煙草とお酒と珈琲と 作:謎の喫煙者X
……嘘です。他のが書けない息抜きにプロットだけ適当に考えてたらなんか書けたんで上げてみました。匿名設定は……身バレしたら解こうかな?
実際バンドリの話書くのは初めてなのでもし何かキャラに違和感とかあれば教えていただければと思います。
ただほんとに息抜き作品なので不定期更新ですし、タグとかも後々変わると思いますし、タイトルと関係ないやんみたいな話もちらほら出てくるかと。
長々とすみません。
初めは千聖さんの話です。
――じりじりと、紙の燃える音が小さく響く。
ゆっくりと深呼吸するように吸い込み、口から離して肺まで入れる。
喉が燻される感覚。十分に味わってから吐き出せば紫煙がゆっくりと虚空に消えていく。
開いた画面に写るテキストアプリで作成途中のレポートは一時間前と変わらない文字数をカウントしていた。
「……明日にしようか」
甘く悪い考えが煙で鈍った頭をよぎるが、明日にすると大変なことになる。
具体的には期日が明後日だから明日一日地獄を見ることに……
いやしかし、煙草で鈍ったこの思考で書いてもクソみたいな出来のモノしか書けないのでは? という
真顔で悩むことしばらく。
いざパソコンを閉じよう、と決意したところで玄関のドアが開かれた。……いや正確には開かれた音がした、か。
ちなみに、俺は一人暮らしである。
大学進学と同時に家を出て安めのアパートを借りたのだ。
そういう訳なのでノーチャイムでこの部屋を訪ねてくる人間なんて限られている。
様子を見に来た母親、仲のいい友人、あるいは――
「……おかえりちーちゃん。もうなんか気にしないけど男の部屋に出入りするのはアイドル的にどうなの?」
「今更誰も気にしないわよ」
年の離れた彼女、とか。
今をときめく高校生アイドルバンドに所属する元天才子役――白鷺千聖とはピュアでプラトニックな恋人関係を築いている。
……ごめん嘘。爛れてる。
「ちーちゃん?」
「……疲れたわ」
ぽそりとそんな言葉を漏らしながら倒れこむようにしてちーちゃんが抱き着いてくる。
力が抜けきってるのだろう。
ぐにゃんぐにゃんだ。日向にいるにゃんこよりもぐにゃんぐにゃんだ。
「お疲れちーちゃん」
「うー」
「はいどうはいどう……服皺になっちゃうよ?」
「私は馬じゃないわよ……」
「そうだね。ちーちゃんは可愛い女の子だね」
左手で頭を撫でながら右手はさり気なく煙草とライターを離れた所に置く。
ちーちゃんに煙草の臭いがついたら色々危険だから……といいつつ俺自身についているはずの臭いが移るのはどうしようもない。
じゃあやめろよ、とは思うのだが煙草やめるとかちょっと無理なんだよなぁ。
「……匂うわね」
「うん、ごめん」
しばらく首筋に顔を埋めていたちーちゃんがいきなり顔を上げたかと思うと、突然臭いのことを言い始めた。
最近はあんまりちーちゃんの前で吸ってなかったからなぁ……
「別に……あんまり気にしていないわ。今は……あなたの匂いって感じで……好きよ」
「それはどうも……っていえばいいのかな」
それはいいんだけど、臭い嗅ぎ過ぎじゃないかな。具体的には……の間で三回くらい深呼吸してるし。
あ、起き上がった。
ゆるゆるのだるんだるんなのは変わらないけど。
「……キス、して?」
「え、でも俺さっき吸った――んもっ!?」
「んっ……ちゅ、んん……ぷはっ……煙草の味ね」
「だから言ったのに……今ジュース取ってくるよ。カルピスしかないけど」
「このままでいいわ」
そっと微笑むちーちゃんの顔は眩しいくらいに綺麗で、ちょっと呆けてしまう。
……いや、ほんと。俺の彼女でいいのだろうか。というか彼氏が俺でいいのだろうか。
「……ねえ、明日休みよね?」
「そうだね?」
「奇遇なことに私も明日オフなの」
「久しぶりにゆっくり休めるね」
「……わざと言ってるの?」
「ごめん、ちょっとだけ。レポート書かなきゃいけないから、それだけやらせて」
「ええ。それじゃあ、明日はそれが終わったらデートに行きましょう」
「それは是非ともこちらからお願いしたいくらいなんだけど……今日中に終わらせようと思えば多分出来るよ?」
ちーちゃんがどいてくれたらね、とは流石に言わないが、今の体勢のまま作業は厳しい。
床に座ってる俺の首に腕を回したちーちゃんがしなだれかかっているのだ。俺がちーちゃんの膝裏を抱えて立ち上がればお姫様抱っこの出来上がりという感じで。
明日デートに行くとなればさっさと今日中に終わらせてしまった方がいいんじゃないかとは思うが、ちーちゃんはご不満のようだ。
「折角彼女が明日は休みで泊まっていってもいい、って言ってるのよ……?」
「ちーちゃんそういうのは駄目だと思うよ俺」
「いいじゃない。どうせ今まで何度もシテるんだから」
「確かに流されてしまった俺もいたが今回の俺はあふん」
そこ、そこデリケートな場所だから!
あっちょっ脱がすなやめっ、アッ――――――!
……今回の俺も駄目でした。