最強竜っ娘の自由気ままなゆったり生活 作:百合好きなmerrick
「んぁ⋯⋯寝てたか⋯⋯」
目覚めた場所は家の前。どうやら、私は日光浴をしながらそのまま眠ったらしい。椅子から立ち上がって伸びをし、眠気を感じながらも家に入ろうとしたその時、ふと、ある事を思い出した。
「あ、ご飯⋯⋯」
思い出した瞬間にお腹が鳴った。お腹が空いたけど、今日はまだ何も食料を調達してないから、どこかに探しに行く必要がある。いつも狩ったその場で食べてるし、保存なんてどうすれば良いのか知らないからしてない。私の生活で何か問題があるとすればそれくらいか。
食料が無くなれば、人間の街にでも隠れて行くから死ぬ事はない。だけど、金銀財宝は渡したくないから、大きい物も美味しい物も買えない。だからこそ、自分で調達した方が良いのだ。自分で狩れば自由にできるし。
幸い、この森には
「⋯⋯行くかぁ」
空腹のあまり我を忘れて人間の街とかで暴れ回る、なんて事になるのは避けたい。そうなれば人間達が報復に来て戦いの道にまた逆戻りしてしまう。私は争い事は極力避けて、ゆったりまったりのんびりと暮らしたいのだ。人間なんて相手にならないけど、戦えば血を血で洗う竜生になるのは至極真っ当な運命。「運命とは切り開くもの」なんて言葉もあるけど、避けても良いと思う。というか避けたい。
考えても仕方ないし、そろそろ本当に行くか。待っても何か得られるわけじゃないしね。森は暗いけど、暗視持ちの私にかかれば全然明るい場所だ。のんびり歩いて、魔猪を探すとしよう。
十数分程歩いた先で、大きな影を見つけた。4本足の角が生えた大きな獣。間違いなく魔猪だ。
「まーちょーさん。食べられてー。って、言っても分かんないか。色々と省略して、私の糧になれ」
「ぶふぉー!」
魔猪は私の姿を視認すると、土を蹴り、醜く鼻を鳴らす。
私を竜だとも知らずに狙ってるらしい。野生の本能か。──バカバカしい。
「いいよ。猪突猛進、猪らしくていいじゃない」
「ぶふぉぉぉぉ!」
野生の本能に従ってか、魔猪は真っ直ぐと突進する。何の捻りも無いただの突進。知恵の無い魔獣だからというのもあって、付け入る隙は多い。
「でも、そこまでね。面倒だから、ふぁぁ⋯⋯一撃で落ちて」
向かってくる魔猪を前にして、空中に、とある図形を描く。
「お前に
「ぶふぉぉぉぉ⋯⋯!」
描いた図形から一筋の光線が発射され、魔猪の額を貫いた。魔猪は断末魔を上げて頭から地面に倒れ込む。私はそれをひょいと横に避け、木にぶつかるまで見守った。
絶命した。これでようやく1匹目。これじゃ物足りないし、まだまだ欲しいところ。
「はい、お終い。後何匹か狩ったらかーえろっと」
手で持つのも面倒だからと尻尾を使って魔猪の頭を掴む。流石に尻尾で持ち上げるのは重いから、したくない。もちろん頑張れば持てるけど。だから、魔猪を引き摺るようにして、森の探索を再開した。
「今日はこれくらいか。⋯⋯焼け切れるかな?」
家の周辺を回った結果、計4匹の魔猪を狩る事ができた。その内の数匹は運ぶのが大変だから、先に家に持ち帰った。全てが私の身長の2倍くらいあるけど、食べ切れない事は無い。だって私は竜だから。味はともかく、腹を満たす事ができれば良い。
「うわぁぁぁぁ!!」
「ひゃぅ!? な、何? ⋯⋯人間の声?」
どこからともなく聞こえた大きな声に、油断していた私はちょっとだけ驚いた。多分、人間が魔獣に襲われたのかな。私は余裕でも、人間達からすれば強いだろうし。でも、この森は山に囲まれてて、魔獣も多いから人間が立ち入るなんてあんまり無いはず。
あるとしたら山を越えようとして道に迷ったか⋯⋯竜の噂を聞いて討伐に来たか。昔は荒れてて散々暴れてたし、今でも私は悪名高い。可能性としては討伐の方が高そうだ。それに、前々から人間達が討伐に来る事も何度かあった。ん、そう言えば、前の時は確か⋯⋯。
「はぁ、めんど⋯⋯」
ある事に気付いた私は、その場に魔猪の死骸を置くと、すぐさま声の聞こえた方向へと飛んだ。面倒だと感じながらも、自分の蒔いた種だと知ってるから。
用語解説その2
『種族』
この世界には人間、魔族、エルフなど、よくある種族がほとんど。種族によって暗視など、特有の特徴があり、それを種族特徴と言います。なので、いずれイデアにいる種族の説明でもしようかな、と。
しかし、これらの種族はイデアという神様が創ったとされ、それ以外は魔物や魔獣として区別されます。魔物の代表は竜やオーク。魔物の中でも知性が無い魔物は魔獣とされ、魔猪とかもそれに分類されます。要は、イデア創ったのが人間達。それ以外が創って知性ありが魔物。知性無しは魔獣。
魔物や魔獣は差別の対象とされ、討伐対象とも思われています。もちろん例外あり。
ティラ「私は最強の魔物の竜。だから、生まれてからずっと疎まれて蔑みられて、生きてきた。まぁ、人間を殺してたせいでもあるけど」