Devils front line   作:白黒モンブラン

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告げられる彼女の想い。
困惑しながらも彼は新たな場所へと向かう。

という訳で、今回で一章は終了でございます。
後、お店の名前決まりました。色々悩んだ末に、もうこれしかないかなと思い、付けました。てか大体予想できるよね…?



Act13 新たな場所へ

本当に何故にこんな事になってしまったのか。

確か部屋で休んでいた所に彼女が訪ねてきた。曰く話がしたいと言われたので室内に招いた。

そこまでは良かった。突然、彼女にベットへと押し倒され今に至るのだが…。

…意味が分からない。何故彼女はこんな行動を?

疑問が尽きない中、自分は彼女の瞳を見た。

あの時と同じだ。薄っすらと暗くなって…いや、前と比べて一段と暗くなっている…?

 

「あの時…貴方が95式と一緒に行ってしまった時、少し嫉妬しちゃったの。貴方と時間を共有できる彼女に。でもまぁ仕方ないよね。ギルヴァは私達人形に関しては優しい所あるから。それに貴方は彼女の願いを叶える為に行動したのだから尚更。そして貴方と別れた私はずっとこの日が来ることを待っていた。貴方の事を全部知りたくて、知りたくて、知りたくて…興奮が中々収まらなくて隠すのを大変だったのよ?もうこの際だから言うわ。私、ギルヴァの事が好きになったみたい。言っておくけど、LikeじゃなくLoveの方だから。いきなりこんな事を言われても戸惑うと思うけど安心して。私はギルヴァが人ではなく悪魔という事もちゃんと受け入れるから。当然404の皆も貴方が家族になる事を歓迎してくれるわ。だからね…これからじっくり、ねっとりと…一晩かけてお互いの事を知り尽くさない?」

 

息もつかせぬ矢継ぎ早に語られた彼女の言葉に圧倒される。

まさか彼女が自分に好意を寄せているとは思いもしなかった。話した回数も少なく、こうして会った回数も決して多いとは言えない。にも関わらず好意を寄せられていた。

正直自分はこの手の事に関しては詳しい方ではない。この言う時、どうしたら良いのか分からないのが本音だ。

だからと言ってこの想いにどう答えたら良い?安易に答えていいものじゃない。

 

―もういっそ、今夜は寝かさないぜ…とか言ったらどうだ?

 

ここぞと言うばかりに悪魔らしさを発揮するのはズルくないか?

 

ダメだ。蒼の奴、この状況を楽しんでいる。

どうする?この状況は良くはない。このままだと間違った方向に行ってしまいそうになる。

それだけはダメだ。何とかして彼女を説得しなければならない。しかしどうすれば…ん?

 

「好意を向けてくれる事に関しては嬉しく思う。今までこういった事はなかったからな。だからか、正直かなり戸惑っている。その事もあってすぐに答えられる自信はない」

 

「今は駄目って事?」

 

「ああ。それにお互いの事を知りたいなら、こういう手段でなくても良かった筈だ。付け加えて言うのであれば慣れない事はしない方がいい。腕が震えていた」

 

「!」

 

そう。彼女の腕は震えていた。

それもあって彼女が無理をしていると判断する事が出来た。

その事を当てられたのかUMP45はゆっくりと離れベットに腰掛けた。自分も体を起こして隣に座った。

 

「嫌いになった…?」

 

声が少し震えている。

 

「どうだろうな。まぁ…驚きはしたがな」

 

「そう…」

 

先程の姿は何処へ行ったのか。

借りてきた猫の様に大人しい彼女の姿がそこにあった。

見るに見かねて、ベットから立ち上がると元から棚に置かれていたグラス二つとウイスキーボトルを手に取る。

ボトルを開き、グラスに注ぐ。そしてウイスキーが注がれたグラスを彼女へと渡した。

 

「これは…?」

 

「酒を飲みながら、お互いの事を話そうか。それにこれは迎えてくれた礼も兼ねている」

 

「…ふふっ」

 

