最強竜っ娘の自由気ままなゆったり生活 作:百合好きなmerrick
「ティラノスよ、また機会があればいつでも来てくれてよいからな? 元気になぁー」
「メルも元気でね。時間があれば私の家にも来て。その時は、歓迎するから」
メルに別れを告げた私達は街へと戻る。メルに換金してもらったお金は総額で約250万
「ここからは自由行動。と行きたいところだけど⋯⋯何があるか分からないから、力がある私とラミアスかオルニスで二手に分かれよう。1、2週間程度の食料を集める食料調達組と生活必需品や家具などを集める物資調達組。みんなはどっちがいい?」
「オルニスはもちろんティラノスお姉様と一緒に行きますね!」
「私はそれでいいぞ。オルニスかティラのどちらとも一緒に行動しようとは思わんからな」
内心では私、オルニスとラミアス、で分かれてほしかった。けど、その2人が別々がいいと言うならそうする他ない。むしろそうしないと争いが起きそうだ。この平和な街で争いが起きれば、もう一生街に行く事ができなくなってもおかしくない。
「アタシはどっちでもいいけど、食料か物資なら食料かな。料理するのアタシとディニエルだし。本来の目的も食料だしね」
「わ、私も⋯⋯食材を見たいので食料組がいいです⋯⋯」
「ほぼ決まったようなものだね。それなら私、オルニス、アリエルで物資調達。他3人で食料調達。それでいいかな?」
「いいぞー! 決まったら早く行こうぜー!」
急かすアリエルに流されるように、他の面々も頷いたり肯定の言葉で返す。思った以上に早く決まったようだ。
「それじゃあ、集合はここに来た時の入り口でね。日が暮れるまでに集まるように」
「分かったぞ。また後でな、暴竜ティラ」
「またねー」
分かれる3人を見送り、彼女達とは別の区画を目指し向かった。
「ティラー! 本棚持ってくれー!」
それから数時間後の事。生活に必要そうな物資は一通り見つけ、今は家具を探してる最中だった。本棚もディニエルが必要としていた物をアリエルが見つけ、今せがまれている。持てなくはない大きさと重さだが、持てばかなり目立ちそうだ。
「いやいやいや。目立つから持たないよ? オルニスの方が背高いしオルニスに持たせれば?」
「オルニスの見た目は人間ですよ。ティラノスお姉様の見た目は魔族で力があってもおかしくないですし、ティラノスお姉様が持った方がいいと思います!」
「むぅ⋯⋯分かった。そういう事なら、私が持とう。おじさん、これ買うね」
エルフのおじさんにお金を渡し、本棚を壊さないよう優しく尻尾で包んで固定し、ゆっくりと丁寧に持ち上げる。見た目ほど重くはないが、店番のおじさんは目を丸くして驚いていた。
「おぉ、流石ティラだなー!」
「⋯⋯早く入り口行こうか。少し早い程度でもいいでしょう」
「えぇー! まだ始まったばかりですよー!」
そんな事言われても、恥ずかしいし目立つからあまりここには居たくない。今更な話、最後に買えばよかったのではと密かに思ってるが、後悔先に立たずだ。買ってしまったものは仕方ない。
「はいはい。続きは合流した後でね。まずは合流して──」
ふと、視界の端に金色の髪が映る。私とあまり変わらない身長で、短い髪。どことなく──いや、私とかなり似ている気がする容姿。唯一違うのは、その透き通った青い瞳。全てを見通し、見透かすような憎き瞳。まるで鏡合わせかのようなその姿は、私を誘惑するかのように、視界の端で手を招いていた。
『久しぶりじゃなぁ、小竜⋯⋯?』
そして、落ち着き、静かなその声。私は何を見ているのか。何を見せられているのか。それは⋯⋯そいつは、明らかに──
「ティラ? どうかしたかー?」
「え? あ、いや⋯⋯あれ?」
気付けば、周りのどこにも。先ほど見たはずの場所にすら、その姿はなかった。目の錯覚だろうか。そう思うと気が少し楽だ。そもそも、生きてるはずがない。存在するはずがない。
「⋯⋯何もない、大丈夫。行こうか」
迷いを振り切り、2人を連れて入り口を目指した。
用語解説その32
『魔の晄石』
凄まじい魔力を秘めた太陽のように輝く石。神々だけが生きたとされる神代より存在し、とてつもない魔力を秘めていると言われ、それが失われることはないという。それぞれの属性だけあり、水風火土光闇の基本属性に加え、基本属性以上の力を持つ天地海の計9種類存在する。ちなみに天に光と闇。地に土と火。海に風と水。といった感じに組み分けされるとか。
イデアに存在するのは水だけ、という噂がある。
ティラ「全ての大陸に1つは存在するらしい。私は見た事がないから、何とも言えない」
オルニス「もし手にしたら、その石に込められてる属性を操れるらしいです。ですがアイテムに頼るなんて竜のする事じゃないですね。なので見つけたら封印すべきです」
ティラ「思考はアレだけど、危ない物だからそうした方がいいとは思う」