Devils front line   作:白黒モンブラン

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―――その想いに今答えよう


Act112 When returning the answer

「なるほど…」

 

店に戻った後、M4がM16を連れて店を出ていった後にこの状況になった経緯を45から聞いたギルヴァは納得しながらも小さくため息を吐いた。

まさかこの状況の発端が机に突っ伏し酔いつぶれている416にあるとは思わなかったからだ。

聞けばM4達はギルヴァに用があって店に訪れた。彼が出かけていると聞かされるとM4は一旦出直すつもりであったがM16が帰ってくるまでここにいると口にした。それを耳にした416が「帰って」と嫌悪感をむき出しにしてそう口にしたとか。

そんな命令権はないだろう?と反論しつつもM16は、どこから持ち出したのか愛飲しているウイスキーボトルを取り出しある案を提案した。

これなら確実に416に勝てる自信がある、とある提案を。

飲み比べで自分に勝てたなら帰ってやると言い出したのだ。

416は極端なまでに酒に対する耐性が低い。一杯飲んだだけで顔を真っ赤にし、べろんべろんになる程だ。

勝てる見込みなど無いのだが、あろう事か彼女はその挑戦を受けて立ち、ものの見事に一杯目でダウン。その数十分後にギルヴァと代理人が戻ってきてこの有り様という訳である。

 

「それでこの状況か。店主が居ない時に好き勝手やってくれたものだ」

 

「ごめんなさい…少し席を外して戻ってきた時にはもう…」

 

この状況になった事に罪悪感を抱いているのか、少し顔を俯かせながらもギルヴァへと謝罪する45。

ここは彼の店であり、身を置かせて貰っているのもギルヴァのおかげだ。それなのに仲間の一人が安っぽい挑発に乗って、このような状況を作り出してしまった。416にも非はあるが、それと止められなかった45にも非があった。

自責の念からどうしたら許してくれるのだろうか、何とかして彼に許しを得られる方法を、愛想つかれない方法を模索する45。幾度もなく模索を繰り返す中で次第に瞳は濁り始め胸の内ではこんな思いが宿っていた。

 

(捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!捨てられたくない!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!ステラレタクナイ!)

 

まるで壊れたレコードプレーヤーみたいに同じ言葉を胸の中で繰り返していた。

得られた安息。得られた帰るべき場所。

得られなかった物が今ここにある。ここに来る前の暮らしに戻りたくもない。何よりもこんな自分を愛してくれているギルヴァに捨てられたくないという思いが大きかった。

方法を模索し続けるが中々良い案が思い付かない。このままでは捨てられると思ったのだろう。45はギルヴァの腕へとしがみついた。

 

「45?」

 

ギルヴァが名を呼ぶも45は反応しない。

体を震わせ、うわ言の様に小さい声で「ごめんなさい」を繰り返していた。

その姿を見てギルヴァはそっと彼女の頭へと手を置き撫でる。

怒る気などない。なってしまった以上は仕方なく責め立てるつもりもない。彼女を安心させようと気にするなと伝えるもそれでも45はギルヴァの腕を離そうとはしなかった。

どうしたものかと思い悩んだギルヴァであったが自身が怒っていない事を言葉にして伝える事にした。

 

「そう気に病む必要もあるまい。この程度で俺がお前たちを店から追い出すことなどせん」

 

「…本当に?嘘じゃないよね…?」

 

「嘘を言う理由がどこにある」

 

それを聞き安心したのか濁っていた45の瞳に光が宿る。

何時ものの様に笑みを浮かべ、愛情表現か彼の腕に強く抱きつき自身の体をわざと当てた。

もう離さないという気持ちを45がぶつけている中、ふと空いている左腕にも誰かがしがみついたのを感じ取りそちらへと顔を動かした。

 

「私の方も見てよ…」

 

そこに居たのは何時の間に起き上がったのか顔を真っ赤にしながらも甘えてくる416の姿。

体つきは416は良い方だ。故に彼の腕には彼女の胸がダイレクトに当たっていた。

そこにグリフォンが面白半分にギルヴァへと茶々を入れた。

 

「おうおう。随分大胆な事やってんなぁ。おまけにデケェ何かが思いっ切り当たってんぜ。こりゃ45のネェちゃんのむ…」

 

「グ~リ~フォ~ン♪ 調理の時間よ♪」

 

