Devils front line   作:白黒モンブラン

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友人にドルフロを始めてどんなのかを見せた後言われた事…。

友人「フレンドいないの?」

作者「一人もいません…」

ハーメルンのマイページの自己紹介の所でIDとか乗っけて大丈夫なのか?と常々思う日々でございます。

それはともかくAct4どうぞ。

あ、お気に入り登録してくれた方々ありがとうです。今度よろしくお願いいたします!


Act4 人智を超えた力(上)

バイクを走らせてどれくらいは経っただろうか。着いた場所は誰かの手によって建てられた施設だった。全体を囲む様な隔壁。あからさまに外部から見られる事を避けているのが言わなくても分かる。

怪しさが全開なのは分かるが…だからと言って引くつもりはない。ここには416の仲間が居る。ならば何があろうと全て斬り伏せるまで。例えそれが鉄血の怒りの火に油を注ぐ形になろうとも。

 

「どうやらここの地下からね。何となくだけど反応があるわ」

 

「そうか」

 

見る限り施設へと入る入り口は一つしかない。完全にこちらを誘い込む罠が丸わかりなのだが、知った事ではない。今更それがどうしたというのだ?一度決めた以上は取り消す事など出来ない。…それに416に仲間を失うという身にあってほしくないと思っている。人形はバックアップさえあれば破壊されても、新しい体に誤差はあれど記憶等は取り戻せる様だ。だが…それで本当にいいのだろうかと思ってしまう。バックアップがあるから、替えが効くからという理由で見捨てていい筈はないと勝手ながらだが自分はそう思っている。失うというのは余りにも辛いのだから…。

 

蒼。今回は派手になると思う。下手すれば「解放」も辞さない。

 

―正気か?…だがそこまで言うとなれば相当本気なのだな?

 

当たり前だ。あらゆる技、力を全面に叩き出す。そう決めたからな。

 

―成る程な。なら今回は派手に行こうか。…見せてやれ、俺たちの…■■の力をな。

 

あぁ…。

 

例え恐れられようとも。

敵対する者は何者であろうと斬り伏せるのみ…。かつて大事なものを失い、何も出来ない自分とは違う。

その辛さを、痛みを知っているのだから…だからこそこの「力」を行使するまでだ。

 

「準備はいいかしら、ギルヴァ」

 

「あぁ。問題ない」

 

「そう…。作戦は単純。正面から突撃して、皆を探す。道中、奴らは居るだろうけど…そいつらの相手は貴方に任せるわ。こっちの攻撃はあいつらに効かないし…出来るとしたら精々援護射撃よ」

 

「構わない」

 

「妙にやる気ね…まぁそれはそれでいいのだけれど…。じゃあ行くわよ」

 

「あぁ」

 

 

施設内に侵入。中は物やら何やらで溢れかえっており、ここが別の用途で扱われていたのが分かる。所謂ここはスクラップ置き場…鉄の墓場という訳だ。だからだろうか…辺りは静寂に包まれている。風は一つも吹いておらず、それがかえって不気味さを感じさせる。だが…何かが居るのが分かる。それも大量に。416は気付いている様子はないが、今現在囲まれているのは事実だ。

 

「静か過ぎる…」

 

「そうだな。だからだろうな……囲まれているぞ」

 

「!」

 

一瞬足を止めそうになる彼女だが、そこはプロだからか歩みを止めなかった。

もし足を止めてしまえば、こちらが囲まれている状況に気付いたという事が敵に知られるという事である。そうなればここで袋叩きに遭うのは間違いないだろう。

 

「どうする?」

 

「このまま皆を見つけてこっちに戻ってきたとしても囲まれるのがオチね。けど…」

 

「ここで戦闘した所で後々が困る、といった所か…」

 

「えぇ…」

 

どちらを選んだとしても勝ち目がないという訳である。確かに彼女達を襲撃し、あまつさえは追い込んできた。今までのとは比較にならない程のパワーを有し、同時に攻撃が効かないときたあの鉄血の人形が大量にいるとなればどちらを選んでも勝ち目はないだろう。もし状況を切り抜けるのなら広範囲で、かつ火力のある武器で用いらなければここから生き残る事は出来ない。その程度の事は彼女は分かっているのだろう。

 

「…一つ聞く」

 

「何?」

 

「ここで奴らを貫く()()()が降ったらどうなるんだろうな?」

 

「何を言って…」

 

 

 

私が意味不明な事を言い出したギルヴァに問いかけようとした時だった。

上から何やら鋭い物が降ってきた。何かと思えば彼が持つ刀を同じで…群青色に輝く刀が突き刺さっている。

何故こんなのが降ってきたのか分からない。それにこれは何なのか?

