Devils front line   作:白黒モンブラン

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―――混迷極める




少し内容が伝わりづらいかも(いつもそう
許してね!


Act84 Confusion

某地区。

青々として空が広がるその下で、舗装されていない道をS10FLBと記したデカールが貼り付けられた複数の装甲車、側面に「Devil May Cry」と記されたネオンサインが取り付けられたバンに、大型バイクが駆け抜け、二基のヘリがその後を追うかの様に上空を駆け抜け、その更に後方からは専用装備「ラヴィーネ」を装着したノーネイムと内包する魔を解放し魔人化状態のギルヴァがヘリを追っていた。

車列から二番目の装甲車にシーナは第一部隊と乗り込んでおり、無線機を手に取り全員へと話しかける。

 

「作戦内容をもう一度話すね。全部隊が東西南北に展開したの後ノーネイムのラヴィーネの攻撃で正門を破壊。混乱に乗じてヴァーン・ズィニヒに乗ったブレイクさんが正門から、ギルヴァさんが手薄と思われる屋上から突撃。二人が突撃したの後に全部隊が一斉に突撃。私を含めた第一部隊、第二、第三、第四は地上から。そして新たに創設した第五部隊と独立遊撃部隊の処刑人はヘリから降下して屋上から突撃。404小隊は南からは第三部隊と共に内部へ侵入。あなたたちは敵を排除しつつ、MG4を探して。代理人、フードゥル、グリフォンは第四部隊と共に内部へ侵入。その後分かれてMG4の捜索。ノーネイムは上空で待機し、状況に合わせて動いて」

 

『『『『『了解』』』』』』

 

「宜しい。各自準備を怠らない様に。以上」

 

そう締めくくり無線を切るシーナ。

皆へと指示した様に彼女も入念に準備をしていく。普段とは違うその雰囲気に第一部隊の誰もが口を開こうとはしない。今の彼女を一度見た事があるFALでさえもだ。

車両のエンジン音とガタガタと揺れる音が響く中、ふとシーナは顔を上げ第一部隊のメンバーの方へ向いた。

 

「…負担をかけるね」

 

シーナの口から発せられたのは小さく、しかし第一部隊全員へと向けられた謝罪の言葉だった。

それを聞き、少し呆れた様な表情を浮かべながらvectorがシーナへと言葉をかける。

 

「もう慣れたわよ。あの時から無茶する人だって事ぐらいはさ」

 

「あはは…そうだったね。あの時はああするしかなかったというのかな…」

 

シーナ・ナギサがまだS10地区前線基地に所属したてだった頃は昼夜問わず鉄血との戦いが頻発していた。

戦力すら整っていない最中、自身を含めた僅かな戦力で戦火を交えた。

最早あの状況ではそうする他なかったからだ。しかし当時彼女と共に戦った一人であるvectorもそうであったが、ほとんどの者達が気が気でなかったであろう。願わくは前に出て戦うなどして欲しくないというのが本音であった。だからこそvectorはシーナへと問う。今回のシーナの出撃についてを。

 

「じゃあさ今回も指揮官の言う"ああするしかない"に当たるの?」

 

そう問われたシーナはそうだね、と言いながら言葉を続けた。

 

「他の人からしたら馬鹿な事やってると思うだろうね。これだけの戦力を有しておきながら前線に出ようとしているんだから。でも…こればかりはどうしても引けないの。なんでそうするのかって聞かれたら、自分もいまいち良く分かっていないんだけどね」

 

「…」

 

「例え"修羅"に堕ちようとも私は構わない。軍人どうこう以前に私は人だから。それに助ける理由って要らないでしょ?MG4は私達の大事な仲間なんだから」

 

彼女も若い身でありながら多くの事を経験している。特に悪魔が絡む案件で成長を見せていた。

しかしその分危うさもその姿を現そうとしていた。それが今の状態なのかもしれない。

 

(…MG4が外部に情報を流している疑いがある。…それでも)

 

それでもなお、MG4を助けるという気持ちは変わる事は無い。

シーナの鋭い目つきは変わる事を知らない。それを見てvectorは小さくため息をつき、シーナへと言葉を投げかける。

 

「…あんまり前には出ないでよね。死なれるのは…嫌だから」

 

「うん。…お願いね」

 

自身を商品だと言い出すvectorにとってシーナは変な人という印象が強い。

悪魔を受け入れたり、あまつさえは鉄血のハイエンドモデルですら受け入れる。

だからと言ってそんな彼女を嫌いになる事はなかった。指揮官の事を好印象に見る様に作られているからこそ、そう思えるかも知れない。だがしかし、それ以外の何かがvectorにはあった。

特殊な力を持っている訳ではなく、出自が特殊でもなく、残酷な経験をしてきた訳でもない。ましてや自身ですら気付かなかった力がある訳でもない。戦う力なんて戦術人形と比べたら微々たるものでしかない。この世界で生きるグリフィンの人間。それ以前に普通の若い少女なのだ。

