最強竜っ娘の自由気ままなゆったり生活   作:百合好きなmerrick

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第3章 竜と人間の共同生活
竜の生活その7「人間との生活」


「んぅ⋯⋯ふぁぁぁぁ⋯⋯あぁ⋯⋯」

 

 目が覚めるといつも見る何の変哲もない真っ白な天井が見えた。

 

 私の部屋だ。魔霧の森のほぼ中心に位置する開けた空間。その真ん中にある私の家は1人暮らしなのに2階建てで、幾つもの部屋がある。1階はダイニングルームやキッチン、お風呂にトイレなど生活に必要な部屋があり、逆に2階は大半の部屋が物置部屋となっている。私の部屋は2階にあり、先日一緒に暮らす事になったカノンにも2階の部屋を貸した。もちろん、しっかり掃除は済ませた。

 

 以前は自分の部屋が無かったと言うカノンはとても気に入ってくれたらしい。私が使わない机や鏡などを持ち込み、自分流にアレンジしていた。この間見に行ったら、とても同じ家の部屋だとは思えない程綺麗に掃除され、物も整理整頓されていた。正直、カノンが家に来てくれて感謝している。1人の寂しさというものは最初から無かったけど、賑やかになった。最初からそんなに汚くは無かったけど、部屋も綺麗になった。

 

 カノンが家に来てから1週間経ったが、彼女も慣れたものだ。まるでメイドのように働いてくれるし、本当に有り難い。

 

「ティラノスー。ご飯できてるよー!」

 

 起きたのを見計らったかのように扉が開かれ、エプロン姿のカノンが部屋に入ってくる。手には何故かフライ返しを持ってる。

 

 恐らくは料理が終わって、そのまま来たのだろう。せっかちというか、慌て過ぎだというか。それくらい、置いてこればよかったのに。

 

「おはよう⋯⋯」

「おはよう。って、今起きたばっかり? もう、お寝坊さんだなぁ」

「竜は寝たら長い。人化するのも⋯⋯ふぁ⋯⋯力を使うから⋯⋯」

 

 竜なら誰でも持つ『人化』は、もしも竜が人だったら、という仮定の姿を取ることができる種族特徴だ。魔力は消費しないし、ぶっちゃけ戦わないなら竜形態より扱いやすい。でも、仮の姿だから魔力や腕力の上限は低下してるし、何より神経を使う。要は人であるという事を意識し続ける必要があるのだ。慣れれば簡単だけど、それでも疲れるからよく眠ってしまう。

 

 それに私は長年竜でいたせいか、完全な人の姿を取る事ができない。翼に尻尾、角に牙。人間ならどれも持たざる物だ。だが、幸いにも今の私と似た魔族という種族がいるから、人間の街に行くのは問題無い。それでも珍しいし、人間は魔族に敵意を持ってるみたいだから、周囲の目は痛いが。

 

「へぇー。まぁ、そんな事はいいから早くご飯食べよ。冷めちゃうよ」

「うん⋯⋯行こうか。今日は肉ある?」

「ベーコンあるよ。多分、足りないだろうけど」

「いや、朝は少なめでも良いから。竜とはいえ、そんなに毎日がぶがぶ食べ⋯⋯ない事も無いか」

 

 カノンと一緒に暮らし始めてから、その食べる量に驚いた。多いから驚いたわけじゃなくてその逆。あまりにも少なくて驚いた。人間でも魔猪くらい丸ごと1匹食べれると思ってたけど、まさか半分も食べれないとは思ってなかった。そんな人間からすれば、私の食べる量が多いと感じるのは納得できる。

 

「あ、そうだ。ティラノスー、ご飯食べ終わったらさ、魔術教えてよ」

「魔術? 一体どうして?」

「いつもティラノスにばっかり魔猪狩りさせて悪いし、1人で留守番するにも何かあった時のために、多少は力をつけた方が良いと思わない?」

「⋯⋯一理ある。少なくとも、魔猪よりは強くなってほしい」

 

 最初出会った時も、カノンは魔猪に倒されていた。他より大きい魔猪だったとはいえ、この森に住むなら頼りない。私みたいに1発で倒せとは言わないが、せめて1人でも1匹程度、倒せるくらいには強くなってほしい。

 

「その返事は承諾と受け取っていいのかな?」

「いいよ。でも、私の魔術講座、厳しいからね?」

「う、うん! ティラノス師匠、お願いします!」

「師匠って⋯⋯なんかくすぐったいね。⋯⋯まぁ、早く食べようか。話してるとお腹空いちゃったしね」




用語解説その7
『アリソン王国』
イデアの約5割を支配する人間の王国。名前の意味は太陽。歴史は数百年程度とまだ浅い。王国では革命軍という名の邪神を祀る教団ができてるらしく、まだまだ治安は悪い。

ティラノスの家はこの国の領土にあるんだとか。

カノン「私が住んでた街はここの城近くにあったよ。俗に言う城下町かな?」
ティラ「一番抗ってた街はここだったかな。優れた魔術師が多かった記憶がある」



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