最強竜っ娘の自由気ままなゆったり生活 作:百合好きなmerrick
カノンやオルニスと別れ、魔猪狩りを終えた後の事。宣言通り10匹を狩り終えた後、心配になったのでカノン達の様子を見に来た。私が居る事で意識が散漫にならないよう、こっそりと上空から。
上から見る2人は、どうやら協力して魔猪を狩ってた。
「カノン! そっちに行きました!」
カノンとオルニスは協力しながら魔猪を追い詰めていく。飛んで上から見てると、2人の連携の良さが伝わってくる。オルニスはともかく、カノンは狩猟なんてした事が無いと言ってたのに。多分、この追い詰め作業はオルニスの指示か何かだろう。
「大丈夫、任せて!
両手から吹き荒れる炎は、初めて会った時よりも威力が増している。しかし、その炎は魔猪の頭に衝突するも、魔猪はものともせずに顔を振り、構わず突進し続ける。カノンはそれを慌てて回避するも、申し訳なさそうな顔をしていた。
「あ、あわわ! ごめん、効いてないっぽいっ!」
「問題無いです。カノンは役目を果たせてるから」
「ぶふォィォィ!」
どうやらそれすらも作戦の一部だったらしい。炎で視界を奪われた魔猪は、目の前にあった木に気付けず、そのまま脳天を強くぶつけて倒れてしまった。
作戦としては、2人で追い詰め、カノンの方に来た場合は先ほどのように炎で視界を奪って木に衝突させる。オルニスの方へ来た場合はそのままオルニスがトドメを刺す。といった感じだろうか。カノンの育成も視野に入れてるみたいで、なんだかオルニスが保護者のように見える。不思議だ。
「やった! オルニス、ありがと!」
「ううん。オルニスは追い詰めただけ。倒した功績はカノンにあります!」
「あ、アタシの? ⋯⋯そう言われると、嬉しいな」
うん、和やかだ。眼下で命が1つ消えかけてるけど、それは仕方無い。生存競争、弱肉強食、自然淘汰。何でも言葉はあるけど、幾ら言葉を飾ろうが、私達が生きる為に必要な犠牲だ。ありがとう、魔猪。そして、バイバイ、魔猪。
「素直で良いね! あ、ティラノスお姉様! いつからオルニス達の事を?」
「え? ティラノス? ⋯⋯あ、本当だ!?」
もう少し見てるつもりだったけど、バレてしまった。仕方なく地に降りる。
「見物。変に意識を割きたくなかったし、楽しそうだったから、話しかけないようにしてた」
「そうなのですね! ところで、ティラノスお姉様はもう10匹を⋯⋯?」
「数分前にね。貴方達は?」
「オルニス達はまだ7匹目です! 流石ティラノスお姉様です!」
褒められるのは嬉しいけど、こんなに真っ直ぐ憧れを向けられると、恥ずかしくなってくる。長年生きてても、誰も私を、真っ直ぐに褒めてくれる人はいなかったから。
「え、なになに!?」
「誰かの叫び声ですね。ティラノスお姉様、どう──え?」
突如、女性の大きな声が森中に響き渡った。その場に居る誰もが疑問と驚愕で頭がいっぱいになる中、何故か私は身体が動いていた。頭で何か理解するよりも早く、声が聞こえた方へ耳を傾け、翼を羽ばたかせていた。
何故そうしたのかは分からない。ただ、後悔したくない。そう思ってたのは確かだ。
「行くよ! カノン、手を掴んで! オルニスは私の後に続いて!」
「う、うん!」
「了解です!」
カノンを片腕だけで引き寄せ、飛ぶのに邪魔にならないよう、首と足を持って前に抱く。カノンは予想してなかった事に恥ずかしそうに顔を赤らめる。オルニスはというと、後ろに居て見えないが、嫉妬なのか強い圧を感じる。
「てぃ、ティラノス!? この抱き方は⋯⋯いや、時間無いからいいや! 行こう!」
「羨ま⋯⋯いえ。そうですね。行きましょう!」
それでも気にせずに声の聞こえた方へ真っ直ぐ向かうと、今まさに、森の中で魔猪に襲われようとする2人の女性が居た。
用語解説その15
『ダークエルフ』
黒い肌を持つエルフ。基本的に男女問わず長身で、女性は胸が豊満らしい。が、外見上の見た目は色以外エルフとあまり変わらない。なのにエルフとは犬猿の仲。その理由はダークエルフが木々の声を聞かずに森の支配、つまり木々の操作を強制するから、という事らしい。しかし、エルフの街に住む者が多い。そこは人間嫌いが影響してるとか。寿命は500年。
種族特徴→エルフ耳、暗視、森の支配(木々の操作)、水の加護、再生能力(小)
ティラ「ダークエルフもエルフ同様魔術が得意で、手強かった。でも、一緒に居るところはなかなか見かけない」
カノン「そんなエルフ達でも人間との戦争じゃ手を組み善戦した、とか言い伝えがあるから本当に人嫌いなんだねぇ」