少なくともvectorはそう思っており、この場に居る人形達もそう思っている。

 

(死なせる訳には行かないよね…)

 

決してそれが言葉として出る事はない。

彼女を守る。その思いがvectorの中で宿っていた。

 

 

『こちらノーネイム。基地を確認。これより先行する』

 

「了解」

 

入ってきたノーネイムから通信。

この中でギルヴァやブレイクと同じ様に一番速度が出るのは専用装備「ラヴィーネ」を纏うノーネイムである。

シーナからの了解を得るとノーネイムは背に装着されたブースターを起動。まるで翼の羽を広げるかの様に上部が横へとスライドし、同時にテールスラスターが変形を開始する。

形態移行を完了したブースター。カバーが展開され複数のスラスターノズルが露わらになる。

その瞬間、一気に噴射剤が吹き出し瞬く間に加速。吹き出る噴射炎がまるで光の翼を作り上げ、ノーネイムはそのまま基地へと向かう。

ノーネイムの各所に装着された装甲。両手に持ったシールドとブレードが一体化した武器、肩部の装甲の側面に着巨大な砲の様なのが取り付けられている。そして背部には可変式大型ブースターに分裂式ミサイルを放つミサイルポッドが二基。

高機動から対象に一気に詰め寄り、一撃を叩きこむという一撃離脱をコンセプトとしたノーネイムの二つ目の専用装備「ラヴィーネ」。ラテン語で雪崩を意味し、その名を現すかの様に身に纏う装甲パーツが白く染め上げられている。また砲撃特化のパトローネと相反する様に空中戦を得意とするのがこのラヴィーネの特徴とも言える。

 

「どういう事だ…」

 

先行し途中でラヴィーネのブースターを通常形態へと戻し、基地の様子を偵察にしに来たノーネイムは疑問の声を上げた。普通なら正門には警備兵がいる筈なのだが、何故か誰一人もいない。これでは入って来て下さいと言わんばかりである。不審に思ったノーネイムはこちらへと向かってきているシーナへと通信しようとした時だった。何処からともなく銃声が鳴り響いた。それも何回も鳴り響いており、自分達より先に第三勢力がこの基地を攻撃している証拠であった。

 

「指揮官、聞こえるか。不味い事になった。私達より先に誰かが基地内部で暴れている」

 

『まさか第三勢力…?』

 

「恐らくは。どうする?」

 

『もうすぐそこまで来ています。ノーネイム、正門を破壊してください。誰が勝手に暴れているのか知りませんが、この状況に乗じて私達も乗り込みます』

 

「了解した」

 

両手に持った武器を構えるノーネイム。

ブレードが変形。先端の中心部に何やら砲口の様なのが現れ、砲口に光が収束し始める。

本来は無かった機能なのだが、マギーが追加したのだ。剣、盾の機能に加え銃の機能を。

吐き出される二筋の熱線。真っすぐと歪みのない直線が正門を破壊。後方からヴァーン・ズィニヒに乗ったブレイクが姿を見せる。

 

「あらよっと!」

 

瓦礫を躱し、そのまま基地内部へと突撃するブレイク。上空からギルヴァが屋上へと降り立つ姿がノーネイムの目に映る。

そして次々とS10地区前線基地の部隊とデビルメイクライのメンバーが到着し、装甲車、バンから戦術人形達が降りてくる。作戦通り行動する。

また二基のヘリからも第五部隊と独立遊撃部隊の一人、処刑人が降り立ち内部と侵入しそれを見届けたノーネイムは作戦通り上空へと飛び上がり滞空しながら待機。

 

S10地区の面々、人権保護団体過激派、第三勢力…。

いつ、何が起きてもおかしくない混迷極める状況にて人権保護団体過激派基地は盛大なパーティー会場と化した。

 

 

先に内部へと乗り込んだギルヴァ。クイーンは背負っておらず、いつもの無銘を手に歩いていた。

道中何か出くわす事はなかったのだが、見つけた人権保護団体過激派メンバーの死体を見て、第三勢力は侮れないと認識していた。

正直惨いとも言える位に死体は原型をとどめていなかったのだ。最早蜂の巣を軽く超え、ミンチと言っても過言ではなかった。

 

「恐らく機銃によるものか…」

 

そう呟いた矢先、ふと彼は足を止めた。

彼が立っている地点から少し離れた位置にまるで宇宙服のものを着こみ、重火器を装備した誰かがいた。それが自分達よりも先にここへと攻撃を仕掛けた第三勢力の一人だと言う事はギルヴァも一目見て気付いている。

鉄血でもない第三勢力。

しかしこんな装備を持つ組織にギルヴァは心当たりがあった。以前からS10地区では妙なロボットが目撃されるという事があった。そしてS11の作戦でもそのロボットは居たと作戦に参加した者から聞いていたからだ。