「おかしいか?」

 

「いいえ。…そうね、話しましょ?お互いの事」

 

互いにグラスをぶつける。

ぶつかった音が室内に響いた。

 

 

それからしばらくして、何気ない会話を広げた。

またその会話の中で404小隊の事を彼女から聞かされた時、内心驚いた。

彼女達404小隊は書類上存在しない部隊という扱いになっているそうだ。その事から他の戦術人形が彼女達と共に任務を遂行した場合、機密保持の為か、それ以外か、その戦術人形の記憶から彼女達に関する記憶を消す必要が義務付けられている。

普通の特殊部隊ではないとは思っていたが、ここまでとは。

少し気まずい雰囲気になったので、自らある話をした。

それは自分が今までどんな旅をしていたかという話。彼女はその話を興味深そうに聞いていた。

酒もそれなりに進み、軽く3杯目に突入しつつあった。

自分が悪魔だからか、アルコールの耐性が強いみたいだが、45(話している際に、45と呼んで欲しいと言われたのでそう呼ぶようにした)の顔に赤みが掛かっていた。

ウイスキーを3杯も飲めば人形と言えど酔うか。これで終わりにしようとした時、彼女がふと呟いた。

 

「ギルヴァは…ずっと……私達の事…覚えていてね…。私も…貴方の事を…ずっと……」

 

そう言い切る前に彼女は椅子に腰掛けたまま眠りについてしまった。

このままでは冷えるかも知れないと判断し、コートを脱いで彼女へと掛ける。

静かに寝息を立てる45。

先程の台詞は彼女の本心の一端だったかもしれないが…それを知る由はない。

だがこれだけははっきりと言える。

 

「忘れる事はしない。これだけは約束しよう」

 

自分が人ではなく、悪魔であろうと。

そのまま自分はベットではなく、ソファーにへと寝転り眠りに付くのだった。

 

 

 

「んぅ……あれ…」

 

いつの間に寝てたのかしら…。

それにここは…。

 

「そう言えば私、ギルヴァと飲んで…」

 

そのまま寝てしまったのか。それにこのコート、ギルヴァの…。

周りを見回してみると、先に起きていたのかギルヴァが座って私の方を見ていた。

 

「起きたか」

 

「ええ。でも少し残念ね」

 

「何がだ?」

 

「目覚めた時は二人してベット上が良かったから」

 

そう言うと彼は少し呆れた表情を浮かべた。

 

「朝から冗談か。その点については尊敬の意を示す」

 

「ふふっ、どうも」

 

…冗談じゃないのにね。

けど今回は私が急ぎ過ぎたのが原因。結果は望むものとはならなかったが私の想いを彼に伝えられたのは大きいかも知れない。ギルヴァの反応も微妙ではあったけど悪くはなかった。

椅子から立ち上がり、青い刺繡が施された黒コートを彼に返す為に歩み寄る。

 

「これ、ありがとう」

 

「どうも致しまして」

 

彼がコートを掴もうとした所を見計らい、私は彼の頬へと顔を近づけた。

そして頬へと私は口付けした。

一瞬の事だったのか、彼は少し呆けていた。こんな表情もするのね?いい事知ったかも。

 

「昨日も言ったと思うけど、私は本気だから」

 

「…」

 

「他の子に気を取られるのも良いけど…一番は私だから。だからね…」

 

恐らく彼は誰にでも優しい性格。

だから他の子が彼に言い寄るにも決して無いとは言えない。

でも一番は渡さない。

 

「覚悟していてね♪」

 

 

彼女からの覚悟する様に言われた日。

この事が以外に大きな騒動が一つだけ起きた。

それは本部をうろついていたフードゥルがここの職員に見つかったらしく、本部内で捕獲作戦が開始してしまったのだ。後に俺が保護し、適当な理由を付けて事態は収束したものの、やはりフードゥルの事が気になる者がいない訳ではなかった。…だが、こいつが悪魔だと話した所で信じる者はクルーガーかへリアン、そして404の面々ぐらいだろう。

