日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第7話

中央歴1643年10月1日

 

 

ムー国首都オタハイトの中央官庁街内にある、国防省庁舎の地下1階には大規模な軍事作戦で統括軍全体を指揮する、統合作戦司令室がある。

司令室には幹部が作戦指揮で使用する円形の巨大テーブルがあり各部署への直通電話が数十台が設置され、日本から導入したサーバーに直結したパソコンが並べられ、更には日本の自衛隊と新生合衆国軍とリンクした戦術通信ネットワークシステムが整備された事により近代戦にも対応できるようになっている。

現在はグラ・バルカス帝国への大反抗作戦に参加する第2文明圏各国から派遣された各国の軍の指揮官が詰めており、この日は反抗作戦に向けての最終会議が行われていた。

 

 

「…………以上をもちまして我が軍の現状について報告とさせて頂きます」

 

 

グラ・バルカス帝国の第2文明圏からの完全排除を目的とした大反抗作戦に向けて結成された第2文明圏国家連合軍、通称『国連軍』に参加しているマギカライヒ共同体の軍司令官からの報告が終わる。

既に国連軍は作戦に向けての準備をほぼ完了しており、後は作戦開始日であるXデーを決め、それに合わせて当初の作戦通りに軍を展開させるだけである。

 

 

 

「それでは作戦開始日について資料を配布します」

 

 

各軍司令官に作戦資料が入ったA4サイズの封筒が配られる。封筒には国連軍のマークである『UNF』の文字が印刷されている。

それを受け取った各軍司令官達は封を切り、中に入っていた資料に目を通す。

 

 

「作戦開始日は…………11月1日か」

 

 

資料には作戦開始日が11月1日午前0時0分であると記されていた。

 

 

「了解した。では我々はこの作戦指示書通りに動きましょう」

 

「我々も了解した」

 

「我が軍も命を賭して尽くしましょう!」

 

 

作戦開始日が決定され、既にムー入りを果たしていた各国の軍は作戦開始日に向けての準備に入った。

作戦に参加するムー陸軍各師団は各々が駐屯する基地からバルクルス基地へと移動を開始し、陸上自衛隊第7師団、新生合衆国陸軍・海兵隊、マギカライヒ共同体と合流。

航空戦力の中核であるムー空軍、航空自衛隊、新生合衆国空軍もオタハイトとマイカルの空港に設置された臨時基地から最前線基地となるエヌビア基地へ向けて飛び立っていく。

 

海上戦力の中核となる紀伊を旗艦とする海上自衛隊第3護衛隊群と第1潜水隊群第1・第5潜水隊、新生合衆国海軍から追加で派遣された旧第7艦隊を再編した新生合衆国海軍の原子力空母ロナルド・レーガンを旗艦としたミサイル駆逐艦3隻、ミサイル巡洋艦2隻、強襲揚陸艦2隻の戦闘打撃群、陸海空軍の特殊作戦コマンド、潜水艦部隊もオタハイトとマイカルからムー大陸から南周りでレイフォルに近いムーの領海で待機状態に入る。

 

 

 

これ程の軍事力の動きを当然グラ・バルカスも察知しており、第2文明圏による反抗作戦が近いと知った帝国は直ぐに対策を考えるが、日米潜水艦隊によるレイフォルへ続く航路の海上封鎖により石油等の資源が不足し、戦艦・空母等の大型艦艇が動かせず、まともにレイフォルへ送れる戦力がアンタレスやベガなどの航空戦力のみに限られるという始末である。

加えて資源不足による工業力の低下に伴う軍需物資生産力の低下と燃料不足、更には本土防衛のための戦力は残して置かなければならないという事情からその航空戦力も雀の涙程度しかない。

そのためグラ・バルカス帝国は現地の部隊へは現状の戦力のみで対抗せよとの命令しか送れなかった。

 

 

 

 

 

そして運命の反抗作戦開始日の前日、中央歴1643年10月31日。

 

 

 

国連軍地上部隊の主力が置かれたバルクルス基地から、ムー陸軍、陸上自衛隊、合衆国陸軍が作戦第1段階であるヒノマワリ王国の首都奪還作戦『鋼鉄の盾作戦』の実行に向け、ヒノマワリ王国首都ハルナガ京へ向けて出撃していく。

 

 

 

「間も無く作戦開始時刻です」

 

 

基地内に設置された前線指揮所に詰めていた大内田、パットン、ウィリアム・ウォーレン、マギカライヒ共同体のゲオルグ将軍の4人は、腕時計で時間を確認する。

 

 

「今頃我々の精鋭とそちらの空軍が到達している頃ですね」

 

「えぇ。きっと彼等ならやってくれますよ」

 

 

大内田とウィリアムは腕時計で時間を確認する。

 

 

 

 

 

その頃、グラ・バルカスの事実上の実効支配を受けているヒノマワリ王国首都ハルナガ京の南方上空を、暗闇に紛れて多数の精密誘導爆弾を備えた3機のF-15Eストライクイーグル、10機のF-16Cファイティングファルコンの飛行編隊が飛行していた。

先行しているF-16Cにはこの世界では初となる敵防空網制圧(SEAD)任務が与えられており、F-16Cの主翼下には対レーダーミサイルAGM-88HARMが装備されている。

このミサイルは敵のレーダーが放つ捜索・追跡用電波を発射母機が受信し、その電波情報をミサイルへとインプットさせてから発射すれば後はミサイルが電波の発信源に向けて飛んで行くという仕組みである。

 

本来なら電子戦機による電波妨害などの支援下で攻撃を行うのだが、既にハルナガ京に設置されているグラ・バルカスのレーダーサイトやレーダー・通信状況に関する情報は事前に空軍の信号情報収集機RC-135リベットジョイントによる情報収集活動で敵レーダーの探知範囲は狭く、ミサイルによるアウトレンジ攻撃のみでも目標達成可能と判断されたため、電波妨害などの支援は行われていない。

 

 

 

『ブラインド1、FOX1、Fire!』

 

 

目標がHARMの射程距離内に入ると10機のF16CからAGM88が放たれた。

ロケットが作動したミサイル本体は、ハルナガ京がある方向へ向けて飛び去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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