Devils front line   作:白黒モンブラン

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ナギサ指揮官に呼び出されたギルヴァと45。
二人はある話を聞かされる。


思ったら後方幕僚出していなかったなと。
という訳でうちの後方幕僚さんの登場です。

え?416にアミュレットハーツを渡す話じゃないのかって?
…それはもう少し待って(懇願


Act48 S10基地の後方幕僚

代理人との一件からのこと。

45に代理人とそういう関係になった事を報告。流石に何か言われると覚悟していたが、反応はあっさりしたものだった。

それどころか愛人飛ばして嫁という関係になるのもとっくに予想済みだったそうだ。

いずれそうなると踏んでいたそうで、増えても気にするつもりはないとの事。

だが同じ立場になったのは良いものの、一番だという事が不動の真実があってか、45は普段見せる笑みを浮かべながら代理人に対して…。

 

「正妻は私だからね~」

 

「…ほう」

 

堂々と挑発していた。

何時ぞやの時みたく、二人の間で見えない火花が散っていたのは語るまではないだろう。

 

 

ブレイクがここで出る一日前となった今日。

ナギサ指揮官から招集を受け自分と404小隊の小隊長 45と共に執務室に訪れていた。

 

「急に呼び出してごめんなさい。ちょっと急ぎの案件で」

 

「別に問題ない。それで急ぎの案件とは?」

 

「これを見てくれるかな」

 

そう言ってナギサ指揮官はタブレット端末をこちらへと渡してきた。

それを受け取り、隣に立つ45にも見せると、彼女の表情が険しいものへと変わった。

 

「指揮官。これは…黒?」

 

「黒。それも真っ黒といっていいレベル」

 

「…そう」

 

画面に映し出されているのはS地区内に存在する、とある基地の実態。

どうやらここの指揮官…相当の屑の様だ。人形にまともな飯を与えない、損傷しても修復させる事もなく幾度どなく戦場へ放り込まれる、罵倒や暴力は日常茶飯事…。

他にも余罪はあるのだが言っていけばキリがないので割愛させていただく。

 

「呼んだのは、この指揮官の始末?」

 

「ううん。この基地の人員構成、所属する人形の数…ここに関する事を分かる範囲で調べてきて欲しいの」

 

「どうしてか聞いていいかしら?」

 

「それは…」

 

そこで合点がいった。

この案件に何故自分まで呼び出されたのか。

ナギサ指揮官が答える前に自分が答える。

 

「悪魔か」

 

「うん。以前に行われた過激派組織の基地制圧時も悪魔が関わっていた。今回も悪魔が関わっているとは断言できないけど、考慮しておくべきと思って」

 

「成程な…。では調査には自分も赴けばいいのか?」

 

「ううん。ギルヴァさんを呼んだのはその調査にフードゥルとグリフォンを同行させてほしいと思ってて。そのお願いに呼んだ次第」

 

ならば俺ではなく、あいつらを呼べば良かったのではと思わなくはないが、フードゥルとグリフォンには伝えておくとしよう。二人共魔界出身で、悪魔の事や魔界に存在する物とかは俺以上詳しいだろう。

 

―俺も魔界の出なんだけどな。

 

分かっている。だが調査と言うのであれば、フードゥルとグリフォンが適任かも知れん。

 

―陸と空ってやつか?

 

ああ。フードゥルは魔界の精鋭部隊の隊長を務めた経験もある。俊敏な動きに加え、気配も消せる。

 

―逆にグリフォンはその姿から分かる通り空を飛べる。空からの目は心強い…という訳か。

 

そうだ。

 

「所で指揮官、この情報は何処から来たのかしら?」

 

「本部からと言いたいけど…ちょっと違うかな。今回の一件が発覚したのはギルヴァさん達がフェーンベルツから連れてきた戦術人形 WA2000の記録によるものなの」

 

「あの子が?」

 

こっちに来てから一度はI.O.Pに戻っていた筈だったな。

もしやそこから…。

 

