Devils front line   作:白黒モンブラン

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─パーティー会場設営と招待状送付─

─それはこの基地の得意分野─


Act155 Venue setup

S10地区前線基地は非常に慌ただしかった。

404小隊が持ち帰った情報に悪魔が関わっているという事がシーナを介して全体へと通達され、非戦闘員及び作戦に参加しない者達は戦場へ赴く者達の準備の負担を少しでも軽減させようと内部の通路や廊下では都会の横断歩道の様に人が慌ただしく行き交い、部屋を何度も出入りする光景が広がっていた。

そして本格的に作戦に参加する面々は大人数になってしまった為、何時もの様に第一会議室に集結するのではなく、第一会議室よりも広い第零会議室に集結していた。

そこにはギルヴァ、ブレイク、ルージュと言ったデビルハンターらに加え、404小隊、AR小隊、独立遊撃部隊 ブラウ・ローゼ、作戦に参加する各部隊のメンバー、そして指揮官たるシーナ。

また今回に限ってはかなり大掛かりな作戦になる事もあって、通信越しであるがへリアンも作戦会議に参加している。

各々がブリーフィングの時間になるまで待機する中、壇上に端末を手にしたシーナが立つ。

その瞬間室内は一気に静まり返り、皆の前に立つ彼女へと視線が向けられる。

 

「さて…今回も悪魔が悪さしてるから皆に集まって貰った訳だけど…」

 

集まった面々を見渡すシーナ。

S10地区前線基地に属する高い練度を持つ各部隊に加え、AR小隊、404小隊、ブラウ・ローゼ、デビルハンター達がここに居る。

毎度の事ながらと思っていた事を彼女は口にした。

 

「…パーティー会場を木端微塵にするどころか、更地に変える気?」

 

そのセリフに何度か悪魔が関わる作戦に参加してきたメンバーの一部はつい苦笑いを浮かべる。

無理もない反応であった。

これほどまでの戦力を投入しようと考えているのは此処ぐらいだ。

おまけにほとんどが実力派ぞろいであり、一部が装備している武器の火力も桁違い。

本気出してしまえば、更地に変えることぐらいは難なくやってのけてしまうだろう。

逆を言えば、悪魔を相手にするのであればそれが過剰と言われようが必ず倒さなくてはならないという事にもなるのだが。

空気も少し和んだ所で、シーナの表情は真剣な面持ちへと切り替わる。

 

「さて始めようか。へリアントス上級代行官、こちらの声は聞こえてますか?」

 

『問題ない。いつでも始めてくれ』

 

「分かりました」

 

端末からスクリーンに映し出される情報の数々。

それら全ては404小隊、ダレン、ジンバックは集めたもの。全員の視線がスクリーンに向けられる。

 

「今回の目標は大手企業「モンゴリー・エレクトロニクス」の女社長 グレイス・モンゴリーが密かに運営している違法カジノの制圧及び地下で囚われている人質の救出、そして…人間の皮を被った悪魔 グレイス・モンゴリーの始末です」

 

大手企業の女社長を始末という台詞に対し室内がどよめく事はなかった。

悪魔が関わっているという事を事前に聞いていたのもあるが。

S10地区前線基地が大きな作戦をやる時は大抵の確率で悪魔が関わっているという事もあって、最早慣れたという面が大きかった。

 

「パーティーの開催場所はS09地区とS08地区に境界線上にある大きな町。ここはグレイス・モンゴリーが運営している違法カジノ中で一番大きい違法カジノが存在します。そしてここが…」

 

「パーティー会場になるってか?」

 

壁に背を預けながらシーナへと問うネロ。

その問いに対しシーナは頷く。

 

「そして今回はカジノ制圧組と地下制圧組に分かれ行動。カジノ制圧組がルージュ、AR小隊、404小隊、第一から第五部隊、そして地下制圧組はブラウ・ローゼ、予備メンバーであるシリエジオ、ネージュも地下制圧組に加わってもらいます」

 

「ちょっと待って下さい、指揮官。ギルヴァさんとブレイクさんはどうなるのですか?」

 

ここに二人は居る。

彼らの力は必要になる筈にも関わらずシーナの説明にはギルヴァとブレイクの名は上がっていなかった。

その事に一番に気付いたM4がシーナへと問う。

M4の問いにシーナが答えようとした時、椅子に凭れ机に足を投げ出していたブレイクが口を開く。

 

「俺らは本社側さ。そうだよな?シーナ」

 

「はい。お二人にはグレイス・モンゴリーの始末をお願いします。例え命乞いをしようが確実に仕留めて下さい。何も関係のない人達を、人形達を金稼ぎの道具にしている女に情けなど不要です。……これで良いかな、M4」

