目の前で倒れた眷属を見てライザーは怒り他の眷属に命令した。
「キサマ、よくもミラを・・・イーリス!やれ!!」
「はい、ライザーさま!」
ライザー名を受けた
「えっ・・・?」
目の前の光景に唖然となっていた宗司は眼前に迫る大剣を前に動けなかった。
「させません!」
ギィイイン!
宗司と大剣の間に明日菜が入り込み
「なに!?」
「はぁああああ!」
自分の剣が止められたことに驚くイーリス。明日菜はそれを見逃さず雪霞狼を持った腕に力を入れて大剣ごとイーリスを弾き飛ばした。
「獅子王機関の剣巫として先輩に手出しはさせません!」
「――――キサマ!」
明日菜に邪魔をされライザーは苛立ち明日菜を睨みつけた。明日菜は自分の後ろにいる宗司を守りながら雪霞狼を構えライザーにその切っ先を向ける。ライザーも魔力を高ぶらせ背中から炎の翼をだした。いつぶつかるともしれない一触即発の空気が部室内に漂う。
「―――――――そこまでです」
そこへ再び静かで迫力ある言葉をグレイフィアが口にした。
「先ほども言いましたがこれ以上の振る舞いは許しません」
それだけで室内の空気が重くなった。
「・・・・・・チッ」
ライザーは舌打ちをして背中の炎の翼を消した。それを見て明日菜も雪霞狼を下ろした。
戦闘にならずに済んだのでオカルト研究部の全員安堵するなかライザーはリアスに言った。
「おい、リアス。ゲーム10日後にしてやる」
「どういうつもりかしら?」
「ハンデさ、ハ・ン・デ。君と俺とじゃ大きな差がある。これぐらいのハンデはくれてやるさ」
「・・・・・・」
「屈辱か?自分の感情だけで勝てるほどレーティングゲームは甘くないぞ。俺は正式なレーティングゲームにも参加している経験者だ。いくら才能があろうと、いくら強かろうと、初戦で力を思う存分に出せず負けた連中を何度も見てきたぞ。」
ライザーは視線を一誠に向ける。
「リアスに恥をかかせるなよ、リアスの
ライザーは宗司にも視線を向けた。
「キサマには必ず
そう言いライザーは眷属と共に魔方陣を発動させて去っていった。
◇
「ひーひー・・・・・・・」
「・・・・ひーひーうるさいぞ兵藤。・・・ぜーぜー・・・・」
「おまえも・・・ぜーぜーって、・・・言ってるじゃないか宗司」
「ほら、イッセー、ソージ。早くなさい」
部長とライザー・フェニックスの婚約話から一日過ぎた今日、俺たちオカルト研究部のメンバーは十日後のレーティングゲームに向けての特訓のために部長の実家の別荘がある山を登っていた。
山の風景はよかったのだが、今の俺と兵藤にはそれを楽しむ余裕はなかった。俺たちは尋常じゃない量の荷物を背負って山道を歩いていた。
「・・・・・・あの私も手伝いますから」
「いいのよ、イッセーはあれぐらいこなさないと強くなれないわ」
「一誠先輩にはあれでもまだ足りないくらいなんですよアーシア先輩。・・・先輩も頑張ってください」
遥か前方から俺たちを心配するアーシアと俺たちに激をとばしてくる部長と姫柊の会話が二人に聞こえてくる。
きつい、だるい・・・・。
斜面がきつい山道を大量の荷物を背負って歩く。しかも陽射しの中を、吸血鬼である俺にはまさに苦行だった。
「部長、山菜を摘んできました。夕飯の食材にしましょう」
「・・・・・・お先に」