恐らくこの装備を持つ組織はあそこ位だろうと判断していた。

 

「…面倒なことを運んできたものだ」

 

静かに無銘の鍔に親指を押し当て鯉口を切るギルヴァ。居合の体勢から一気に突撃。その相手との距離を詰める。

相手もギルヴァが動き出した事により重火器を発砲。まるでガトリングガンの如く撃ち出される弾丸の雨をいとも簡単にギルヴァは斬り落としつつ距離を詰める。そんな中、蒼が飛んでくる弾丸を見て呟いた。

 

―マジかよ。マグナム弾かよ。なんてもんをあんなにぶっ放してるんだ?

 

「それは本人に直接聞け」

 

双方との距離が半分を切った時、ギルヴァの姿が青い残像となって消える。

突然消えた事にその者は撃つの止めて周りを見渡した。その瞬間、ギルヴァが目の前に姿を現す。

居合抜刀から斬り上げ、相手が宙へと飛んだ所に間髪入れず無数の幻影刀が展開、雨の様に降り注ぐ。魔力で形成された無数の刀がその者の体へと突き刺さった所にギルヴァが上空に姿を見せ、体を捻った反動を生かしつつ刀身を叩きつける。相手が地面へと叩きつけるとギルヴァも地面へと降下。一気にその場から距離を取り、居合の態勢へと移行。

 

「…ふっ!」

 

神速の抜刀。歪む空間と同時に繰り出される斬撃の嵐。次元斬を連続して放ち、ギルヴァは相手を完全に機能停止へと追い込む。四度放たれた次元斬により相手は完全に機能停止。完全に沈黙した事を確認したギルヴァはそのままそこを後にするのだった。

 

 

一方ブレイクも宇宙スーツを身にまとった謎の敵と戦闘を繰り広げていた。

ギルヴァが相手した敵とは多少違うのか重火器ではなく、光学兵器を装備していた。最初こそはフォルテ&アレグロで遊んでいたのだが、意外と固いのか今はリベリオン…ではなくマギーから譲り受けた魔具を用いて戦っていた

。髑髏とアームが存在する様な何かを肩に身に付け、薔薇を咥えながら相手の攻撃を回避していくブレイク。

 

「まずはぶち込む!」

 

後ろへと跳躍しつつ、赤く光る剣を一気に四本投擲。突き刺さった所にブレイクは相手へと急接近し、まるで踊るかの様に剣を突き刺してゆく。

 

「角度を変えながら。力強くかつ素早く!」

 

数に限りは無いのか。

相手に一切攻撃の隙を与えさせない。

剣を突き刺しつつ、ブレイクは後方へと複数の剣を投げ飛ばす。すると剣を宙で固定されていく。 

 

「からの最後の一撃!」

 

後方へと展開した筈の剣がブレイクの右左に展開され、そのまま敵へと投射。

赤く光る剣が体の至る所に突き刺さり、ハリネズミと化してしまう謎の敵。そしてブレイクは背を向けて手を二回叩く。

 

「素晴らしい一時は過ぎ去りお互いに満足した時、俺はこう言う」

 

その瞬間、突き刺さっていた剣が次々へと爆発していった。

その爆発で謎の敵が宙で暴れているかの様にあちらこちらへと飛んでいく。そんな状況の最中、ブレイクは咥えていた薔薇を敵へと投げ飛ばす。

まるでそれへと合わせたかの様に最後の一本に薔薇が当たる。

 

「君は自由だ」

 

その瞬間、剣が爆発。連鎖した爆発の影響か、最後の一本による爆発で敵が跡形もなく消失する。

その最期を見たブレイクはフッと笑い、そのまま後にしようとする。その時、シーナから通信が入る。

 

『ブレイクさん、流石に無線開いたままだったんだけど…』

 

「おっと、そいつは悪かったな。…でもわざわざ無線をよこすと言う事は分かちまった様だな?」

 

『~~~ッ!!後でグローザに言うからね!!』

 

「おい、そいつは無しだ。流石にそれは不味い」

 

しかしその声は届く事無くシーナから無線を切られるブレイク。

そこにグローザからブレイクへと無線が入る。

 

『ブレイク?この作戦が終わったらお話しましょうか?』

 

「…そんな事を言うって事はお前も分かったんだろう?」

 

『ッ…。しばらくピザとストロベリーサンデーは無しね』

 

「おい、待て。そいつは駄目だ。俺にとっちゃ死活問題だ。おい、ローザ、聞いてんのか?」

 

暫くの間、ブレイクがグローザへと無線で呼びかけようとしたのは言うまでもない。




詳細を頂き、謎の敵に関して出させていただきました。

まだ人権保護団体過激派基地戦は次回へと続くよ!
お次は処刑人かなぁ…
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