Devils front line   作:白黒モンブラン

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―――それは新たな戦力


Act92 complete

S10地区前線基地、第二格納庫…。

そこは基本後方幕僚であり魔工職人であるマギー・ハリスンもといマキャ・ハヴェリの第二の工房兼S11地区の作戦で回収された魔具や大型機動兵器 リヴァイアサン、そしてノーネイムの専用装備「パトローネ」と「ラヴィーネ」の保管している部屋と化している。

室内で最終作業を終えたマギーは額の汗を拭いつつ軽く一息つくと、目の前に鎮座する物を見ながら呟いた。

 

「やっと完成しましたね」

 

白く塗られた装甲に巨大な図体。この機体の脚とも言える大型ブースターユニット。大型ブースターの間に挟み込む形で配置された計12の発射口から垂直ミサイルを放つテールミサイルコンテナ。

搭乗者を挟み込む様にして配置された巨大な二基の主砲。その砲塔側面に配置されたコンテナが二基存在し、両方合わせて四基装備されており、コンテナ同士の間に挟み込む様に配置された大型砲口が配置されている。

そして搭乗者の後方には折り畳み式の大型武装が配置されている。これは搭乗者自ら使う代物なのだが、それがどういったものなのか。これら以外にも武装及び特殊機構が搭載されており、それを知るのは今の所マギーのみと言えよう。

そして漸くと言うべきか。大型機動兵器「リヴァイアサン」が完成したという知らせは瞬く間に基地全体に広まったのは言うまででもないだろう。

 

 

 

「これがリヴァイアサンか…凄いなぁ」

 

リヴァイアサンが完成したという知らせを受け、第二格納庫へと訪れたシーナは鎮座するそれを見てそんな声を上げた。S11地区後方支援基地の作戦にて回収された当時は未完成のままであった。数か月費やして漸くその姿を見せる事が出来たのだ。リヴァイアサンの事はシーナも回収され未完成の状態の時から知っていたが、本当の姿を見て感嘆の声を上げたのは決して可笑しくないだろう。

そして出来たからにはこのまま置物として置く訳には行かない。完成したのであれば、次に行わないとならないのが運用試験である。その為にシーナは時間を割き、非番の人形達、時にはデビルメイクライの面々に手伝ってもらったりなどしてこの基地が稼働した当時からあったカタパルトデッキの整備及び修繕工事を行ってきたのだから。

 

「あれ?」

 

完成したリヴァイアサンを眺めていたシーナであったがある部分を見て疑問の声を上げた。

それはリヴァイアサンの搭乗席に当たる部分なのだが、単座ではなく複座式になっていたのだ。ノーネイムが運用する事を予定されている事をマギーからグリフォンに、そしてグリフォンからシーナへと伝わっている。

故に何故複座式となっているのか疑問に思い、彼女は製作者たるマギーへと問いかける。

 

「どうして複座式に?ノーネイムが運用する事を予定としているなら必要ないんじゃ?」

 

「ああ、その事ですか。いえ、必要ありますよ。寧ろ敢えてそうしたんです」

 

「と、言うと?」

 

小首をかしげ疑問の表情を浮かべるシーナに、マギーはある方向へ指さした。

そこに置いてあったのはノーネイムの第二の専用装備「ラヴィーネ」。しかし以前の人権保護団体過激派基地に運用した時と比べて、背部に配置された新たな武装に大型ウイングバインダーなどが追加されていた。

この姿こそ「ラヴィーネ」の本当の姿なのだが、このラヴィーネとリヴァイアサンの複座式がどのように繋がるのかシーナには予想出来なかった。繋がりが見つからない事によって更に困惑の表情を浮かべるシーナを見てマギーは小さくクスッと笑うとマギーはその疑問に答える。

 

「ラヴィーネとリヴァイアサンの同時運用を思い付きまして。複座式にしたのは途中でラヴィーネを装着したノーネイムさんが離脱した際にもう一人の操縦士にリヴァイアサンを操縦を委ねる為ですよ」

