Devils front line   作:白黒モンブラン

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死神を模った悪魔。
それを相手にブレイクは愛用武器を構える。




今回は短いです。許せ…(震え


Act33 謎は終わらない

静寂なる一室に響き渡る一発の銃声。

その響きは調べ物していた代理人、彼女とブレイクにこの町の事を伝えに行こうとしていたギルヴァとフードゥルの耳に届かない訳もなく、装備している武器を手をかけるのも数秒の事であった。

一方で三人とは別の場所で巨大な鋏を持った悪魔「デスシザース」を相手にブレイクは動きつつ黒き二挺拳銃を連射していた。

本当に拳銃なのかと思わせる位の連射速度ではじき出される弾丸。しかしデスシザースは自身の獲物である鋏で巧に攻撃を防御していく。

これでは埒が明かない…そう感じたブレイクは遠距離に徹するのではなく敢えて接近する事を選んだ。

銃を構えたまま走り出すと彼は近くの本棚を壁代わりにしてその上を駆け出していく。

重力の概念を無視した動き。ブレイクという青年は本当に人間なのかと思いたくなる。だがそれを問う者はいない。

着実にデスシザースとの距離を詰めるブレイク。間合いなら銃が上。だが悪魔にはそれは通用しない。

 

「!」

 

刃を広げそれを振りまわしながらブレイクへ突っ込んでくるデスシザース。

攻撃を当たる前に彼はその場から飛び退くと鋏の持ち手を乗っかり、そのままそこを足場にして跳躍し宙高くデスシザースの頭上へと舞い上がった。

 

「よっと!」

 

その掛け声と共に彼は宙で体を上下反転。真下にいる死神に銃を向けたまま、その身を勢いよく回転させながら引き金を引いた。まるで弾丸の雨というに相応しく、降り注ぐ弾丸。

弾丸の大雨はデスシザースにダメージを負わせるが、その束の間鋏で防御される。

が、しかし防御に徹し過ぎたせいか鋏は耐久値を超え、片刃が壊れてしまうのだがそれでもデスシザースは片刃になってしまった鋏で攻撃を防御していく。

そこに別の方向から砲撃にも似た銃声と共に攻撃が飛来し、鋏を一撃で破壊した。

 

「幾ら防御に徹していても、この一撃は耐えられませんよ」

 

そう告げたのはシルヴァ・バレトを構える代理人であった。

ブレイクとデスシザースが戦闘を開始している所に駆けつけた彼女は狙っている所を気付かれぬように物陰に潜みその瞬間を待っていた。

弾丸の大雨を降らすブレイクへと気を取られている所を好機と感じた彼女は通常弾を装填したシルヴァ・バレトを発砲したのだ。

 

「助かるぜ、メイドさん」

 

体勢を元に戻し、地へと着地するブレイク。

するとデスシザースの顔が大きく歪んだ。大きく顔の周囲からはまるで血だまりの様な渦が。そこから生み出しているのかさっきの鋏を取り出そうとしている。このままではまたさっきの事が続く。

すかさず銃を構えるブレイクだが、そこに代理人の制止が入る。

ここは私にお任せを、と彼に告げると代理人は地を蹴りデスシザースの目の前まで接近する。

あとほんの数秒で新たな鋏が現れるが、それを彼女は許さない。

取り出そうしている鋏の持ち手を足で思い切り押し込み、動きを止める。

ホルスターから水平二連装ショットガン「Devil」を引き抜くとデスシザースの歪んだ顔面へと力良くその顔面が砕ける程の一撃で銃身を突き刺し引き金に指をかける。

 

「死神が死を告げられるとは…皮肉なものです」

 

ゼロ距離から散弾が叩き込まれる。

内部からの一撃に悲鳴にも似た声を上げデスシザースは消滅。床にあの鋏と木製人形の腕が転げ落ちる。

銃身を折り、薬莢を捨ててから元へと戻すと代理人はショットガンをくるりと一回転させてからホルスターへと差し込んだ。

 

「ひゅー、流石だな」

 

「この程度、大したことではありませんよ」

 

そう返ながら代理人は先程のブレイクの動きを思い返していた。

端から見れば普通の人間。しかし先程の動きは普通の人間が出来るものではない。弾丸の雨を降らせるあれも普通の人間が出来る筈がない。ならば彼は一体何者なのか…。

その問いの答える者はいない。だが彼女はある答えを導き出していた。

 

(まさかとは思いたいですが…)

 

だがその答えに確固たる確証はない。

その答えを内に秘めたまま、代理人は調べごとの続きをしようとした。

そこに戦闘音に聞きつけたにも関わらずゆっくりと歩いてギルヴァとフードゥルが二人と合流した。

 

「遅かったな。こっちはとうに終わったぜ?」

 

「そのようだな」

 

「それで?そっちは何か分かったのか?」

 

「ああ。思った通り、この町は過去に悪魔と関わりがあるらしい」

 

ギルヴァは全て話した。

1000年前にもこの町が存在し、そして悪魔の支配を受けていた事。

そして旅人であり、悪魔であった魔剣士 フェーンベルツによってその悪魔は封印された事。

あの本で知った情報を全て。

 

「成程…。とするのであれば、今回の原因はその封印された悪魔にあると?」

 

「そうとも言い切れん。もしそいつが原因ならば町の荒れ具合が引っかかる。封印されてかなり経つというのにあまりにも冷静過ぎる。普通なら怒りの任せて町全体を無茶苦茶にしている筈だ」

 

「…また謎に直面しましたね」

 

「ああ。もう少し調べなけらばならんな」

 

その一方でブレイクは指を顎に当て何か考え込んでいた。

それが気になったのかフードゥルが彼へと近寄り声を掛ける。

 

―どうした、貴公。何か思い当たる節でも?

 

「…フェーンベルツという名前にな。だれかに聞いたんだが…」

 

―ふむ。すぐには思い出せぬ感じか

 

「ああ。名前だけは明確に覚えているんだがな」

 

だあに聞いたかな、と呟くブレイク。

その傍らで聞いていたギルヴァは彼を尋ねる。

 

「フェーンベルツという名前は最近聞いたのか?」

 

「いや、恐らくだがガキの頃辺りだ」

 

「そうか。…思い出したら話してくれ。取りあえずここを離れよう」

 

その提案に全員が頷き、図書館を後にし始める。

しかしその様子をある者が見ている事に彼らは気付かなかった。

 

 

「他所モンが来たって言うから見に来たら、こりゃどういうこった?」

 

図書館から離れた位置に存在する廃墟でそれは図書館から出てくるギルヴァ達を見つめていた。

 

「それよ、あの兄ちゃんたちから感じる気配はなんだぁ?余りにも似すぎてないか?」

 

その者が一番に感じたのはギルヴァとブレイクから感じる気配。

その気配に彼は知っている反面、不思議に思っていた。何が不思議なのか彼にしか分からない。

 

「取りあえず報告だな。やれやれ幾ら鳥だからって無茶させるぜ」

 

翼を広げると空へと飛びあがるそれ。

その姿は猛禽類。翼を羽ばたかせ、その場から去っていく。

 

「全く俺がいないと駄目ねー」

 

そんな事を呟きながら。




やっとDMC5を買って楽しんでました。
鬼いちゃん戦ですげぇボコられましたが。

ん?最後は誰かって?まぁ…分かりますよ、うん。

では次回お会いしましょうノシノシ

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