「I.O.Pで検査している際にそれが発覚したという訳か…。しかしそれ以前から本部は知っていたのではないのか?報告されるまで何も知らなかったという事はあるまい」

 

I.O.Pから報告を受けて本部が動き出したとは考えづらい。

こちらの考えとしてはその指揮官の行いは知っていた…或いは話には聞いていたのではなかろうか。

正直な所あまりにも本部の対応が遅い。

 

「知っていたと言うより…その疑いがあると言う事は本部も把握していたみたい。けど…」

 

「確固たる証拠が掴めなかったという訳ね」

 

「ええ」

 

だが今回の事で証拠が上がり、行動に移す事が出来たという訳か。

だとするのであれば…WA2000は見捨てられたのではなく…逃げ出してきたのではなかろうか。

この場に彼女は居ないのでそれについて問う事はできないが…。

 

「状況は分かったわ。出撃はすぐの方が良さそうね」

 

「うん。急で申し訳ないけどお願いするね」

 

「了解。じゃあ私からフードゥルとグリフォンに伝えておくから。また後でね、ギルヴァ」

 

背を向けて執務室を後にしようとする45。

 

「待て」

 

「ん?何かしら?」

 

「今回は調査。悪魔が関わっているかさえ不確かだ。だが何らかの理由で悪魔と戦う羽目になった場合は無理をするな。…奴らの強さを知らん訳ではあるまい」

 

「…うん、分かってるわ。無理はしないから」

 

「その言葉が聞けたなら安心だ。…必ず帰ってこい」

 

「大丈夫。必ず帰ってくるから。何故なら…私はアナタの妻だから」

 

それじゃ行くね、と言い残して彼女は執務室を出ていった。

それを見届けると何やら後ろから視線を感じたので、そちらへと向くとナギサ指揮官が笑みを浮かべ、生暖かい目でこちらを見ていた。

 

「近所の三十路過ぎの既婚女性が熱いなと言わんばかりの顔をしているぞ」

 

「ちょっ!私は18歳だから!まだぴちぴちの新鮮な類だから!」

 

「そうか」

 

「反応薄過ぎない…?」

 

何のことやらか。

…さて、もうここに居る必要はないだろう。執務室を出ていこうとすると誰かが入ってきた。

後ろを振り向くとそこに居たのはグリフィンの制服を着崩し、タブレット端末を手にしている女性職員の姿。

ナギサ指揮官とは違い、セミロングの金髪、蒼い瞳が目立つ。何より腰に吊り下げている工具ベルトが目を引く。

整備士か何かだろうか。それにしても…この者から微量に感じられるこの気配は…。

 

「失礼します、指揮官。今よろしいでしょうか」

 

「あ、マギーさん。うん、良いよ。どうかしたの?」

 

マギーと呼ばれた女性は一度こちらに会釈するとそのまま指揮官と話し始めた。

自分が居ては邪魔になるだろうと思い、ここを立ち去ろうとするとナギサ指揮官に待ったと呼び止められる。

 

「ギルヴァさんは知らなかったね。彼女はマギーさん、うちの後方幕僚を務めているの」

 

ナギサ指揮官に紹介されたマギーはこちらへと歩み寄ると笑顔を浮かべて手を差し出してきた。

 

「ご活躍は耳にしています。S-10基地の後方幕僚を務めています、マギー・ハリスンと言います。宜しくお願いしますね、ギルヴァさん」

 

「ああ、こちらこそ。…ッ!」

 

彼女の手を握った時だった。

マギーからはある気配を感じ取った。即座に幻影刀を複数生成し彼女の周囲に展開する。

突然の事に指揮官は驚き、対するマギーはまるでこの事を予想していたのか驚く素振りを見せる様子はなく、笑顔を浮かべたままだ。

 

「ギルヴァさんッ!?」

 

「指揮官、ここから離れろ。この女…悪魔だ」

 

「え…?」

 

マギーの事を同じ人間と見ていた指揮官の顔が驚愕のものとなりつつも、悪魔と聞きホルスターに収められた護身用の拳銃の待ち手に手を掛けようとするのだが、途中でそれを止めた。

