Devils front line   作:白黒モンブラン

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─やる事は変わらない─


Act225-Extra Those who end the nightmare Ⅶ

クイックシルバーの同調により新たな力を得たシーナが動き出し、廃れた教会に身を潜ませていたアイソマーを救い出すべく、己の力を総動員させパラデウス兵へとネロたちが立ち向かい出した一方。

ブラウ・ローゼのシリエジオ、シャリテ、ソルシエールは例のE.L.I.Dとの戦闘から回復し、再び行動を再開したオートスコアラーと共に行動していた。

アブノーマルとは遭遇してないものの──

 

「だー!もう!バケモンを倒した後だというのに、またこいつらかよッ!!」

 

これで何度目になるのだろうかトゥーマーンの叫ぶ声が破砕音やら爆発音の中で炸裂した。

彼女がツッコミ役になりつつあるような気もしなくもないが、彼女が叫ぶのも無理もないと言えよう。

回復し、いざ戦場に復帰したら強化されたパラデウス兵と遭遇してしまったのだから。

当然ながら無視できるはずもなく、オートスコアラーとブラウ・ローゼの三人は強化されたパラデウス兵と戦闘開始。

何処からか聞こえるバイオリンの音のおかげで敵の偏向障壁の性能が半減させれていたとしても、面倒なものは面倒でしかない。

ジャウカーンが前に出て偏向障壁なんぞ知ったことではないと言わんばかりに暴れ、スユーフ、ダラーヒム、トゥーマーンが己の持つ力を駆使し何とか敵を倒す。

シリエジオもジャウカーンと共に前に出て暴れるシャリテとソルシエールを援護する為にシルヴァ・バレトを構え、偏向障壁が消えたストレツィに向かって発砲。

銀色の銃口からはじき出される一撃は銃撃ではなく、砲撃。

はじき出された砲弾がストレツィに直撃し上半身と下半身を分かれさせる。

 

「叫びながらも倒せているではありませんか」

 

「うっせー!こうじゃないとやってらんねぇんだよ!!」

 

トゥーマーンからの苦情を耳にしつつシルヴァ・バレトの槓桿を操作するシリエジオ。

薬室から飛び出た薬莢を視界の端で捉えながら、彼女は冷静に戦況を判断する。

偏向障壁など関係なく敵を容赦叩き潰すジャウカーンや新しくなった装備を惜しみなく使い、果敢に接近戦を仕掛けるシャリテとソルシエールのおかげでどうにかなっている。

問題を上げるとするのであれば、あとどれ程の敵がここにやってくるかであった。

今は何とかなったとしても、もし増援部隊が現れ、それが何度も続くようであれば間違いなく自分達が劣勢に追いやられるだろう。

 

(では少しばかり派手に行かせてもらいましょうか)

 

そう内心呟くとシリエジオはニーゼル・レーゲンを掴むと底面を地面に叩きつけ、ニーゼル・レーゲンを待機形態から別の形態へと移行させた。

形すら残らない驚異的な変形機構。

銀色に水色の光脈が流れるガンケースから姿を現したそれは最早狂気と言ってもいいだろう。

手には二挺の大口径機関砲。

機関部から繋がった弾帯ベルトが向かう先にあるのはシリエジオの腰にあるマウントフレームに装着された支柱付きの巨大な弾倉コンテナ。

口径29mm。ベルト給弾式。

最大射程不明。総重量不明。

冗談と馬鹿をふんだんに詰め込んだ結果、出来上がった馬鹿げた狂気。

人間はおろか、悪魔に向けて撃ったとしてもその威力は過剰の一言に尽きる。。

まき散らすは鎮魂歌。物理と狂気を以って魂を鎮めるだけに特化した代物。

その名は29mm対化け物用連射砲『レクイエム』である。

 

「は…?」

 

「うわぁ…」

 

ニーゼル・レーゲンの武装の一つを見たトゥーマーンとダラーヒムの反応は当然ともいえる。

シリエジオでさえ、こればかりはやり過ぎではないのかと思うほどなのだ。

とはいえ、相手が無駄に硬いのであればその倍を行く力でねじ伏せるのが一つの方法と言えよう。

 

「全員、木端微塵になりたくなければ私の前に立たないでください」

 

『うわわわ!?いきなりだね!?シャリテ、ジャウカーン!!二人とも一旦下がって!!』

 

シリエジオの声に反応したのはシャリテとジャウカーンと共に接近戦を仕掛けていたソルシエール。

一発でもくらえばお陀仏級の弾幕が飛んでくる中で立ち回る自信など無いに等しい。

ワーロックのスラスターユニットを使い後退しつつ、シャリテとジャウカーンにも下がるように告げる。

シャリテもシリエジオが使おうとしているレクイエムがどう言うものなのかを知っている為、共にグラディエーターを叩き潰したジャウカーンへと叫んだ。

 

「ジャウカーンちゃん、一旦下がりましょう!」

 

「了解です!」

 

