最強竜っ娘の自由気ままなゆったり生活   作:百合好きなmerrick

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さらっと描写し忘れてますが、エルフ姉妹の首に付けられていた拘束具は外されています。

描写を忘れてしまい誠に申し訳ございません<(_ _*)>


竜の生活その19「ダークエルフとエルフ」

「姉さん! 無事だったか、良かったぞ!」

 

医務室代わりの私の部屋に入るなり、元気いっぱいになった白い肌のエルフことアリエルが、その短く白い髪を(なび)かせてディニエルに飛び込んだ。首輪が取り外され、軽やかになったその小さな身体で。

 

「あ、アリエル⋯⋯!? も、もう傷は大丈夫なの!?」

「大丈夫ですよー。オルニスにかかれば、この程度の傷すぐ治ります! 別に光属性の魔法は得意じゃないですけど!」

「自信満々に言いながらもしっかり治してるみたいだし、本当に大丈夫そうだね」

「──って事らしいから大丈夫だ!」

「そ、それなら良かった⋯⋯です」

 

消極的で受動的なダークエルフと、積極的で若干うるさいエルフ。どうやらこの2人は性格に至るまで正反対らしい。種族も肌や髪色、性格までもが正反対な2人なのに、どうしてこうも仲良さげなのか。

 

「⋯⋯ところで2人ってエルフとダークエルフだよね? どうしてそんなに仲良さそうなの?」

 

そんな事を考えてるうちに、カノンが疑問を口にする。それもそのはず。本来エルフとダークエルフは相容れない種族だ。両種族は考えの違いから嫌い合い、蔑み合ってる。その種族が協力するのは、より嫌う人間と敵対した時だけ。本当にそんな時くらいしか一緒に居るのを見た事がない。

 

「し、姉妹だから⋯⋯です」

「エルフとダークエルフの姉妹?」

「あ、いえ! ち、血の繋がった姉妹というわけじゃなく⋯⋯私が住んでいた村は子供が少なく、近い歳の子がアリエルしか居なくて⋯⋯彼女とずっと遊んでいたら、いつの間にか姉にされていて⋯⋯」

「アタシは18歳、姉さんは20歳だからな! それに優しいし、アタシは姉が欲しかったから、姉になったのは必然だな!」

 

まず同じ村にエルフとダークエルフが住んでる事自体珍しいが、それに加えて一緒に遊んで親に許されるとは。これに関して聞けば、地雷を踏む気がするから聞こうとは思わないが。というか、話を聞くだけでも辛い話を思い出させそうで怖いけど。

 

「姉ですか⋯⋯うーん⋯⋯」

「オルニス? どうかした?」

「い、いえ。何でもないですよ! それより、この子達どうします? 家に帰すなら──」

「彼女達もカノンと同じように家には戻れない身。だから、新たな家が見つかるまでここで預かる事になった。一応確認するけど、アリエルもそれでいいの?」

「もちろんだ! アタシが言い出した事だしな!」

 

ディニエルが言った通りだ。これでこの2人が家に住む事が確定した。⋯⋯まぁ、2人くらい増える程度なら何も問題は無いだろう。⋯⋯恐らく、きっと⋯⋯。こんな短時間で人が増えたから、ちょっと自信が無くなってきた。

 

「というわけだから、一緒に住むからね。ちなみに部屋は空いてる場所適当に使ってもらうから、オルニスの隣に住む事になるね」

「⋯⋯⋯⋯」

 

ぽかんと口を開けたまま、オルニスは呆気に取られたような顔を見せる。私が再び「どうしたの」と声をかけると、オルニスは「いえ」と言葉を続ける。

 

「何でもないですよ。ただ⋯⋯」

「ただ?」

「ティラノスお姉様って想像してたよりもお人好しですね。オルニスはそういうの、大好きですよっ」

 

今度は嬉しそうな笑顔でそう話す。やはり暴竜というイメージが強過ぎて怖い存在だとか、冷酷非情な性格だとか思われていたのだろう。勝手にそう思われる事は過去を振り返れば仕方ない事だし、今更声を大きくして否定する気にもならない。だけど、一緒に住んでるこの娘達には、勘違いされてほしくないし、これで誤解が解けたなら私も嬉しい限りだ。

 

「ねぇ、ティラノス。部屋って後4部屋くらいしか無かったよね? そろそろ整理整頓しないと不味くない? 物で溢れ返っちゃうよ」

「ん。そうだね。確かに全てが物置部屋と化してたから、断捨離しないと物置部屋がゴミ屋敷になる」

「ティラノスお姉様の部屋は綺麗なのに、それ以外は結構雑ですよね。ですが、自分の領域(部屋)だけ大事にする気持ちは分かります! オルニスも竜ですから!」

「流石同族()。話が分かるね」

 

こういう話をする時、同じ種族が居ると話が通じるから有難いし楽しい。人間のカノンやエルフであるこの娘達には分からない感覚は多いだろうし。もちろん、長年生きてる私とオルニスの感覚も違う部分は多いだろうけど。

 

「さて、アリエル、ディニエル。改めて私はティラノス。これからしばらくの間、よろしくね」

「は、はい! よろしくお願いします」

「ああ! よろしくな、ティラ!」




用語解説その19
『奴隷制度』
現在はアリアン王国のみでしか奴隷制度はない。その為、他の国と度々問題や争いが起きる。が、王国の圧倒的人員と戦力のために基本的に表立った抗争はなく、言論による反発か交渉などが多い。

奴隷は身体のどこかにその証である焼印を付けられ、首には魔術を阻害する首輪が付けられる。焼印は通常、消す方法が存在しない。首輪も魔術に耐性があるため、鍵で取り外すか、物理的に破壊するしかない。が、ある特殊な金属でできてるため、竜でもなければ破壊できない。

ティラ「奴隷制度は忌むべきもの。昔からあるけど、私は昔からこれが嫌いだった」
カノン「アタシも一歩間違えたら奴隷になってたかもしれないし、嫌いかなぁ⋯⋯」
オルニス「最近は本当に必要なのか、ただの道楽ではないのか、という声が多いので無くなる希望はありそうですけどねー」
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