「ハァ、ハァ、ハァ」
俺は山の中を走っていた。全速力で走っていた。その理由は――――――――――――――――――――
「やべぇええええ!このままだと門限に間に合わないぃぃいぃいいい!!」
門限時間までに家に帰るためだ。なんでこうなっているかというと、日曜日の今日、俺は第5真祖たる自分の力、眷獣のコントロールを身に付けるため周りに人や民家が無い山奥まで行った。幸いに真祖になっているだけに身体能力が人間以上あるお蔭で3時間程で人里から離れた山奥に着いた。
川が流れている広い場所を見つけたので此処で特訓をすることにした。
「さて、眷獣ってどうやったら出て来るんだ?」
初めてすぐ特訓に行き詰った。
原作だと命じれば出て来るようだったな・・・・・・。
「いでよ!眷獣!!」
バァッ!
シ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン。
「・・・・・・やっぱそう簡単にはでないか。ハァァ」
がっかりした俺はため息をつく。
それからもいろいろ試すも眷獣はいっこうに出てこず、疲れたため川辺の岩に腰を下ろし休憩した。
「はぁぁぁ、なんで出てこないんだ?何が悪いんだ?・・・・・・・~~~~っ、あー!もう解んねー!!」
出しかたが解らず、俺は八つ当たり気味に喚き散らす。
! バァッ!
俺は反射的に岩から飛び退いた。
ズガァアアアアアン!!
俺が飛び退いてすぐに空から何か降ってきて岩を破壊した。岩が壊れた衝撃で発生した砂煙のせいで視界が遮られ何も見えなかった。
・・・・・・何が降ってきたか解らないが、伝わってくる。これは殺気!
ブオン!
俺はすぐさま後ろに飛び退き、砂煙を割いて出てきたものを回避した。
砂煙を割って出てきた物それは剣だった。しかも、大人の人ぐらいのデカさの大剣。
そしてその持ち主の姿も見えた。上半身は筋肉ムキムキの男性だったが、下半身が人ではなかった。馬の胴体。そう、俗に言う半人半馬、ケンタウロス。
「ま、魔族!?」
まさかこの世界にも魔族がいるのか!?
いきなり現れた魔族に俺は慌てふためいた。そんな俺の気も知らず、魔族、ケンタウロスは大剣を俺に向かって振り下ろしてきた。
ブオン!
「!ちょっ」
バァッ。
俺は振り下ろされる大剣を慌てて避けた。
ズダァアアアアアアアン!!
振り下ろされた大剣の威力で地面が抉れる。
っなんて馬鹿力!当たったらヤバい!
そう思った俺はケンタウロスから遠く離れて間合いをとった。
だが、ケンタウロスもしつこく間合いを詰め剣を振り俺を仕留めようとしてくる。
ブン! ブン! ブン!
「っくそ、このままだと――――!?」
剣を必死に避けている最中、体が熱くなった。まるでマグマ、いやそれ以上の何かの熱だ。それほどの熱量が体を駆け巡った。その所為で動きを止めてしまった。
その隙をケンタウロスは見逃さなかった。動きを止めた俺に今までより勢いよく大剣を振り下ろしてくる。
「ヴゥオオオオオオオオ!!」
ブオォォン!
避けられない!
俺は魔力を込めた腕をクロスさせて防御する。
ズシャァァァァァ!!
「ぐっ、っっ~~~~!?!」
腕を斬り飛ばされはしなかったが、腕から鮮血が吹き出し吹き飛ばされる。その瞬間、さっきと同じ、否それ以上の熱量が体から噴出した。それは体の奥から暴れ出ようする何か、その時俺は気づいた。
眷獣!?まさか眷獣の暴走か!!
俺は慌てて眷獣を抑えつけようとするが、いっこうに収まらず逆に熱量が上がり、周りが燃え上がった。
ケンタウロスも突然の事に驚くが本能が危険を報せた。急いでこの場から離れようとするも、圧倒的熱量から発生する熱風が肌を焼き、熱を帯びた空気が肺を焼き、更に体が燃え出し苦しみ動けずもがいていた。
「ぐぅううううううう~~~~~~~~」
俺は体の中で暴れる眷獣の所為で動けずいた。いくら頑張っても言うこと聞かなかった。そしてついに俺は限界に達した。
「~~~~~っ~~~!!ぐぅおオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」
ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!
◇
「んんっ、・・・俺は・・・・・・!」
ガバァ!
意識を失って倒れていた俺は目覚めた時最初はぼんやりしていたが、すぐにさっきの事を思い出し上半身をお越し周りを見た。
「――――なんだよ・・・・・・この光景は・・・・・」
そこには想像だにしない光景が広がっていた。俺を中心にして数キロに及ぶクレーターができていた。地面も赤く融けてまるで硝子のようになっている。川や周りの森の木々もなくなっている。ケンタウロスの姿もなかった。おそらく燃え尽きたんだろう。あとには僅かに炭とかした木が数本残っているだけだった。
「これが・・・・・・眷獣の力・・・・・・」
こんな
そんな風に思ったが俺はあることに気づく、空が赤いのだ。そしてカラスが鳴いている。
・・・・今何時だ?
