最強竜っ娘の自由気ままなゆったり生活   作:百合好きなmerrick

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竜の生活その41「竜娘の属性」

「っ⋯⋯えぇ?」

 

 何が起きたのか分からない。ただ太陽みたいな眩しい光に辺りが包まれたことだけは覚えてる。咄嗟に目を閉じたはいいものの、しばらく視界は機能しなかった。目を瞑ってるはずなのに、一瞬だけ真っ白な世界に覆われた。

 

「どうした! 何かあったのか!?」

「て、敵ですかぁ!?」

 

 家の中に居たラミアス達も光に気付いたらしく、慌てた様子で外へ出てきた。あれだけ強い光なら無理もない。この辺り一帯、恐らくは数キロ先まで光は届いただろう。

 

「⋯⋯大丈夫。多分、アルナの魔術が暴発した。唱えた呪文は炎を出すだけの呪文だったけど、炎には光が伴う。恐らくは、その光が何かをきっかけに暴走──爆発したみたい」

「おいおい⋯⋯。それじゃあまるで、さっきの光の原因がその娘にあるみたいではないか。そのような幼子に、あれだけの光を発生できるとでも? ⋯⋯まさか、本当に娘なのか?」

 

 ラミアスに訝しげな目を向けられる。散々茶々を入れてたくせに、やっぱり冗談だったのか。というか、本当に覚えがないんだけど。暴発とはいえ、あんな光を発生させるほどの魔力⋯⋯本当に私の娘なのか? けど、相手なんて思い付かない。そもそも誰かを愛したことすらないし⋯⋯。

 

「いや、違う⋯⋯はず。私、相手はいない──」

「⋯⋯ふれ」

「待って。ストップ。アルナ? もういいからね?」

「⋯⋯うん」

 

 再び魔術を唱えようとするアルナを慌てて止めると、彼女は小さく頷いてくれた。言葉は理解してるようだけど、何か命じないと繰り返し行動してしまうのか。⋯⋯何をすればいいか分からないから、繰り返してるのかな。

 

「とにかく危険はないのだな? なら戻るぞ。早く夕食作って食べて寝よう」

「太るよ?」

「誰がだ! ⋯⋯お前、魔術が暴走なんて下手をすればその娘が死ぬぞ?」

「⋯⋯うん。分かってる」

 

 しかし、だからと言って魔術を使わない選択肢もない。剣術や武術で魔術に対抗する者もいるが、それは達人の域に立つ者達。それに今まで身一つで戦ってきた私じゃ教えることは難しい。

 

「なんとかしろよ? 分かってるだけじゃ意味無いからな」

「うん。心配ありがとう、ラミアス」

「⋯⋯ふん。ディニエル、作りに戻るぞ」

「は、はい。⋯⋯ま、魔術の練習頑張ってくださいね⋯⋯!」

 

 優しいのか、冷たいのか。大丈夫だと分かったらすぐ戻ってしまった。あの吸血鬼⋯⋯ラミアスは私でも分からない。まぁ、非は全面的にこちらにあるから何も言えないけど。

 

「ティラノス、どうするの? ラミアスも言ってたけど、魔術が暴発なんてしたら大変だよ?」

「⋯⋯幸い、この娘が暴発した原因はなんとなく分かる。魔術の属性には人によって得手不得手がある。今分かる範囲でだけど、アルナは光の属性が強すぎるんだと思う。だから、できる限り光に関わる魔術を使わせないようにすれば暴発はないと思う」

 

 ただ問題は光以外にも強い属性があるかもしれない。あれだけの光を発生させる魔力なら有り得なくもない。

 

「⋯⋯それでも、対策は考えないと、だけどね」

 

 教えることは、習うよりも大変だ。改めて、私の心にそう刻まれた瞬間だった。




用語解説その42
『妖精』
自然を愛し、自然と共に生きる種族。自然を壊しさえしなければ、人を襲うことはない。自然を操る魔法が得意。
種族特徴→自然の加護(自然に生かされる種族。故に近くに自然があれば死ぬことがない。しかし、それは自然がなければ生存すら困難であることを意味する)
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