日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第4話

X-1に変わり、基地から飛び立った4機のX-2はアフターバーナー全開でエンジンノズルから赤い噴射炎を吐きながら上昇していく。

主翼下と胴体下には対爆撃機用のLAU-3ロケットポッドが合計3基が吊り下げられおり、対爆撃機装備が施されている。

 

 

 

「全機に告ぐ!間も無く高度10000に達する!到達と同時に編隊を組む!」

 

 

 

セイバー隊の指揮官を勤める『ナギー』大尉は無線で僚機に伝える。コックピットの飛行高度計の針は勢いよく回り続け、X-1程じゃないにしろ、その圧倒的な上昇速度にナギーは感嘆する。

 

 

 

「アレには負けるが、コイツの上昇速度は驚異としか言い様が無いな」

 

 

 

既に日本での訓練で何回もセイバーを飛ばしてきたとはいえ、ナギーは今まで乗っていたマリンとX-2の性能差に、改めて日本とセイバーの開発国であるアメリカの技術力に恐れおののく。

 

 

 

 

 

高度10000に達した隊は編隊を組み、水平飛行に入った。同時にレーダーサイトからも無線が入った。

 

 

 

『ノースアイからセイバーへ、ノースアイからセイバーへ』

 

「こちらセイバー」

 

『敵爆撃編隊は貴隊より北西180を飛行中。確認されたし』

 

「了解!全機、聞いたな?方位180だ!」

 

 

 

北西方向へ向かい機体を向けた。その間にも北方レーダーサイトからの指示は飛ぶ。

 

 

 

『敵爆撃編隊は貴隊の下方の位置。接触次第迎撃せよ』

 

「了解!全機、奴等の真後ろに回り込んで仕掛けるぞ!」

 

 

厚い雲層を利用しセイバー隊は一度、敵爆撃隊をやり過ごして背後に回り込む。

 

 

 

『隊長!自分に先陣を切らせてください!』

 

 

 

その時、部下の『クロエ』少尉から無線が入った。

 

 

 

「クロエか!よし、任せるっ!一番後ろの奴に食らいつけ!編隊を乱した所を俺達がやる!」

 

「了解!よし行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

クロエは敵爆撃隊の一番後方に居たグティ・マウンの背後から、弓から放たれた矢のように機体を突撃させる。

 

 

「安全装置解除!射撃レーダー起動!」

 

 

 

安全装置を解除し、射撃レーダーのスイッチを入れる。

照準器に投影されるレクティルを目の前のグティ・マウンに合わせ、レーダー照準による相手との距離と風向き、風速情報に従い、操縦桿の発射トリガーに指を掛け発射のタイミングを伺う。

 

 

 

「もう少し……もう少し……あとちょっと………発射っ!」

 

 

 

トリガーを引き、胴体下のLAU-3ポッドからMk4ロケット弾7発が放たれた。ロケット弾は白煙を吐きながらグティ・マウンに降り注ぎ、7発のうち3発が直撃した。

 

 

「やった!」

 

 

戦車すら撃破できる程の破壊力を有するMk4ロケット弾が直撃したグティ・マウンは、一瞬のうちに機体を真っ二つに引き裂かれ錐揉み状態で落ちていった。

 

 

「次っ!!」

 

 

クロエは別のグティ・マウンに向けて直進し、同じようにMk4を撃ち込む。

2機目は真下からロケット弾攻撃で爆弾倉の爆弾に直撃し、誘爆により粉々に吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

「クロエが2機食った!我々も行くぞ!」

 

 

 

ナギー達も後方上空から仕掛け、ロケット弾攻撃を開始する。

 

 

 

『敵襲っ!敵襲っ!』

 

『4番機がやられた!』

 

『こちら15番機、被弾した!操縦不能っ!操縦不能っ!』

 

 

 

敵爆撃隊は前衛隊からの敵襲から続く再襲により、瞬く間にパニックに陥る。

 

 

 

「このっ!」

 

 

ナギーは操縦桿とスロットルレバーを巧みに操作し、グティ・マウンの機銃の死角に入っては、ロケット弾を撃ち込んでいく。

 

 

「落ちろっ!」

 

 

最後のロケット弾ポッドからMk4をグティ・マウンに向けて一斉に撃ち込む。

ロケット弾はグティ・マウンの後部胴体に直撃し、前部と後部胴体の破孔から与圧が抜けて外に弾き飛ばされた乗員が見える。

 

 

「…」

 

 

クロエは落ちていくグティ・マウンに向けて何も言わず敬礼しながら見送る。

空になったLAU-3ポッドを投棄し、機関砲の安全装置を解除すると、再びグティ・マウンに向けて機銃掃射を開始する。

 

 

 

『こちら25番機、機銃攻撃を受けた!エンジン出力低下っ!』

 

『こちら28番機、操縦不能っ!操縦不能っ!脱出する!』

 

 

 

震電と同じ30㎜機関砲に撃ち抜かれたグティ・マウンの大きな残骸が別のグティ・マウンのコックピットを直撃、構造的に脆い操縦席の乗員を一瞬で死傷させ、たちまち操縦不能となり落ちていく。

 

 

 

「こちらクロエ、弾切れです」

 

『こっちもだ。20機は落とした、帰還するぞ』

 

 

 

奮戦していたセイバー隊は全機とも弾切れとなり名残惜しみつつも基地へ向けて帰還していった。

 

 

 

「20機のグティ・マウンが……蛮族の戦闘機如きに……」

 

 

 

去っていくセイバー隊を睨み付けながら、予想以上の損害にベティッツは狼狽する。

 

 

 

「聞いてないぞ!ムーがあんな強力な戦闘機を持ってるなんて!情報部は何をしてるんだ!被害報告を纏めろ!」

 

 

 

ベティッツは被害報告を纏めさせる。上がってきた報告に彼は怒りに体を震わせる。

 

 

 

「クソッ!前衛隊の5機と合わせて25機、残存機は75機…………こんなっ!こんな屈辱的な事をっ!」

 

 

ユグドでも受けた事のない損害にベティッツはやり場の無い怒りに地団駄を踏むしかない。

 

 

「全機に告ぐ!高度を15000まで上げろっ!そして、周囲警戒を怠るな!」

 

 

ベティッツは更なる敵襲を警戒し、隊を高度15000に上昇させ敵が襲撃しにくいように備えた。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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