Devils front line   作:白黒モンブラン

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─少しばかり見せ場を貰おう─


Act183-Extra Ironblood May Cry ⅩⅣ

ランページゴースト及びギルヴァ、ブレイク、ルージュらと光学剣を持った敵との戦いは熾烈を極めたもののイグナイトトリガーを引いたアナが止めを刺した事により、リーダーユニットは撃破された。

それと同時にブレイク、ルージュのデビルトリガーに限界が訪れ、ブレイクは人間の姿へ戻り、ルージュは体の各所から放出していた炎とコキュートスが展開していた冷気が収まっていった。

二人の魔人化が解かれた事が影響しているかは兎も角、アナのイグナイトトリガーも解かれていた。

 

(…限界が近いか)

 

二人の魔人化、アナのイグナイトトリガーが解除されていく一方で未だに魔人化の状態でいたギルヴァだが、彼もまたこの状態に限界がすぐそこまで訪れている事を感じ取っていた。

後はランページゴーストと共に撤退すべきなのだろうが、敵はそう簡単に見逃してはくれなかった。

どこに身を潜ませていたのか、現れたのは先程の光学剣を持った敵とは違い、大型銃剣槍と大楯を持ったフード付きマントの敵。その数は15体と数で攻め入ってきていた。

先程のアナが放った一撃…それが彼らを呼び寄せる形になったのかは分からない。だがこの状況での新たな敵の登場は嬉しくない話だった。

 

「ちぃっ!!終わったと思ったらぞろぞろと群がってきやがって!」

 

「やれやれ飽きさせねぇな…!」

 

険しい顔を浮かべるノアに対してブレイクはリベリオンを肩に担ぎながら笑みを浮かべるも、その笑みは少しばかり苦しそうにも見える。

絶望の更なる絶望。ブレイクやルージュは何とか戦えるかしれない。

先程の戦闘もあって消耗が激しく、またRFBが負傷している事もある。自分を含めた三人でランページゴーストの面々をカバーできるかどうかと言われたらギルヴァでもその自信はなかった。

乱戦になる前にかつ一瞬で殲滅する必要があるのは明白。

 

「…下がっていろ」

 

そしてその手段が有しているギルヴァは、ランページゴーストの三人とブレイク、ルージュにそう伝え一歩前へ出ると自身の中で存在しているもう一人へと声をかける。

 

(蒼、行けるか?)

 

―お、やっと出番か?

 

待ちくたびれたと言わんばかりの雰囲気を醸し出す蒼であったが、今のギルヴァの状態を分からない訳ではなかった。

 

―いつでも行けるが、状況が状況で、同時にお前の消耗も激しい。展開するにしても15秒が限界だ。

 

(十分だ。やれるな?)

 

―ああ…!少しばかり遊ばせてもらうさ!

 

彼の承諾は得られた。

それを理解した時、ギルヴァは行動を起こす。

 

「…!」

 

意識を集中させ、無銘の魔力を用いて、自身の隣に魔人化した状態のギルヴァと同じ姿をしたもう一人…【ドッペルゲンガー】を出現させる。

 

―遠隔操作で悪いが相手してもらおうか。拒否権なんて無いからなぁ!

 

蒼がそう叫ぶもその声はギルヴァだけにしか聞こえていない。

そして蒼が操作するドッペルゲンガーは出現して早々にまるで意思を有しているかの様に勝手に動き出し、敵の群れへと突撃。疾走居合や螺旋天翔を繰り出すどころか分身でありながらエアトリックを駆使し、極めつけは次元斬を連続で放っていた。

 

「すげぇ…分身まで作れるのかよ」

 

「…まだ手を残していたというのですか」

 

「うわぁ…分身の筈なのに、あいつらを圧倒しているよ…」

 

ランページゴーストの三人が広がる光景に対して各々感想を口にする。

このまま行けば何とかなるかと思われたが、15秒という僅かな時間は実に呆気ないもの。

制限時間が訪れ、ドッペルゲンガーは消失していき、ギルヴァの中で蒼が叫ぶ。

 

―わりぃ!ここまでだ!

 

(上出来だ)

 

全部とは言えずとも四体程は攻撃に耐えられず、自壊し砂へと化している。

残り11体を一人で相手にしなくてはならない。だがギルヴァには諦めるという考えはない。

無銘を構えようとした時、彼の両隣に誰かが並び立つ。

 

「見せ場が欲しくなったんでな。別に構わねぇだろ?安心しな、そこで三人は休憩中だ」

 

左隣にリベリオンを肩に担ぐブレイク。

 

「私も見せ場が欲しかったんで。手早くこいつらを片付けましょう」

 

右隣に連結した状態の大型ライフルを持ったルージュ。

鴉刃は鞘に納められ、腰に提げており、その代わりに愛用の大鎌を左手に持っていた。

二人共魔力の消費が激しい為、再び魔人化する程の魔力は残っていない。だが戦闘を行う事は出来る。

彼女達が奮戦し見せてくれたのだ。ならば自分達も少し見せなくてはならない。

 