そんな俺たちをよそに木場は俺たちと同じ大きさの荷物を背負って苦もなくすいすいと山道を登っていき、塔城にいたっては俺と兵藤以上の荷物を背負って二人を横から追い抜いていった。
「負けられるか~、うおりゃぁぁぁぁ!」
「はぁぁぁぁ・・・・・」
そんな二人を見て触発された兵藤は俺をおいて雄たけびを上げながら駆け登っていった。そんな兵藤の無茶ぶりに俺は呆れて深いため息を吐く。
そんなことを何度も繰り返し、目的地の別荘にたどり着いたのだった。
この別荘は普段は魔力で風景に隠れ、人前には現れない仕組みだそうで、今日は使用するので姿を現しているそうだ。
リビングに荷物を置くと同時に俺は座り込み、その隣では兵藤が倒れこんでいる。女性陣は動きやすい服装に着替えるため二階へ行った。
「僕も着替えてくるね」
木場も青色のジャージを持って一階の浴室へ向かったが、急にふり返り俺と兵藤に言った。
「覗かないでね」///
「「マジで殴るぞ、この野郎!!」」
疲れて余裕のない俺と兵藤は同時に殺意を込めて叫んだ。それを木場は笑顔で受け流し今度こそ浴室に向かった。
それから少しして体力が戻ると俺と兵藤は別室で着替えを始めた。着替え終わりリビングに行くとみんなすでに集まっていた。赤いジャージ姿の部長が俺と兵藤を視界に捉えると、笑みを浮かべながら言う。
「さて、さっくそく修行開始よ」
◇
レッスン1 木場佑斗との剣術修行
「よっはっ」
「おりゃ!おりゃぁぁ!」
一誠は佑斗にむかって木刀を振り回し当てようとしていた。だが、佑斗は軽やかにそれをいなしている。
バシッ!
また木刀を佑斗に叩き落される一誠。そんな二人の修行を宗司と明日菜は見ていた。
「そうじゃないよ、イッセー君。剣の動きを見るだけじゃなく、視野を広げて相手と周囲も見るんだ」
「木場の奴、すごいな・・・」
「はい、あの動きは才能だけで出来る動きじゃありません。土台となる基礎もしっかり身に付いているからこそできるものです。どれだけ祐斗先輩が修練を積んできたのが解ります」
祐斗の動きに宗司はただ驚き、明日菜はその動きから祐斗の技量は修練の賜物だと見抜き関心した。
「ほら、まだまだ行くよ!」
「くそっ~~~~~!!」
レッスン2 姫島朱乃との魔力修行
「そうじゃないのよ。魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集めるのです。意識を集中させて、魔力の波動を感じるのですよ」
朱乃の説明を聞きながら手のひらに魔力を集めようとする一誠とアーシア。宗司と明日菜はまたその様子見学していた。一誠は グヌ~~ っと力んでいると横ではアーシアの手のひらに緑色の淡い魔力の塊を作り出した。
「できました!」
「あらあら。やっぱり、アーシアちゃんは魔力の才能があるかもしれませんわね」
「すごいです!アーシア先輩」
朱乃と明日菜に褒められ、頬を赤く染めるアーシア。
一方一誠は今だできず、なんとか魔力を球体状に出せたが、米粒サイズのシロモノだった。それを見て宗司が笑うと「おまえもやってみろ!」一誠が言ってくる。宗司は渋々やろうとしたが何故か明日菜に止められてしまってやることはなかった。
その後、一誠は朱乃と何か相談をして朱乃から大量の野菜を渡されていた。それを見ていた明日菜は 「いい予感がしません・・・・・・」 っと言っていた。
レッスン3 塔城子猫との組み手
「ぬががあああああ」
ドゴッ!