また蒼曰く魔界から悪魔がやって来る事は恐らくもう無いだろうと語っていた。故に自分はアンジェロやフードゥルが悪魔という事を話す気にはなれなかった。

それにだ。このご時世…鉄血や他の事で忙しいこの世界に悪魔という存在を追加するのも酷な話だろう。

悪魔という存在は俺達だけど十分なのだから。

余談だが奪われていた無銘とレーゾンデートルはその日に返してもらった。学者たちがもっと見させて欲しいと言ってきたのだが、丁重にお引き取りしてもらった。

 

翌日。

俺達はある場所に来ていた。

そこはS-10地区前線基地の屋上。フードゥルと共にヘリから降り立つ。

降り立った俺達に赤い制服を身に纏い、すらっと伸ばされた黒髪が特徴の女性が歩み寄ってきた。

何よりもその顔立ちはまるで少女と言える程に若い。ざっと…17ぐらいか…?

よもやこんなに若い少女まで指揮官を務めるとはな…。

 

「ギルヴァさんですよね」

 

「あぁ。ここの指揮官と見ていいか」

 

「はい。ここS-10地区前線基地指揮官のシーナ・ナギサです。ギルヴァさんの事は社長から聞いたけど…」

 

彼女の目線が俺の隣に座り込んでいるフードゥルへと向けられる。どうやら放電はしてない様だが。

そう言えばこいつの事は話してはいなかったな…。

しかしどう説明したものかと思っているとフードゥルが勝手に話し出した。

 

―ここの指揮官殿か。

 

「わわっ、喋った!?」

 

―我の名はフードゥル。ナギサ殿。あの男…クルーガーという男から彼の事を聞いているのであれば、知っているのであろう?ギルヴァという男が悪魔だという事を。

 

「! え、えぇ。俄かに信じ難いけど…もしかしてフードゥルも?」

 

―うむ。だが我らは貴女らと敵対するつもりはない。これだけは覚えておいて欲しい

 

「わ、分かりました」

 

やれやれ…フードゥルが全部言ってしまったな。

だが細かく説明する手間が省けた。

 

「フードゥルが言った通りだ。色々困惑するとは思うが安心してほしい」

 

「は、はぁ」

 

「それで…店の方に案内してもらっていいだろうか」

 

「あ、はい。今から案内するね!」

 

困惑しながらも彼女…ナギサは店の方へと案内してくれた。

どうやら店はここの基地に隣接しているらしく。基地側から通路伝って店の裏手から入る事が出来ると彼女は話していた。

店の裏手から中に入ると、最低限ではあるが書斎や棚が置かれてあった。誰かが用意してれたのだろうか。

 

「実はうちの倉庫で余っていた家具なの。良かったら使って」

 

「来て早々の身だと言うのにすまないな」

 

「大丈夫。その分しっかり働いてもらうからね」

 

「尽力しよう」

 

刀を書斎に立て掛ける。

しかし割かし良い物件を用意してくれたな。クルーガーには今度感謝の礼を述べておくとしようか。

するとナギサは問いかけてきた。

 

「そう言えばお店の名前は何にするの?」

 

「あぁ。それはな…」

 

あの時。

別れる前に95式はその由来を話してくれた。

曰く人類抹殺を掲げる鉄血の人形は人類からすれば驚異だと。

そして彼女の元指揮官は鉄血の人形たちの事を悪魔だと現したそうだ。

悪魔は涙を流さない。故にどんな惨い事でも出来てしまう。

だがそれを倒せる存在がこの世に居るのであれば。

涙を流さない悪魔も泣き出すだろう。

それが名前の由来。そして95式が付けてくれた店の名前が…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Devil May Cry(悪魔も泣き出す)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回 第二章「悪魔は前線にいる」

はい、次回からはお店も開業です。
ご依頼があればいつでも「Devil May cry」にご連絡下さいませ。



また感想くれたら嬉しいです。
…作者、豆腐メンタルなので、ご理解の程よろしくお願いします…
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