シリエジオが装備するレクイエムの射線上から飛び退き、後退する二人。

射線が開ける。彼女らが引いた事により敵は進軍開始。

黒で彩られたメイド服を纏う彼女へと迫る。

堅牢な装甲。生半可な攻撃では通らない偏向障壁。そして全てを塵に変える火力と暴力的な数。

敵う筈がない。ましてや一体の人形などに。

いくら十全に備えていたとしても、圧倒的な力の前には成す術などないという事を。

まるで絶望を見せつけるが如くパラデウス兵はシリエジオに迫る。

しかし迫りくる敵の群れを前にしても彼女に焦りはなかった。

軽く深呼吸をして、伏せた目を開き相手を睨みつける。

両手に握ったシルヴァ・バレトを模した機関砲のグリップを握り直し、引き金に指をかける。

そして次の瞬間──

 

「歌え」

 

鎮魂歌(レクイエム)が歌唱開始。

二つの砲から次々と吐き出される砲弾は敵に反撃の時間を与えず、跡形を残すことなく木端微塵に吹き飛ばし、偏向障壁を平然と剥がし、装甲をチーズ同然と言わんばかりに穿っていき、倒した敵を数えるかのようにレクイエムの機関部からは熱を帯びた薬莢が飛び出し、まるで鎮魂歌を歌う様に地面を跳ねる。

地に横たわるは、必ず体の一部が欠損した亡骸か最早原形すら留めていないナニカ。

そこに映る光景はレクイエムという名の蹂躙劇。

思わず敵に同情してしまいそうになるような光景がたった一人の人形によって広げられていた。

 

「…私ら要らなくね?」

 

「まぁまぁそう言わずにさ」

 

シリエジオが単身で敵の大部隊を殲滅する様を目撃しながら静かに呟いたトゥーマーンの隣でワーロック・シャルフリヒターの主兵装であり、改造が施された大鎌を肩に担いだソルシエールは笑みを浮かべたまま、後ろへと振り向いた。

向かってくるは白き軍勢。

鎮魂歌を止めるためにやってきたのだろうか。ガンナーやグラディエーターらで統一されていた。

 

「ほら、新しいお客さんだ。出番は残してくれたみたいだね?」

 

「ちっとも嬉しくねぇ!」

 

「あっはっはっは!」

 

高らかに笑うソルシエールだが、その笑みは一瞬にして引っ込まれ冷たい笑みを浮かべた。

弧を描いた刀身が妖しく輝き出すと彼女は大鎌を構えると同時にこのワーロックという装備が元から備えた機能を起動させた。

背に備えられた蝙蝠の羽を模したウイングとスラスターユニット。その所々に排気口の様なものが備えられており、そこから決して見る事の出来ないナニカが散布され始めた。

それに気づいたのは隣に立っていたトゥーマーンであり、ワーロック・シャルフリヒターから散布されるナニカに驚いたかのようにソルシエールへと向いた時、彼女は言葉を失った。

 

「おっと君なら気づいちゃうか」

 

笑みを浮かべるソルシエールであるが、下半身は何故か"消えていた"。

敵の攻撃を受けた訳ではない。言うなれば透明になっていた。

 

「出番が嬉しくなさそうみたいだから…」

 

彼女の透明化は胸辺りまでに達し、ついに肩まで到達した。

 

「僕に譲ってもらおうかな?」

 

驚いたまま言葉を発さないトゥーマーンに向かってニッコリと微笑むソルシエールはそのまま彼女の前から姿を消した。

次の瞬間、突風の様なものが巻き起こり見えないナニカが白き軍勢へと突撃していった。

見えないナニカが向かっているにも関わらず、敵はそれを探知した様子すら見受けられない。

相手が完全に気づいていない。そんな事はソルシエールが良く知っている。

元よりワーロックはこういう時の為に開発されたのだから。

強力なジャミング機能を用いり、特殊粒子を放出し身に纏う事で姿を隠して敵の視界とレーダーに探知されることもなく接近し、一撃で仕留める事を想定したもの。

故にその戦い方は知性にある者からすれば、ある種の恐怖を植え付ける。

最も今回の敵は最早ナニカを失ったものである以上、恐怖など感じたりはしないだろう。

 

「身構えなくていいのかい?」

 

問いかける様な声が響く。

しかしその声の主は何処にもいない。

足を止めパラデウス兵が警戒に入ろうとした直後、一閃奔る。

それも一体だけではない。そこにいた複数の敵に一閃奔っていた。

上半身がずれ堕ちる中、既に機能停止した敵らの背後からソルシエールが姿を見せる。

ワーロック・シャルフリヒターへと改造された際に新たに設けられた腰部スラスターユニットに備えつけられた八基のバインダーから飛び出たワイヤーと繋がった折り畳み式のショートサイズを収めつつ口を開く。

 

「じゃないと死神がやってくるよってね」

 

大鎌を肩に担ぎながら、背を向けるソルシエール。

そのまま再び姿を消すと、残った敵へと攻撃を仕掛けていくのであった。

 

 

その頃、ブレイクはアイソマーが身を隠している場所に訪れていた。

とは言ってもアイソマーらは既に保護されており、ここに来たところで意味はないのだが彼はこの場所から発せられるとある気配を察知してここに訪れていた。

 

「…アレか」

 

廃ビルの中間地点に当たる階層。

その部屋の奥にある小さな台座の上で宙を浮かぶものがあった。

見てくれは籠手。しかしてはその籠手は『炎』を纏っていた。




という訳で、うちも敵の殲滅に動きます。

次回はブレイクに新たな魔具の持たせます。と言っても炎を纏う籠手は分かるか…。
その後は…主催者様に合わせます。


では次回ノシ
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