何処か不安そうな目をしながらも、彼女はとんでもない事を言ってきた。

 

「ギルヴァさん、マギーさんに向けている刀?消してくれる」

 

「…理由を聞こうか」

 

「…マギーさんが悪魔で私の命を狙っていたとするのであれば、もっと早く行動が出来た筈なんじゃないのかって思って。それに今までマギーさんと話してきて、悪い事を考える様な人には見えないから…」

 

確かにこの女が俺達が知る様な悪魔だとするのであれば、ナギサ指揮官はとうにその命を奪われていたかも知れない。それに悪魔を狩る存在である俺達がこっちに来た時点で逃げ出す事も出来た筈だ。

それをしなかったのは些か疑問が残る。ここはナギサ指揮官の言う通りにするべきだろう。

展開していた幻影刀を消す。と言え油断はできないので何時でも攻撃できる状態を維持。

 

「マギーさん…聞いていいかな」

 

「ええ、もちろん。私を信用してくれる貴方のお願いですからね」

 

無論、貴方にも話しますよ、とこちらにもそう言ってくるマギー。

悪魔なのは分かるが…何だろうか、この違和感は。

 

―この気配…何だ?…何となく覚えがあるんだが…

 

心当たりが?

 

―うーん…うろ覚え程度でな…

 

そうか…。取りあえず話を聞くべきか。

 

 

マギー・ハリスンは全てを語った。

自分は悪魔であり、長い事この人間界で過ごしていると。特に人間に対し害を与える事など考えておらず、只々普通に過ごせたらそれで良いとの事。またマギーはここグリフィンに就く前、人間界に来る前は技術屋として動いていたそうだ。工具ベルトを下げているのも、今でも技術屋として色々な物を開発しているかららしい。

だからといって基地の資材をちょろまかしたりはしていないそうだ。今まで作ってきた作品の制作費は全て自分の給料から出しているとか。

 

「…とまぁこんな感じですよ」

 

「そっか。…はぁ、良かった~。マギーさんが悪い悪魔じゃなくて…」

 

「悪魔と聞けば…それに悪魔と言うものに一度でも会えば警戒するのも無理もないですよ、指揮官」

 

悪魔と聞けば警戒するもの無理もない。

その事を言っているのだろう。しかし技術屋だったとはな…工具ベルトを下げているのはそういう事だったのか。

 

―魔界でも技術屋だった?…なぁ、ギルヴァ。そいつに魔界で居た時の名は何だったのか聞いてみてくれ

 

?…了解した。

 

「一つ聞いていいか?」

 

「何でしょう」

 

「魔界で居た時の名は覚えているか?」

 

「魔界で?…その時はマキャ・ハヴェリと名乗っていましたね」

 

―マキャ・ハヴェリだとッ!?おいおいマジかよッ!!

 

どうした突然。声が大きいぞ。

 

―それ位驚いてるんだよ!!何たってそいつは魔界じゃ知らない奴は居ない魔工職人だ!魔銃やら魔具やらを作り、手掛けた作品は芸術品とも呼ばれるほどだ。死んだと思っていたが…まさか生きて居たとは…

 

つまり目の前の女は…

 

―とんでもない位の腕の立つ職人さ。それと…

 

それと?

 

―昔…付き合っていた彼女だ…

 

何だと…。

 

「技術屋ですからね。私で良ければ色々作りますよ。兵器から日用品。魔具から魔銃。機能性をふんだんを詰め込んだ義手でも。物を作るのが私の性分なので」

 

無論後方幕僚としての仕事も忘れませんよ?と微笑むマギー。

普通の悪魔だとは思っていたが…よりのよって魔工職人と来たか。それにしても…蒼のかつての彼女だったとはな。

正直な所、それに一番驚きを感じたのだがな。




という訳で後方幕僚であり魔工職人であるマギー・ハリスン、またの名をマキャ・ハヴェリの登場です。見た目は…分かりやすく言うならFateに出てくるジャンヌかな。まぁマギーの髪型はセミロングですけど。

では次回ノシノシ
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