完全に復帰し、グリフォンが言おうとしていた事を察し45が満面な笑みを浮かべ、何処から持ち出したのか包丁を片手に迫り寄る。

やばいと感じ逃げ出そうと翼を羽ばたかせするグリフォン。だが逃げ出す前に45が素早く腕を伸ばしてグリフォンの首を掴んだ。

顔は笑っているが見開かれた目は完全に笑っていない。こればかりはグリフォンは生命の危機を感じられずにはいられず45の調理される前に説得を試みた。

 

「ちょい!ちょい!ネェちゃん、マジで?マジで料理する気?おれなんか食っても美味しくねぇぞ?そんなもんポイして落ち着こうぜ?な?な?」

 

「どんな風が良い?フライドチキン?それともローストチキン?好きなの選んで良いわよ♪」

 

「ガチじゃんか!?ちょちょっ!!タンマ!タンマ!うおッ!?あぶねッ!!ギルヴァ、嫁さん止めてくれッ!」

 

助けを乞う声を耳にしながらもギルヴァはそれを敢えて無視。

反省するんだなと伝え、416をどうしようと思いそちらへと向いた矢先彼は目を見開いた。先程まで腕に抱きついていた416の姿がそこになく、いつの間にか彼女はギルヴァの部屋の中へ入っており彼のベットの上で静かな寝息を立てて気持ちよく眠っていた。

416に寝床を奪われたのを見て再度小さいため息をつくギルヴァ。その隣では苦笑いを浮かべる9が立っており既に眠っているG11を背負っている姿を見れば、今から自室に戻る事が伺える。

 

「あはは…これはあのままにしておく方が良さそうだね」

 

「そうだな…」

 

あれだけ気持ちよく寝られては起こすのも忍びないというもの。

9に言われた通りギルヴァは416をそのままにしておく事にした。今日はソファーで寝るかと決めつつも自室へと戻っていく9達を見送る。

その他の面々も自室へと戻っていき、ギルヴァは一人残して店内は静まり返った。彼も自室へと戻り室内に置いてあるソファーへと向かって行こうした時であった。

突如として後ろから腕を引かれ、そのまま彼は何者かによってベットへと押し倒された。

視界に映るは酔いが抜けきっておらず顔を赤くした416の顔。両手はギルヴァの顔の横へと置かれており、どこか息を荒くしている。

 

「…イイコトしましょ…?」

 

この流れは以前にもあったなとギルヴァは思った。

この後どうなるか分かっている。何とかして阻止しなければ思った時、自室の扉が開いた。

室内に入ってきた者達を見てギルヴァは固まった。

そこに居たのは自室に戻った筈の45、代理人、95式だったからだ。何故彼女達が入ってきたのか意味が分からず混乱するギルヴァの中で蒼はゲラゲラと笑い始めた。

 

―アッハッハッハッ!!!こりゃとんでもねぇパーティーになりそうだな!!よそ者は退散だぜ!

 

(蒼、待て!)

 

その声が届く事は無く、蒼はギルヴァの中から抜け出す。

部屋を出る前の方へと振り向き、楽しめよ~と伝えると蒼は部屋を出ていった。

完全に追い込まれた中、ギルヴァは彼女達へと問いかけた。

 

「自室に戻った筈ではなかったのか…?」

 

どんな返答が返ってくるか分からない。

それどころか浮気現場を目撃された男のような気分にもなっている中、その問いに彼女達は答える。身に纏っている服を一枚ずつ脱ぎながら。

 

「最近ご無沙汰だったから…イイヨネ?」

 

「結婚したというのに積極的になってくれませんでしたから。ああ、ご安心ください。私がしっかりと気持ちよくさせてあげますので」

 

45と代理人の言い分にはある一定の理解を得たギルヴァであったが、95式までとは思ってなかった。

どうしてだと問う前に95式は顔を紅潮させながらも口を開く。

 

「この気持ちを貴方に知ってほしくて…。だからこうするしかなくて…!」

 

それ以上ギルヴァは何も言わなかった。

ただ娘たるノーネイムには母親が増えた事が増えた事を伝えなけらばならないと思った。

お互いに一糸纏わぬになった瞬間、部屋の明かりが消え、彼と彼女達は交わった。

元々この建物は防音工事が成されていた事が功を奏したのか、彼の部屋からベットが軋む音に混じって艶めいた声を押し殺し、嬌声が響いた事に気付く者はいなかった。

翌日、彼のベットで気持ちよく眠る416と95式がその首に誓約の証たるアミュレットハーツが下げられていた事に気付いたのは目覚めてすぐの事であった。




まぁそういう事さ。
だいぶ前にフラグ立ててるんだからこれ以上後回しにする訳には行かんからね。
喜べ、ノーネイム。母親が増えたぞ。
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