子猫にまた殴り飛ばされている一誠。この光景は十回も続いている。
「・・・・・・弱っ」
子猫は痛烈な一言を一誠に言う。
「ひでっ・・・・・・」
一誠と子猫の訓練を見て宗司は初めて一誠に同情した。
「・・・・・・打撃は体の中心線を狙って、的確かつ抉り込むように打つんです。・・・・・・さ、もう1セットです」
子猫はそう言うと腕をぶんぶんと振り回し、再び一誠に拳の照準を定めた。それを見て一誠は諦めた表情になった。
レッスン4 リアス・グレモリーのスパルタトレーニング
「ほーら、イッセー!気張るのよー!」
「おおっす!」
「先輩、先輩も頑張ってください」
「ぐ、ぐおおぉぉぉ!」
宗司と一誠は険しい山道を駆け登っていた。背中の岩を縄で体に巻きつけて。しかも二人の岩の上にはリアスと明日菜がそれぞれ座っている。
舗装されてない山道をひたすら駆け登っては降りる。口にするのは簡単だがそれをしている宗司と一誠は苦行そのもだった。
「次は筋トレね。イッセー、ソージ腕立て伏せいくわよ」
「へ、へ~い・・・・・・」
「う、う~す・・・・・・」
生まれたての小鹿みたいに足がガクガク震えてる状態の二人は力なく返事をし、腕立て伏せの姿勢をした。そこへリアスが二人の背中に岩を載せて自分も一誠の岩の上に座った。
「ぐわっ!」
「ぐへっ!」
「明日菜、あなたはソージの上に座りなさい。さーて、腕立て伏せ三百回。いってみましょうか」
「オースッ!」
「ほら、先輩もやりますよ」
「っくそ~!」
リアスと明日菜からの激励を受けながら一誠と宗司は腕立て伏せをこなしていき、その後もきついトレーニングを黙々とやらされていったのだった。
◇
「美味い!」
「うおおお!美味ぇぇぇ!マジで美味い!」
「うふふふ。おかわりもあるからたくさん食べてくださいね」
今日の訓練を終えたオカルト研究部は夕食をいただいていた。
テーブルの上の豪華な食事を空腹の一誠と宗司は一心にかっこみ子猫はそんな二人以上に静かに豪快にパクパク食べていた。
朱乃はニコニコと微笑みながら三人の出す飯茶碗にご飯を盛って渡していた。そこへお茶を飲んでいたリアスが一誠に訊いてくる。
「さて、イッセー。今日一日修行してみてどうだったかしら?」
「・・・・・・俺が一番弱かったです」
「そうね。それは確実ね。朱乃、祐斗、子猫はゲーム経験がなくても実戦経験が豊富だから、感じをつかめば戦えるでしょう。あなたとアーシアは実戦経験は皆無に等しいわ。それでもアーシアの回復、あなたのブーステッド・ギアは無視できないものよ。相手もそれを理解しているはず。最低でも相手から逃げられるぐらいの力は欲しいわね」
「逃げるって・・・・・・。そんなに難しいんですか?」
一誠の質問にリアスはうなずき、明日菜も話に加わってきた。
「一誠先輩、逃げることも戦術の一つです。いったん引いて態勢を立て直すの立派な戦い方です。それども、敵に背を向けるという行為事態危険を伴います。しかも自分より格上の相手から逃げるとなればそれは自ら殺してくださいと言ってるも同じことです」
「明日菜の言うとうりよ。そういう相手から無事に逃げられるのも実力のひとつ。イッセーとアーシアには、逃げ時も教えないといけないわ。もちろん、面と向かって戦うすべも教えるから覚悟しておきなさい」
「了解っス」
「はい」
「あの~~、部長。質問イイですか?」
話しがひと段落したところで宗司がリアスに質問してきた。
「なにかしから?ソージ」
「いや、今日俺だけ修行は部長とのトレーニングだけだったのはなんでだろうと思って・・・?」
「ああ、それは明日菜からそうするように言われたからなのよ」
「姫柊が?なんでだ姫柊」
宗司は明日菜に理由を尋ねる。すると明日菜は簡潔に答えた。
