Devils front line   作:白黒モンブラン

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ドールズフロントラインやりながらDMCやっていると何だか思い付いてしまったので投稿。
内容、文章ともよろしくないのでどうかご容赦を…


第一章 黒コートの悪魔
Act0 この世に■■は存在するらしい


 

 

 

 

きっかけはふと聞こえた声からだった。

その者に命を救われて…その身におとぎ話でしか聞かない■■の血を流す事になったのは。

 

 

 

 

荒れ果てた大地、見る影もない建物、広大な汚染区域。

自然豊かな地球という姿はもうそこにはない。あるのは荒廃した地球という姿のみ。

そもそも何故こうなってしまったのか?自分が知る限りで2045年に勃発した第三次世界大戦が主な原因だ。

核兵器が大量に用いられ、あちこちに災厄を振り撒いた。のちにそれが国家を衰退させる程のものとは知らずに。

2051年、第三次世界大戦は終結。しかし戦時中の大量に用いられた核兵器が原因で全世界に汚染が拡大、同時に国家の衰退。そしてしまいには民間軍事会社による都市運営の委託が行われる始末。

第三次世界大戦の影響によって人類はその数を減らしたが、自立人形が用いられるようになり少しずつではあるが世界は復興をしていた。

そんな時ある事件が発生した…と言うかしたらしい。あまり詳しくは知らないが自立人形を製造する企業「鉄血工廠」にて何か起きた模様。そして鉄血工廠製の人形が暴走、そして人類抹殺に動き出したというのだ。

そして今現在…鉄血とG&K社に属する自立人形ならぬ戦術人形との戦いが日常茶飯事と化していた。

 

 

 

某所 荒廃した跡地にて。

何もかもが廃墟と化した街。今やその活気はなく、もはや街全体は死んでいた。

そんな中を全身をローブで纏い、足を進める人物が一人。顔は隠されており男なのか女なのさえも分からない。

その時だった。ふとローブ姿の人物は静かに足を止めた。そしてそっとある物を取り出した。

それはある国では有名な武器。金色の鍔に黒く染まった鞘、引き抜かれ晒すは片刃の刀身。

名は「日本刀」。この時代において存在するのも怪しいとすら言われる希少な武器である。

希少な武器を手にしているローブ姿の人物は腰を下ろして構え、そっと柄に手を添える。

 

「っ!」

 

人間では、まして戦術人形ですら追う事は叶わないだろう神速の抜刀。

その者から中心に円を描く様に空を斬る一閃。そして刀を鞘に納めた瞬間…何かが崩れる音が響いた。

居たのはバイザーに銃器を手にした鉄血の戦術人形達。だが動く事はない。

それもその筈。…倒れている鉄血の人形全員が上半身と下半身が分かれているのだから。

だが問題はそこでない。ローブの者が行った斬撃は円を描く様に空を斬った筈なのだ。

にも関わらず…その者から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そんな芸当等普通の人間には出来る筈もない、ましてや人形でも。

もしそんな事が出来るとするのであれば…神か、あるいは…■■か。

どちらにせよ…ローブ姿の人物は人間ではないだろう…。

 

「ふぅ…」

 

その者は構えを解くと一つ息を吐く。

周囲を見渡して敵がいない事を確認するとそのまま歩き去っていく。

残ったのは静寂と無数の人形の残骸のみとなるのだった。

 

 

また鉄血の人形部隊と遭遇した。

これで何度目だろうか。行く先々で遭遇している気がしてならない。

流石にどこかで休みたいがこれでは休めるものも休めない…。

 

「はぁ…」

 

―珍しくため息が出たな?ギルヴァ。まぁ無理もないが…

 

脳に直接語りかけてくる男の声。彼は■■。といってもそれは名前ではない…種族といった方がいいだろう。

もっとも彼に名前は存在しないらしい。昔は名前があったらしいが、忘れてしまったとか。

本人曰く…肉体が滅んだ今、自分に名前なんて無いに等しいとの事。

只…これから共にしていく仲なので名前が無いのは不便なので、勝手にこう呼んでいる。

 

「流石に喧嘩売り過ぎたかも知れんな…蒼」

 

蒼…それが彼の名前。勝手に呼んでいる訳だが本人もそれで反応してくれているのでそう呼んでいる。

 

―かもな。次からは穏便に済ます方がよさそうだ。最も手遅れかも知れんが…。

 

「そんな気がしてならん」

 

力を経て、修行がてら遭遇した鉄血の人形部隊は全部斬り伏せてきた訳だが…。

まさかそれが裏目に出たとはな…。まぁグリフィンの戦術人形部隊と対立してない分まだマシかも知れんが。

さて…先程の街からかなり離れてきたな。ここからどうしたものか…ん?

 

―どうした?