 

カジノ側に二人が居ない事に対する説明を受け、M4は納得したと言わんばかりに頷く。

よし、と一つ前置きを口にするとシーナは端末を操作し、次の画面を見せる。

 

「作戦の流れは単純明快。先にブラウ・ローゼが地下に突撃し攻撃開始。地下での騒ぎがバレたら全部隊突撃し制圧。但し悪魔が出てきた場合はカジノではルージュ、地下ではネロがそれらを優先的に対処。またスロットマシンに何らかの仕掛け、多くの障害があると思われます。なのでそれらが出てきた場合は徹底的破壊してください」

 

「徹底的に破壊とはな。本当に更地にする気か?シーナ」

 

「物騒なものを仕込んでたら取り敢えず破壊する。当たり前の事だと思うけど?ヘルメス」

 

「クククッ…確かにな。地下での楽しみがなくなれば私達も上がるが構わないな?」

 

「良いよ。そこは各自の判断に任せるから」

 

そんな二人のやり取りを通信越しで聞きながらへリアンは思った。

本当に鉄血のハイエンドモデルが味方としているのだと。

シリエジオ(代理人)ネロ(処刑人)という前例があるにしても、これほどまでの鉄血のハイエンドモデルがこの基地にいるとは報告を受けた彼女としても俄かに信じ難い事であった。

だがこの場に居る鉄血のハイエンドモデルたちを見て現実だと認める他なかった。

そんな事を思っているとは知らずにシーナは彼女へと話しかける。

 

「へリアントス上級代行官、一つお願いしたい事があるのですがよろしいでしょうか?」

 

『聞こう』

 

「今回のターゲットであるグレイス・モンゴリーですが、こことは別に多くの違法カジノを運営している事、また人形排除派の傭兵を雇いカジノの警備をやらせている事がこちらの調査で発覚しております。こちらから発信する事にはなりますが、他の基地への協力申請を出してもよろしいでしょうか?」

 

『構わん。それらも潰しておかなくては今後の憂いになるのは明白。ただし協力申請を出すに当たっては情報に抜けが無いようにしろ』

 

「分かりました」

 

『うむ。…それとシーナ指揮官、貴官に伝えておかなくてはならん事がある』

 

「何でしょうか?」

 

『先程の作戦内容…貴官の指導役が聞いていたぞ』

 

「!?」

 

へリアンの口から言われたそれにシーナは固まった。

彼女の反応に首を傾げる一同。

だがシーナには分かっていた。へリアンから言われた指導官が誰の事を指すのか。

通称「ニシキヘビ」と呼ばれるその者はグリフィン内部では指揮顧問を務めており、当時人手不足だった事もあってか新人であったシーナを指導した経歴を持つ。

そんな人物がへリアンの傍で聞いていたとなれば、シーナにとっては固まるのは当然と言えた。

 

「い、今…隣に居るのですか?」

 

『いや、先程部屋を出ていった。だが伝言を頼まれている』

 

「な、何と…?」

 

『明日そちらの基地に向かう。暫く狩りをしていないので楽しませて貰うぞ、との事だ』

 

へリアンを通して指導役からの伝言にシーナは手を額に当てながら天を仰いだ。

もう何も言わない。なる様になれと若干自棄になりかけていた。

自分だけにしか分からない事に、この場にいる全員がどうしたらいいのかと困惑している様子に気付くとシーナは一つ咳払いをして、逸れていた話の軌道を元に戻した。

 

「ごめん、話が逸れたね。作戦開始日は明後日の夜間に実行。参加する面々は準備及び休養を怠らない事。ブラウ・ローゼの皆は作戦会議が終了した後、第二格納庫に集合。そこでマギーさんから各々武器、装備の受領。そして移動拠点型戦闘車両【ヨルムンガンド】の説明を受けた後、作戦当日までに慣らしておく事」

 

「で?作戦名は?それがなかったら、始まらないでしょ?」

 

「ふふっ…確かにFALの言う通りかな。そうだね…名前はどうしたものかな」

 

今回の舞台はカジノ。

シーナが一番に思い付いたのはスロットマシン。

横一列に並ぶは全て7。そこで思い付いたのか彼女は告げる。

 

「作戦名は「777」。どちらにとっての大当たりか、賭けてみましょうか」




という訳で、こちらが一番大きい違法カジノと本社をぶっ潰すので…。
こっちから招待状を。
ドンパチしたくてうずうずしてぇんだという方の為にその他の違法カジノ制圧募集を致します。
細かい詳細に関しては…
こちらの活動報告「Devils front line 協力要請 違法カジノ制圧」にてご連絡いたします。
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