日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第18話

飛行場近くの林で待機していた橋本達空挺第1小隊とタスクフォース332第1小隊は、襲撃の機会を伺っていた。

 

 

『隊長』

 

「どうした?」

 

『滑走路の北側にトラックが1台と複数の敵兵が動いてます』

 

 

近くの基地全体を見渡せる木の上から基地内を偵察していた隊員からの報告が入る。

 

 

『トラックに燃料を入れているみたいです。トラックの回りに完全武装の帝国兵10名と、正装した人物が乗り込んでいます』

 

「正装した人物?」

 

『はい。服装から、かなり身分の高い人物かと思われます』

 

「もしかしたら例の目標って奴かもしれんな」

 

 

橋本は作戦前のブリーフィングでグラ・バルカスのヒノマワリ王国正統府最高責任者であるオール・ブーツに関する情報と顔写真を記憶しており、もし発見したら可能な限り拘束するようにと指示されている。状況から考えればその人物がオール・ブーツである事は明白だった。

 

 

「此処で対象を逃がす訳にはいかないが……」

 

 

橋本は腕時計で時間を確認する。

墜落現場から向かってきているタスクフォース332第3小隊と空挺第3小隊の到着までは後5分程ある。

 

 

「何とか足止めしないとな」

 

「迷ってるみたいだな」

 

 

そう言ってきたのは、橋本達と行動を共にしていたタスクフォース332第1小隊長で特殊作戦群の現場指揮官を任されている内海2佐だった。橋本の側に来た内海は管制塔を指差した。

 

 

「あそこに見える管制塔からなら狙撃でトラックを走行不能に出来る」

 

 

 

そう言うと内海は小隊を率いて、飛行場のフェンスをワイヤーカッターで切断、穴を作るとそこを潜って基地内へと潜入する。

 

 

「アレか」

 

 

穴を通って中に入り管制塔へ向けて歩きだす。

管制塔の真下に到達し、上を見上げると窓からは人影は見えず、電気すらついていない様子だった。

 

 

「ん?」

 

 

施錠の有無を確かめようとドアノブを回すと、鍵が掛かっていなかったのかアッサリとドアは開いた。

 

 

「不用心だな」

 

 

そう呟きながら頭部のfastヘルメットにマウントされているナイトビジョンに電源を入れ片手にUSPを持ちながら中に入る。

 

 

(誰もいないみたいだな)

 

 

中に入ると人の姿は無く、管制塔へ昇る階段が目の前にある。内海達は階段をゆっくりと足音をたてないように登り始める。

 

 

(此処か)

 

 

最上階の管制室にたどり着く。ドアが開けっ放しになっており、ゆっくりと中を覗き込むが案の定、誰も居なかった。

電気も点いておらず、机の上には書類やらが散乱している。内海らは警戒しながら管制室へと入った。

 

 

「オールクリア」

 

 

 

管制室内に敵の姿が無いのを確認し、室内を軽く探索する。管制室らしくレーダースコープや無線機は一通り備えられており、机や壁にはヒノマワリ王国やレイフォル周辺の詳細な地図や飛行図が貼られていた。

 

 

「無用心だな。無線機やレーダーがある管制塔を鍵もしないで空にするなんて」

 

 

 

電源である発電機を動かす燃料不足からとうの昔に管制塔は機能停止に追いやられており、そもそも管制室内も埃が溜まっている事からここしばらく使われた形跡が無い。内海らは室内に残っていた地図と飛行図等の情報源になりそうな物は片っ端から回収していく。

 

 

「さて、仕事だ」

 

 

情報源の回収を終えた内海らは本来の目的に移る。管制塔から外の監視用ベランダに出る。

 

 

「此処からなら」

 

 

内海の部下である狙撃手が、バレット社製50口径ライフルにナイトビジョン付きスコープ、弾倉を装着してボルトを引き初弾を薬室に送り込む。銃本体を支えているバイポットをベランダの柵に乗せると、下に居るオール・ブーツ達が乗り込もうとしているトラックに燃料を補給している燃料補給車に照準を合わせる。

 

 

「配置完了」

 

『了解。こちらも第3小隊と空挺と合流、突入準備よし』

 

「了解」

 

 

トランシーバーで下に居る橋本達にそう伝えると、内海は狙撃手の肩に手を置いた。

 

 

 

 

ドォォォン!!

 

 

 

 

それを合図に狙撃手が引き金を引くと爆音のような音と共に放たれた50口径12・7ミリ徹甲焼夷弾は、燃料補給車の燃料タンクに直撃

 

 

 

その瞬間………

 

 

 

 

ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!

 

 

 

タンクを貫通した徹甲焼夷弾が燃料補給車のタンク内に詰まっていた燃料に引火、燃料補給車は大爆発で吹き飛んだ。

 

 

 

 

「ぐぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

オール・ブーツと取り巻きの職員、帝国兵は爆風で派手に吹き飛ばされた。特にオール・ブーツは爆発の衝撃で脳震盪を起こして気を失ってしまった。

 

 

 

「派手に吹き飛びましたね」

 

「あぁ………目標は大丈夫か?」

 

「吹っ飛ばされたみたいです。気絶しているだけみたいですけど」

 

 

スナイパーがオール・ブーツの生存を確認した事により何とか生きて捕縛できそうだと安心する。

 

 

 

 

 

「やった。突入!」

 

 

その様子を見ていた橋本達も、有刺鉄線の穴を通り突入した。無事だった帝国兵が突入してきた橋本達に手にしていたライフルの銃口を向ける。

 

 

「何者だ!?」

 

「陸上自衛隊だ!武器を捨てて手を上げて膝をつけ!」

 

 

対する橋本達も89式小銃とMINIMI軽機関銃の銃口を帝国兵に向ける。

 

 

「言っておくが、こちらには狙撃手も居る。少しでも怪しげな動きをしたら容赦なく撃つぞ」

 

「多勢に無勢か………分かった!降伏する!」

 

 

 

その言葉を聞き、橋本達は帝国兵を結束バンドで拘束する。気絶しているオール・ブーツと意識が朦朧としている帝国正統府職員も拘束された。

 

 

「間違いない、オール・ブーツだな」

 

 

橋本は手持ちの写真と照らし合わせ、拘束したのがオール・ブーツ本人である事を確認した。

 

 

「コイツが此処の親玉か。散々良い生活をしてきたんだ、ツケはしっかりと払えよ」

 

 

 

ふと、東の空からヘリコプターのローター音が聞こえてきた。

 

 

 

「さて、仕事は此処からだ」

 

 

 

 

 

 

 

続く




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