「先輩が危険だからです」
「・・・・・・へっ?」
「先輩・・・、ライザー・フェニックスの
「!? あ、あれは俺の所為なのか!?俺にも何が起こったのか解らないんだぞ!」
明日菜の発言に抗議する宗司。それに明日菜はため息をついてから言う。
「ええ、先輩が自分の意思でやっていないのはそれは解っています。でも、先輩にその気がなくてもレーティングゲーム前の朱乃先輩、祐斗先輩、一誠先輩、子猫さんに同じことをしてしまう可能性があります。リアス先輩の特訓は私が先輩の相手をするから認めたんです」
「そ、そんなぁぁ・・・」
明日菜に言われた理由に宗司はショックをうけて項垂れた。
「さて、食事を終えたしお風呂に入りましょうか。ここは温泉だから素敵なのよ」
温泉のことを聞いた一誠はだらしない顔に顔になる。それだけで一誠が何を妄想しているか皆察した。
宗司と祐斗は即座に言う。
「僕は覗かないよ、イッセーくん」
「俺もだ」
「バッカ!お、おまえらな!」
「あら、イッセー。私たちの入浴を覗きたいの?なら、一緒に入る?私はかまわないわ」
「!? な、何を言いだすんですか!リアス先輩!」
リアスの予想外の発言に顔を赤くして明日菜は叫んだ。
「あら、別にいいじゃない。朱乃、あなたはどうなの?」
「別にかまいませんわ。うふふ。
「なっ!? あ、朱乃先輩まで何を言っているですか!いけませんそんなこと!」
リアスの提案に満面の笑みで肯定するする朱乃。それを聞いて明日菜はますます顔を赤くする。そんな明日菜をよそにリアスはアーシアと子猫にも話しかける。
「アーシアと子猫はどうかしら。アーシアは愛しのイッセーと入れるわよ?」
「えっ!? あ、あのわたし、・・・・・・~~~~~~~~・・・」
「・・・・・・いやです」
リアスの問いかけにアーシアは明日菜と同じように顔を真っ赤にしてうつむくが小さくこくりとうなずき、逆に子猫は両手でバッテン印をつくり拒否した。
「じゃ、なしね」
それを聞いたとたん目に見えるほど落胆する一誠。そんな一誠を見てリアスは悪戯っぽい笑みで言う。
「残念ね、イッセー」
「残念 じゃ、ありませ~~~~~~~~~~~~~~ん!!!」
そんなリアスに顔をこれでもかと真っ赤にした明日菜のカミナリが落ちたのだった。
◇
修行二日目になり、午前中は勉強会になった。
リビングに集まり宗司、一誠、アーシアは悪魔の知識と各勢力の主要人物などを教わる。その過程で一誠は女性魔王レヴィアタンで興奮し、アーシアのエクソシスト講座では好きだった聖書の一説が読めなくてアーシアが嘆いていた。
ここのまま午前中の勉強会は終わると思われたが、
「さ、先輩。次は先輩の番ですよ」
「へ?」
明日菜の発言によって変わった。
「姫柊、説明ってなんだよ?真祖の説明なら全部話しただろう。まだ俺なんか話すことがあったか?」
「ええ、先輩には話してもらうことがまだあります。殲教師との戦いの時先輩が呼び出した
怖いほど笑顔の明日菜に凄まれて宗司は顔を蒼くするのだった。
◇
まずい・・・・・・。
俺は焦った。殲教師の一軒ですぐ訊かれるかと思っていたが姫柊は全然訊いてこないの忘れたのだろうと思っていた。だが、姫柊は忘れておらず、しかも皆がいるこの場で訊いてきた。
「先輩、言い逃れはできませんよ」
「あらあら、うふふふ、そうですわね。わたしも実はあれから気になっていましたし教えてもらいたいですわ」
姫柊と笑顔の姫島先輩が徐々に詰め寄って来る。背後は壁で逃げ場はない。
に、逃げ場がない・・・・・・。だが、眷獣のことは絶対話すも
「センパイ」
「宗司くん」
「話します」
正直に話すのは大切だよね、うん。
暑くてやる気がおきないですが、次話も執筆中ですので気長に待ってくれたら幸いです。