 

「となると…二人での運用が必要という事?」

 

「必ずとは言い切れませんがね。ですが私にはリヴァイアサン単機で戦闘行う事が可能とする高度な戦闘AIを作る技術は持ち合わせていないので。それでこそ、AIというのはこの世界ならではの技術と言えるでしょう。魔界では魔術とかで行使する事がありますから」

 

魔界で伝説の魔工職人と謳われたマギーとてこの世界のAI技術に関しては目を張る物があったがその技術を習得という気はなかった。自身が得意とするのは武器や防具などといったものであり、高度なAIといったものには大して興味を示していなかったというのが大きかったりする。

そこまでのめり込むつもりはなく、飽くまでも自身の出来る範囲内でやっていくのかのがマギーの信条なのだ。

 

「成程ね。取り敢えず完成したのは良かったとして。…運用試験の日を設けないとね。いきなりじゃ向こうにも失礼に当たるからね」

 

「そうですね。それにノーネイムさんにも説明しないといけませんから。運用試験はもう少し先になりそうですね」

 

明日という訳にはいかない。

しかし空という海を支配する悪魔の名を冠する兵器がその姿を晒す日は近いという事は間違いないだろう。

 

 

その頃、ギルヴァは基地内部模擬戦闘訓練場へと訪れていた。

以前彼が処刑人の相手を務めた場所ではなく、今までの戦闘にて会敵した敵を疑似投影する事で敵として出現させる事を可能とする場所であり、戦術人形が良く利用する所でもある。

本来であれば鉄血人形兵や機械兵を大量に出現させ、一人でどこまで倒せるか試そうとしていたのだが、そこに暇を持て余し遊びに来ていたブレイクが訪れた。

ギルヴァがやろうとしている事に気付いたブレイクは彼にある事を持ちかける。

 

「一人で寂しくやる事はねぇだろ。どうだ?どっちが多く倒せるか競争してみようぜ」

 

「下らん。わざわざ競う必要がどこにある」

 

最初こそはその必要性を全く感じられず本来の目的を成そうとするギルヴァであったが、ブレイクのある台詞がきっかけに気が変わる事になる。

 

「何だよ、負けるのが怖いのか?」

 

たったそれだけの台詞だった。

しかしギルヴァを焚きつかせるには十分すぎる程であった。

 

「…良いだろう。お前の下らん遊びに付き合ってやる」

 

意外と知られてない事であるがギルヴァという男は負けず嫌いな一面がある。

ましてやそんな挑発…相手がブレイクに限るのだが乗ってしまうのだ。

ギルヴァが挑発に乗った事により、競争が始まるのだが…。

 

「俺が多く倒したみたいだな?そろそろ負けを認めたらどうだよ、ギルヴァ」

 

「ふざけるな。俺の方が一体多く倒したぞ。負けを認めるのはお前の方だ、ブレイク」

 

一度も休む事せず競争し続けて三時間。

全試合、両者同点で終わっており両者勝つまで引く気がないのか延長戦が何度も繰り広げられていた。

気付かぬ内にギャラリーも一人、また一人と増えておりその中には404小隊の面々や代理人、グローザにノーネイム、フードゥル、グリフォン、非番であった者達、またここに身を置いているAR小隊の三人までも混ざっていた。

処刑人もその中に混ざっていたのだが、彼ら二人の技術を盗めるチャンスを逃した事を悔しがっており隣に立っていた95式の肩に乗っていたニャン丸がその小さな足で処刑人の肩をポンと置いた所を一部が見ていたのだがそれに処刑人が気付く事はなかった。

そしてこの後も延長戦が続けられたのだが、結局は勝負はつかずに終わってしまったのは言うまででもないだろう。




はい。という訳で大型機動兵器「リヴァイアサン」の完成です。
次回は運用試験に乗り出すかな…?(未定)
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