そう思った次の瞬間、私はそこに広がる光景を疑った。

 

「ッ!?」

 

まるで雨の様に、敵の頭上からあの群青色の刀が大量に降り注いでいる光景。無造作に降っているそれは敵に回避行動を取らせない。例え一つ避けられたとしても、雨の様に降るそれから避ける術はない。一人、また一人と敵にあの刀が突き刺さっていく。数分も経たずにその雨は止んだが…止んだ後に広がる光景は何百本…いや何千本という数の群青色の刀が地に、敵に突き刺さっているというもの。この光景を何というのだろうか…。…そう…あれだ。

 

「地獄絵図…」

 

この光景を表すのであれば相応しい言葉だろう。そしてこんな事を出来るのは私の隣に立つ彼、ギルヴァしかいない。初めて会った時もそうだったが、彼には謎が多すぎる。自分の事を戦闘が得意な人間とか言っていたが、それで収拾が付く筈がない。戦術人形相手に圧倒出来る戦闘力、そしてどこからか群青色の刀を発生させ、敵に降らせる等人間に出来る訳がないのだから。正直な所、恐怖すら感じているが同時に心強いとも思っている。自分一人では確実に破壊されていただろう。その点では良いのだが…やはり彼の正体が気になるといえば気になるのだ。

恐らく彼に何者かと問いただしてもきっと適当に言ってはぐらかされるだけだろう。それに今はそんな事を気にしている暇はない。それは隣の彼だって分かっているのだから。

 

「行くぞ」

 

「ええ」

 

今は仲間を助ける事。その一点に尽きる。

 

 

地上から地下へと繋がる道を見つけ、404のメンバーを探しつつ鉄血の人形部隊と戦闘を繰り広げる二人。

今もなお二人はそれらと対峙し長い一本道の通路にて激闘を繰り広げていた。

壁越しから銃だけ突き出し、弾をばら撒く416。そこにギルヴァが飛び込み、敵部隊へと突撃。

当然ながら敵の銃口は416から彼へと向けられ、一斉射撃が襲うのだが彼はそのまま向かって行く。

そして刀を鞘から引き抜くと迫りくる弾丸の嵐を素早く振るい斬り落としていく。火花を散らし次々と弾丸を斬り落とし、敵に迫る。鬼気迫るその姿にたじろぐ人形達だが手にしているサブマシンガンを、アサルトライフルを撃つ事を辞めない。すると彼は一度刀を鞘に納めて、思い切り地を蹴った。

 

「!」

 

その瞬間、彼女達の前からギルヴァの姿が掻き消える。

突然の事に驚きを見せる鉄血の人形部隊。あの男はどこに行ったのか?

その所在はすぐに明らかとなる。

 

「終わりだ」

 

「!?」

 

後ろから聞こえた男の声。彼は敵を目の前にしながら刀を鞘へと納めようとしていた。

彼へと向けられる銃口。だが敵は気付かない…否、気づかなくても仕方ないかも知れない。今こうして彼へと銃を向けようとしている自分達が既に斬られている事に。鞘に刀身が音を立てて収まった瞬間…人形達は一瞬にしてバラバラになり崩れ落ちた。後方から見ていた416はもう見慣れたのか、驚きの表情は見せずギルヴァの元へと寄る。それもそのはずで、地下に侵入し遭遇した敵は全て彼の技によって斬り伏せられたのだから。それも気付けば切り刻まれ、バラバラにされるという技で。

その技こそ「疾走居合」である。

敵の懐に飛び込みつつ斬り刻み、真空の刃を発生させ相手を刃の渦に巻き込むというギルヴァが持つ技の一つ。予測不可能とも言える疾風の斬撃。当然ながら敵に回避させる余裕などない。一度放たれば、「死」から間逃れる術など存在しないのだから。

 

「反応は?」

 

「近いわ。恐らくすぐそこ…。行きましょ」

 

「あぁ」

 

先導する416の後をギルヴァは追う。残るは硝煙の臭いとバラバラになった人形の残骸と…静寂のみだった。

 

 

―幻影刀、時雨幻影刀、疾走居合…もうえげつない技のバーゲンセールだな。

 

(この程度序の口に過ぎないと思うが?)