俺は腕時計を見る。
4時44分。
・・・・・・・・・・・・・・・っまずいぃいいいいいいいいいい!母さんに怒られるーーーーーーー!!
俺は全速力で走り下山した。
◇
下山を始めてあれから30分が過ぎ今俺は町が見える所まで来た。
此処まで来ればなんとかなるな。後はこの先にある神社を通って近道すれば間に合う!
俺はさらに加速して走る。そして近道の神社を視界に捉える。だが、そこには予想だにしないことが起きていた。謎の集団が女性と女の子を取り囲んでいた。
なんだあの集団は?囲まれている二人はおそらく母娘かな。・・・・・どう見てもヤバい状況だよな。
俺は木の上に隠れて様子を窺う。だが、事態はすぐに動いた。集団の一人が剣を出し、女の子を斬ろうとしていた。
まずい!
俺は木の上から跳んだ。そして女の子を庇う女の人に剣を振り下ろそうする男に跳び蹴りをかました。
ドガッ!
「がっ?!」
蹴りで男が吹き飛び、蹴った反動を利用してそこに俺は着地した。
すたっ。
いきなりの乱入者に謎の集団も母娘も驚いている。
・・・・・・さて、どうするか(汗)
◇
俺は謎の集団の前にして如何しようか悩んでいた。後ろでは襲われていた母娘もいる。
飛び出したはいいがこのあと如何するか考えてなかった。
俺は後ろの襲われていた母娘を見た。
「大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫だです。あなたのおかげで」
「そうですか、よかった」
そんな風に会話をしながら改めて母娘を見る。母娘そろって美女だ。母親からは大人の女性としての美しさと色気や母性がにじみ出ている。娘、女の子はまだ美しとゆうより可愛いさの方がでている。だが、母親がこうなら娘の子の将来も期待できると俺は実感した。
俺は謎の集団の方に向き直った。相手を見ると一人の男が話しかけてきた。
「小僧、貴様何者だ?そこにいる忌まわしき堕天使と子をなした女とその血を持つ娘を殺すのをなぜ邪魔をした」
だ、堕天使?堕天使ってあの堕天使のことか。
いきなり言われた内容に俺は戸惑った。魔族の存在は知っているが、堕天使が実在しているその事実、そして男の言うとうりなら後ろの二人は母親が堕天使との間に子供を作り、生まれたのがあの女の子というわけだ。
「小僧、今一度言う、我らの邪魔をするな。そうすれば貴様だけは見逃してやる」
男の言葉を聞いて後ろにいる母娘は、母親は女の子を抱きしめ守っている。女の子は母親の腕の中で怯えているのか震えている。
それを見た俺は謎の集団に向き直り前にでた。
「ふっ、物分かりがいいな小僧。そう所詮おまえにはか〈ドゴッ〉!?ガアッ!」
俺は男の一人の腹を殴った。男もいきなりの攻撃に反応できず腹を押さえうずくまる。
周りの男たちは武器を出した。
「小僧!どうゆうつもりだ!」
「きまってんだろ。俺はこの母娘の味方をする!堕天使だからなんだってんだ!その子が堕天使なら俺は真祖だ!」
◇
俺は武器を持つ男たち相手に大立ち回りを始めた。相手は剣やら銃やら槍やらで攻撃してくる。それに対して俺は素手で対抗している。もちろんただの素手と侮ることなかれ、俺は真祖の吸血鬼、人間と構造は違うので筋力は人間以上ある。しかもそれ+魔力で強化しているんだくらえばただじゃすまない。その証拠に俺の周りのは俺に殴られたり蹴られた奴らが倒れている。
・・・・・残りの人数は9人、さっさと倒すか。
ダッ!
俺は足に力を入れて男の一人の懐に入った。相手もいきなり俺が消えたと思ったら自分の懐にいるので驚いていた。
「うおりゃ!」
ドゴッ!
「――がぁっ!!?」
どさっ。
腹に俺の一撃をくらい男はそのまま気絶し倒れた。
「あと、8人!」
俺は他の奴に狙いを定めたその時。
「母様ぁああああああ!」
俺は聞こえた悲鳴に後ろを振り返った。そこには最初に跳び蹴りで蹴り飛ばした男が剣で女の子を斬ろうとするのを母親が女の子を抱きしめ庇おうとする光景だった。
! しまった!