「スタイリッシュに決めるぜ!ルージュ、ギルヴァ、合わせな!」

 

「はい!」

 

ブレイクがエアトリックで瞬間移動し、ルージュもコキュートスを起動させると冷気を纏い、姿を消す。二人が姿を消した事を受けギルヴァもエアトリックでその場から姿を消した。

三人が同時に姿を消した事から敵集団は素早く背中合わせになろうとした。

 

「こっちだぜ?」

 

「!」

 

だがブレイクが姿を現した為、敵達は振り向きざまに獲物を薙ぎ払う。

そしてそれを狙っていたかの様にブレイクはコートの懐から水平二連装ショットガンを取り出すとヌンチャクの様に振り回しながら散弾を乱射。放たれた散弾が敵の獲物を弾き飛ばし相手の態勢を崩すと再びエアトリックを用いてその場から離脱した直後、肌を刺す様な冷気が辺りを漂い、次の瞬間、敵の下半身が凍り付くと禍々しくとも鮮やかに輝く何かが飛来。器用に盾を握っていた手だけを次々と斬り落としていくと氷漬けにされ動けずにいる敵群の前に青い悪魔が姿を現した。

青い魔力が大きく広がり、その中心で彼は居合の構えを取っており、ゆっくりと無銘の柄へと手を伸ばしていた。

右手が柄を掴み、鯉口を切ったと同時にギルヴァは静かに告げる。

 

「死の覚悟は出来たか?」

 

刹那瞬きをする暇すら与えない速さで無数の斬撃が奔った。

景色がずれ落ちたのでは思ってしまう程の錯覚が見る者を襲い、空間が白黒へと染まり静けさが包みこむ。その中から魔人化を解いたギルヴァが姿を現し、片膝を着いた状態で刀身を鞘へとゆっくりと納めていた。

このまま納刀すれば敵は消滅するのだが、それを許さんとばかりにまるで時が止められたかの様に動かない敵の集団に対し時間を緩やかにする力場を展開された。

 

「とどめは任せますね」

 

「ああ、きっちり決めてやるさ」

 

コキュートスを解除し地上に降り立ったルージュがブレイクにそう伝えると、彼女は周囲の警戒しながらランページゴーストの三人の傍に立つ。

とどめを任されたブレイクは態勢を解き力場を見つめるギルヴァの隣に並び立つと特殊な力場へと向かってフォルテを構えギルヴァへと話しかける。

 

「あの基地以来か?こうやって一緒に止めを刺すのは」

 

「…そんな記憶はないな」

 

「良く言うぜ。お前だってノリノリだったろ。決め台詞も言ってたしな」

 

決め台詞。

その言葉を聞くとギルヴァは小さく笑みを浮かべた。

そして愛銃であるレーゾンデートルをホルスターから引き抜くとブレイクと同じ様に力場へと向けた。

何もしなくても力場は勝手に消失するだろう。だが消失するのを二人はジッと待つ気などない。

 

「…たまにはお前の遊びにも付き合ってやろう」

 

「なら外すなよ?」

 

「俺が外すとでも?」

 

それを合図に二人は動き出す。

お互いに背中合わせになり、二丁の銃が重なる。

存在意義は強く奏でるそれと共に獲物へと狙い定める。

そして引き金に指に掛けられた時、二人は決め台詞を口にする。

 

「「ジャックポット!」」

 

二丁の銃が咆える。

銃口から吐き出された弾丸が真っすぐと、力場へと向かっていき着弾。

展開されていた力場に罅が入り、その亀裂は段々と大きくなっていき。そして最後は硝子が割れる音と共に中に居た敵もろとも消失していった。

銃を下ろし、ホルスターへと納めるとギルヴァはランページゴーストの方へと歩いていき、ブレイクもフォルテを収め、その後に続くのであった。

 

別行動する理由はない為、このままギルヴァらはランページゴーストと行動する事に。

彼女らの後をついて行くギルヴァ達だが、ふとブレイクがある事を口にした。

 

「しっかし…どういう理屈であの状態になれたんだか」

 

ブレイクの視線がアナを見つめていた為、隣で歩いていたルージュが誰の事か察した。

彼女もまたアナのイグナイトトリガーが発動に至ったのかは分かっていない。

ただギルヴァ、ブレイク、そして自身のデビルトリガーが発動により周囲の魔力が漂った事がイグナイトトリガーの発現に至ったのではないかとかルージュは思った。

 

(特殊な条件下ではないと発動には至らないという事でしょうか…)

 

「…これはマギーさんかダレン辺りに診てもらわないといけない気がします」

 

危険がある訳ではない。

彼女の今後の事を思うと一度提案してみるべきかとルージュは考える。

だがそれはこの戦いが終わってからではないと始まらない話のは最早言わなくても分かる事であった。




この後見せ場あるとは思えないので早いうちに見せておこうとね…。

一応あちらさんと行動していますが、うちの三名は適当に使ってくれてもいいですよ。

では次回ノシ
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