 

―だな。

 

…にしても。戦って分かったのだが敵の数がやけに少ない。地上にいた戦力、そして地下にいる戦力が全てとは思えない。それにだ、ここに居る鉄血の人形…一度は戦闘で敗れ破棄されたものばかりだ。倒した残骸を調べた時、まるで継ぎ接ぎの様な痕が残っていた。それを踏まえるとここにいる人形は誰かの手によって甦らされたと言っていいだろう。

だが、一度機能停止した人形を復活なんて、そう簡単に出来る事ではない筈だ。一体何のために?それに404小隊を襲撃した理由は?未だに見えぬここの主の思惑が理解出来ない。

 

「ここね」

 

先を歩いていた416がふと足を止めた。彼女が見つめる先にあるのは巨大なドア。まるでシェルターとかに使用される大きく、また分厚いドア。ここに彼女の仲間が居るのだろう。随分と厳重に閉じ込めるものだ。

 

「古いタイプのドアね。それもロックが掛かってる。番号がなかったらドアノブすら回せないと来たか…」

 

すると彼女がこちらを見てきた。

…あぁ、成る程。

 

「中に居る仲間にドアから離れる様に伝えてくれ」

 

「了解。……うん、大丈夫よ。思い切りやって」

 

「あぁ。…ふっ!」

 

勢い良く抜刀。ドアに目掛けて十字に斬り込みを入れる。するとドアは四等分に分かれ崩れ落ち、中へと入れる入り口を作る。内部は全面真っ白で覆われ、その中に404のメンバーがいた。一人は左目に傷があり、片側だけに髪を結んでおり、もう一人は先の人物とは違い右目に傷、髪を二つに分け結んでいる。もしや姉妹か?まぁ居ても不思議ではないか…。で、もう一人は肝が据わっているのか今まで眠っていたらしく、目元をこすっている。今でも眠たそうな表情を浮かべている。どれだけ眠たいのやらか…。

 

―ギルヴァ。近くに反応あり。数は一。

 

「もう一人?一体どうなっているんだ?」

 

―さぁな。もしかすれば囚われた戦術人形かも知れないな。

 

戦術人形を捕らえてまで…。一体どうなっているんだ…。

だがこのまま見捨てるのも忍びないので、そちらへと歩みを進める事にする。細長い通路が続き、奥の方では先程と同じドアがあった。気配がある…どうやらここに戦術人形が捕らえている様だ。

先程同じ要領で刀を抜き、ドアを四等分にして解体。中へと入ると部屋の隅で足を抱えて顔をうずめている戦術人形の姿があった。顔は分からないが黒い髪に頭には白のカチューシャ、肩から掛ける様な形で白のブランケットが特徴。どう見てもグリフィンの人形だ。彼女もまた囚われた身という訳か。

室内が真っ白だからか、こちらが歩く度にブーツの音が響き良く反響する。だが隅でうずくまっている戦術人形に反応はない。彼女の元へ近寄り、声をかけようとした瞬間だった。

 

突如として素早く動き出した彼女。その目から光が無く、同時に強い怒りが感じ取れる。

手にしていた刀が奪われ、そして…

 

「こふっ…」

 

彼女の手によって自分の腹部が貫かれた。




疾風居合を書いている時、脳内では「あれ」が自動再生されてました。
え?何かって?では分かる皆さん、ご一緒に!






ダァーイ(鬼いちゃんボイス







また幻影刀に関してですが、簡単に言えば幻影剣です。まぁ言わなくても想像は付くかな。


にしても主人公刺されたなぁ。大丈夫かなぁ(棒読み

では次回お会いしましょう!ノシノシ

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