俺は自分の迂闊さを呪い魔力全開で走った。だが男の方が早く剣を振りぬいていた。
このままだと間に合わない!―――だけど―――――
「間に合えぇええええええええええええ!!!」
地面を思いっ切り蹴って跳んだ。その結果―――
ズバァ!
「――――間に合ったな、っ~~~~~~!!」
剣と母親の間にギリギリで入り母娘を守ることができた。だがその代償として俺が斬られた。背中から大きく斬られた。背骨にまでも達しているだろう。斬られた反動で俺はバウンドしながら転がり地面に倒れた。
不死身でもこれはキツイなー。
俺がそう思っていると女の子が俺に駆け寄って来た。その後ろから母親も来る。
「大丈夫!?」
「しっかりして!」
母親が俺を抱きお越し、女の子が涙目で俺の心配をしてくれいる。
傷は確かに深いがそこは真祖だから回復するが、今はそれよりまだ謎の集団は全員倒していない。俺が顔を横に向けると男たちがこっちに歩いてきていた。
体に力を入れるがさっきのように動けそうになかった。このままだとこの母娘は殺されてしまうと俺は思った。
何か手はないのか!・・・・・・・あった。この状況を打開する手が。だが、この手は使いたくなかった。これをすれば俺は本当に真祖としての道を進む事になる。それが俺は怖かった。いくら俺の半身とはいえただの人間だった俺は自分が人間じゃないことが怖かった。
でも。
「このまま見捨てるよりはましだな・・・・」
俺は目の前の女の子に声をかける。
「君、お願いがあるんだけどいいかな?」
「お、お願い?」
「そう、お願い。君の協力が必要なんだ。そうすればきみやきみのお母さんを守れるんだ。協力してくれ」
「・・・・・協力すれば母様を守れるの?」
「ああ、守れる。約束する。第5真祖、
「・・・・・わかった。私は何をすればいいの?」
彼女が俺に尋ねた。
「俺の傍に寄って」
そう言うと女の子が近寄ってくる。
俺の近くまで来た女の子を手で引っ張り抱き寄せた。体が密着したためか女の子の匂いがした。
「・・・・・いい匂いだ」
「へっ///」
女の子もいきなり言われたためか顔を赤くする。俺は女の子の首に牙を突き刺した。
ガブッ!
「あっ!んぅっ、ぁ・・・はぁ///」
俺の耳元で艶っぽい声がする。それを聞きながら俺は女の子の血を吸うっていた。血を吸うごとに力が漲ってくる。傷も癒えていく。
・・・・・・―――――!!
俺は自分の中の力の一つを掌握したとわかった。
女の子の首から牙を話して女の子を母親に渡した。女の子は顔を少し赤くしている。その子にむかって俺は言った。
「約束は守るよ」
俺は男達の方に歩いていく。男達は俺に驚き動揺している。さっきまで死に掛けていた俺が立ち上がっていることに。
俺は右手に力を籠める。右手から激しい熱と炎と熱風が吹き荒れる。それに男達と後ろの母娘は驚く。
右手全体が赤黒くなり蒼白い紋様が浮かびあがる。
「・・・・・・・・第5真祖、
『ガァオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』
赤き閃光と共にそれは顕現した。圧倒的な超高熱の魔力の塊が獣の形を作っていた。その熱で発生した炎の鬣。顔と体の一部には太陽の黒点のような黒い縞。体から発せられる熱で地面が融解してその熱で体の周りに発生する炎。
第5真祖、
「『
『ガァオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』
俺に命じられた『
ズオォオオオオン!!
ジュゥン!
一瞬で男達に突っ込みその圧倒的な熱量で蒸発させた。『
これが眷獣!・・・・・・迂闊に使えねえな。
俺は後ろの母娘の方にふりかえる。そこには怯えている女の子の姿があった。
◇
ピピピピピピピピピ。ピピピピピピピピ。
「―――っん、・・・・・・朝か、嫌なこと思い出したな」
俺は目覚ましを止め、ベットから起き上がる。
「あの日からもう7年か・・・・・・」
あの後俺は女の子の怯えようにいたたまれなくなりその場から去った。帰った俺を待っていたのは両親からのお叱りだった。だが両親は叱りながらも俺の様子に気づき心配をしてくれた。その時は本当に両親に感謝した。
それから数か月経ち父さんの仕事の都合で俺はその町から引っ越しこの町に移り住んでいる。それからが平凡な毎日で暮らしている。
「そろそろ学校にいくか。・・・・だるいけど」
俺は外に出て学校への道を歩く。日の光の所為で俺は怠い中俺は今朝見た夢を思い出していた。
「・・・・・・なんで今更あんな夢を見たんだ?」
そう考え事をしながら俺は校門を通る。
『駒王学園』そこで高校2年目、俺はまたあの時の女の子と再会をする。
そう、吸血鬼と悪魔として。
感想のほどよろしくお願いします。次回から原作にはいります。