日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第2話

先進国会議2日目、会議場は喧騒に包まれていた。

 

 

『第零式魔導艦隊壊滅』

 

 

ミリシアル帝国代表からの公式発表に、各国の代表達は情報収集に勤める。

 

 

 

「日本国より質問です。先程の公式発表の件について、貴国の艦隊を壊滅させたのは何処の国家、又は勢力によるものという情報は得ているのですか?」

 

「はい。昨日、この場で全世界に対して宣戦布告をしたグラ・バルカス帝国によるものだと断定しています。複数の報告からも、此度の件は彼等によるものとみて間違いない。」

 

「では、貴国は彼等がどのような目的を以て攻撃を仕掛けてきたのかの見当はついているのですか?」

 

「恐らく、ここに集まっている各国の最新鋭艦で編成された艦隊を殲滅し、自分達に屈服せよと言う警告を突きつけるものだと分析しています。既にフォーク海峡付近にて正体不明の艦隊を捉えています。」

 

 

 

ミリシアル代表の言葉に他国の代表はざわめく。

 

 

 

「ではこのカルトアルパスも危険に晒される可能性は?」

 

「今、我が国の艦隊が向かってきている頃ですが、恐らく彼等の方がこの場に速くたどり着く可能性が高いと推察します。念には念をと言う意味で、会議場の場所を内陸に移そうと考えています。つきましては、各国の代表の方々は至急移動の準備をしていただき、カルトアルパス港に停泊中の各国の艦隊には急行中の我が国の艦隊が到着するまでの間、時間を稼いで頂きたい。」

 

 

 

この要請に各国は軒並み足を揃える意向を示し、最後に日本が参加するのか否かと言う空気となる。

 

 

 

「日本国はどうされる?」

 

「貴国が連れてきたあの巨大戦艦が加わってくれるなら千人力だ!」

 

「あのパーパルディア艦隊を殲滅したというあの艦ならグラ・バルカス帝国に勝てますぞ!」

 

 

 

日本国代表の近藤大使は部下に小声でどうするか相談する。

 

 

(どうしようか?ここは参加すべきか?)

 

(今後の事を考えると、各国が我が国に興味を抱いている今を逃す手はないと考えます。)

 

(しかしそれだけで、戦いに参加して要らない犠牲者が出たらどうする?)

 

(ですがどっちにしろ、周辺海域は彼等が抑えているでしょうから逃げられません。下手な対応すればそれこそ取り返しがつかなくなります。)

 

(取り敢えず本国に連絡を取ろう。)

 

 

 

 

近藤は自分の判断では決められないと答え、本国に連絡を入れるため一旦席を離れる。

 

 

 

 

それから僅か30分後………

 

 

 

「我が国からの回答をお伝えします。現在の状況を鑑みて、我が国は、ここカルトアルパスに侵攻してくる正体不明の艦隊を武装勢力と判断し、我が国の法律に基づいて邦人保護を目的とした護衛戦闘のため、戦いの参加が認められました!」

 

 

 

日本国参戦の回答に各国代表は沸き立つ。

 

 

 

「では日本国は参戦するとしてよろしいですね?」

 

「はい。」

 

「分かりました。では、各国の代表方は移動の準備を始めてください。」

 

 

 

各国は直ちに動き出し、今回の件を自国の艦隊に伝えるため、一度港へと戻る。

 

 

 

 

 

『紀伊』第1艦橋

 

 

「……と言う訳なのです。」

 

 

近藤は紀伊の松田と、尾張の神に件の件伝える。

 

 

「やはりこうなりましたか……紀伊と尾張に護衛艦が7隻もつけられた時点で分かってはいましたが…」

 

「あっ程度は覚悟しちょりましたが、まさか本気で来っとは……」

 

 

 

松田と神の二人は出港前に、紀伊と尾張を含めた全艦に実弾が積み込まれているのを見て、予めこうなる事は覚悟していた。

 

 

 

 

「お二人には本当に申し訳ございませんが、何とかお願いします。」

 

 

 

近藤は二人に頭を下げる。

 

 

 

「近藤さん、頭をあげてください。我々はやれと言われたら何時でも戦う覚悟は出来ています。」

 

「松田艦長の紀伊と、あてんの尾張はこん日のために猛訓練を繰り返してきました。乗員も覚悟は出来っちょります!」

 

「松田艦長、神艦長………申し訳ない。」

 

 

 

 

 

 

二人の心意気に近藤はまた頭を下げて、礼を述べる。

 

 

 

 

「ではそうと決まれば善は急げだ!出港用意っ!」

 

 

 

 

既にボイラーの温度が最高潮に達していた紀伊と尾張は錨を上げて、護衛艦7隻と共に港から出撃する。

出港後、近藤達は厚い防御に守られた区画へ待避し、神と松田は改めて状況確認を行う。

 

 

 

「先ずは敵の規模だが、どうなってる?」

 

「はい。偵察衛星と各護衛艦からの情報によりますと、敵艦隊は金剛擬きが5、長門擬きが3、例の大和擬きが1の合計9隻の戦艦で編成された戦艦部隊を中心に、護衛の駆逐艦9と巡洋艦3を前衛にしています。後方には翔鶴擬きの空母2隻と蒼龍擬き1隻を中心とした機動部隊が展開しています。」

 

「現在位置は?」

 

「既にフォーク海峡に到達し、空母からは攻撃隊が多数飛び立っています。」

 

 

 

データリンクでメインディスプレイに敵航空機を捉えた光点が投影される。

 

 

「先ずは航空攻撃か………全艦に対空戦闘用意を発令!」

 

「了解!」

 

「ミリシアルとムー、エモール王国艦隊に敵攻撃隊接近を通報っ!」

 

 

 

 

通報を受けたムー艦隊の空母からはマリン、エモール艦隊からは風竜が飛び立っていき、カルトアルパスの基地からはエルペシオ3が飛び立っていく。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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