら。」

 

 

 

 

ブロンズはそんな彼等を見ながら言う。

 

 

 

「部長、続いてグラ・バルカス帝国が到着しました。戦艦1、巡洋艦2、小型艦4。」

 

「こっちはどうだ?」

 

 

 

遅れて到着したグラ・バルカス帝国の戦艦グレード・アトラスターに、ブロンズはまた圧倒される。

 

 

 

「アレは日本の戦艦に似てるな…………日本の巨大戦艦を見た後だと、あの艦が巡洋艦に見えるが、中々の大きさだ。」

 

 

 

日本の大和型戦艦に酷似しているグレード・アトラスターは彼には重巡洋艦にしか見えないという錯覚を引き起こす。そう思わせる程に紀伊型が異質である事を彼は改めて認識する。

 

 

 

 

 

 

 

第1文明圏エリアに誘導されたグレード・アトラスターは、先に入港していた紀伊と尾張の間にサンドイッチの様な形で板挟みとなる。

 

 

「あれが噂のキイ型戦艦か…………あの会議では実感が沸かなかったが、こうして見ると本当にデカいな」

 

 

 

グレードアトラスターの第1艦橋に居るカイザルは、紀伊と尾張の姿を見てその威容と大きさに圧倒される。

 

 

「全くです………ですが作戦前に見た写真の通り、細かい部分や用途不明な装備が見受けられますが、全体的なシルエットは本艦にそっくりですな」

 

 

カイザルの隣に居たグレード・アトラスターの艦長『ラクスタル』大佐は懐から、作戦前に渡された紀伊型戦艦の写真を見比べる。

 

「艦長、司令、目算では左右の2隻は全長328メートル、全幅45メートル、本艦の1・2倍はあります。」

 

「あぁ………噂には聞いていたが、予想以上だな。」

 

 

 

ラクスタルは副長の言葉に同意する。

 

 

 

「それに見てくださいあの主砲を。」

 

 

 

側に居た砲術長が紀伊の主砲塔を指差す。

 

 

 

「ここから見ただけですが恐らく46cm砲以上の砲を搭載していると思われます。」

 

 

「…………」

 

 

「それに対空兵装も小型単装砲と6砲身機関砲が備えられていますが、恐らくあれは速射砲の可能性があり、対空戦闘時の火力も本艦に匹敵するかもしれません。しかもあの艦の船体の膨らみは、恐らく……」

 

「となると、相手も本艦と同じ注排水装置を備えてる事になるな。あの大きさだと浮力は本艦の倍、区画の数も半端では無いだろう。航空機による魚雷攻撃や爆撃ではそう簡単に沈むまい。」

 

 

 

ラクスタルの言う通り、紀伊は太平洋戦争で実際に片舷に魚雷60本の直撃を受け、航空機による爆撃と魚雷攻撃を全く受け付けず、数で勝る連合軍の戦艦の攻撃を単艦で耐えきって反撃し、極めつけは80cm列車砲の砲弾が直撃しても尚航行可能だったりとその耐久性は伝説級である。

 

 

 

「さながら向こうは超グレード・アトラスター級とでも言うべきか?あんな戦艦が我が国にもあれば非常に頼もしいが、敵としてはこれまでにない脅威だ。」

 

 

カイザルは笑いながら言う。

紀伊を眺めていたラクスタルは、何かを思い出したかのように副長に尋ねる。

 

 

 

「そう言えば、外務省のアイドルはどうした?」

 

「既に会議場に向けて出発しました。ですが、表情はあまり優れない様子でしたが………」

 

「ははっ……まぁそうだろう。俺も同じ立場に立って、あんなの(紀伊)見せられたら同じ顔になるかもな。」

 

 

 

 

その頃、会議場に向かっているグラ・バルカス帝国代表の『シエリア』の表情は暗かった。

 

 

 

「はぁ~……」

 

 

 

ため息をつき、片手で頭を押さえながらそう呟く。

 

 

 

(ついてない…………あんな巨大戦艦を持つ国家に何故上は宣戦布告を仕掛けるんだ!無謀にも程があるだろうに………今さらながら、自信が無くなってきた……)

 

 

 

シエリアも紀伊と尾張の威容に心をへし折られ、祖国の将来に憂鬱を感じる。

 

 

 

(何が『今回の作戦で投入される戦力なら恐るるに足らん!』だ!!あんな化け物2隻も居るだなんて聞いてないぞ!私は軍人ではないが、あの戦艦の前ではグレード・アトラスターを除けば対抗できる戦力など我が国には存在しない!)

 

 

 

心中でそう思いながらも、シエリアには国からの重要な責務に、今さらどうしようもない事は理解している。

 

 

 

(もうっ!!この会議が終わったらこんな仕事辞める!!辞めて映画評論家になる!!)

 

 

 

重い足取りのまま、会議場へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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