 

「いや…あの建物…」

 

指差す先にあるのは古びた研究所らしき建物。今まで何度かそういう建物は見かけてきたが、ここまで原型が残っている建物は珍しい。

 

―原型が残っているとはな…。今夜はあそこで一夜を過ごす方がいいかも知れんな。

 

追手が来る前にな、と付け加えてくる蒼。

その意見に対して頷くと研究所へと足を進める。そもそも何でこんなにも研究所を見かけるのか。だからといって気にしていてはキリがないのも事実。

暫く歩き、研究所前に到達。瓦礫で出入口は塞がれていたが強引にどかして中へと入る。

当然ながら内部は暗闇で染まっている。灯りが無くては危険だが気にせず足を踏み入れる。

灯りが無くても見えるのだ。この「体」になってからは。

 

―ふぅむ…。これは…兵器工場か?

 

「かもな。見る限りではそんな気はするが…」

 

蒼が言う通り、ここは兵器工場らしいが…どうやら人形を製造する様な場所ではないと見た。

どちらかと言う銃器などを製造する工場に見える。もしかすれば面白いものが見つかるかもしれないな。

最近はこういった場所は見掛ける事がなかった。思う存分楽しませてもらうとしよう。

 

―ほどほどにな?

 

善処する。

 

 

…とは言ったものの。善処なんて出来る筈がなかった。

ここに廃棄されていた銃器の殆どはイかれた技術者が浪漫と盛大にぶち込んだものばかりなのだ。

ゲテモノ、怪物、産廃…それらを派手に活かした兵器が出てくるわ出てくるわ。

是非とも実戦で使用してみたいと思ったが、ある問題が浮上した。

それは……サイズが大きすぎる事。

基本自分が扱う武器は…まぁこの刀一つしかないのだが…ローブを纏っている時に隠せる物を使っている。それは第三者から警戒される事を避ける事と同時に不意打ちを行えるという意味を含めており、ローブ姿でも見えてしまう武器はそういった意味を失ってしまうからだ。

非常に残念で仕方ないのだが手放すしかなかった。

 

―言ったろう?基本この手の武器は扱い易さ、戦術的要素なんて含めてないんだよ。

 

「しかしこのまま何も無しというのもな」

 

―まぁ…気持ちは分からんでもないさ。折角見つけたんだからな、記念に一つくらいは欲しいものだ。

 

「だな。…ん?」

 

捨てられた兵器群から離れた場所に淡い光を放つガラスケースがあった。

ここに電力は通っていないと思っていたのだが、何故かそれだけ光を灯している。近づき中を見てみると一丁の拳銃…それも魔改造が施されているであろうリボルバーの姿があった。

 

「成程な。こいつだけ独自に保持していたのか…」

 

誰がやったのか知らないが、これだけに灯りが灯させたまま放置している等まるで見つけてくださいと言わんばかりの様だ。当然ながらその誘いは喜んで受けさせてもらうとしよう。

何やらパスワードの様な物が敷かれていた為強引にガラスを叩き割り、今の今まで眠っていたその銃を手に取る。

人間からすれば普通のリボルバーと比べて重量は凄いだろうが自分からすれば軽いと言っていい。

にしてもこのリボルバー…シリンダーに装填されている弾が普通のとは全く違う。拳銃に使う様な弾には全くもって見えない。

 

―リボルバーをここまで魔改造するとはなぁ…ここにいた連中ってぶっ飛んでるな。

 

「だがいいものを見つけることが出来た。寧ろ感謝の意を述べたいくらいだ」

 

―反動がすごそうだな、このリボルバー…

 

「俺達には関係ない事だろう」

 

―そうだな。

 

リボルバーを空けていたホルスターに納めると、その場から後にする。兵器あさりをずっとしていたせいか時間は既に夜に差し掛かっていた。鉄血の人形部隊の追手が来る様子がない事を確認すると一夜を過ごす事にした。

 

 

「さて…明日からはどうするものか」

 

廃工場の休憩室兼仮眠室にて、淡い光を放つランプを傍に置いてベットに寝転がりながら呟く。ずっと放浪していたせいもあり、最近は腰を落ち着けたい場所が欲しいと思いつつあった。いっそグリフィンに転がり込んで、就職でもしようかと考えた時期もあった。だがいきなり雇って下さいなんて言える筈もない。加えて鉄血の人形部隊相手に派手に暴れ過ぎた事もあって、グリフィンの人形部隊を見掛ける事も多くなり完全に機会を逃してしまった。

 

―雇われにでも鞍替えしたらどうだ?

 

「疫病神憑き…いや、■■憑きの傭兵なんて誰が雇う?」

 

―余程の物好きか頭の空っぽな奴ぐらいだろうな。

 

「…」

 

―どちらにせよ。俺達には時間はある。ゆっくり考えたらいいさ。

 

「そうだな…。そうするとしよう」

 

ランプの灯りを消して、眠りに入る。

さて明日はどうなるか…。




世界観が難しい…
もっと情報をあつめなきゃ…

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