Devils front line   作:白黒モンブラン

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ある基地から帰還した404小隊とフードゥルとグリフォン。
45からは基地では悪魔が関わっていると告げられ、そしてS10基地会議室ではシーナ指揮官、デビルメイクライのメンバー。そして例の基地に属していたWA2000をまじえて報告会が行われる。


という訳で報告会。
本来であればここらでコラボ依頼を出そうかと思っていましたが…。
ちょいとばかし先延ばしさせて?許しておくれやす…


Act50 Black&Devil

「じゃあ、報告するわね」

 

S-10基地の第一会議室にて、45の声が響く。

例の基地から帰還し、早々にその報告が行われようとしていた。

この場には自分達「デビルメイクライ」の面々、404小隊の面々、ナギサ指揮官、マギー、そしてかつて例の基地に所属していたWA2000が居る。

端末を介してスクリーンに映し出されるのは、彼女達とフードゥルとグリフォンが偵察へと向かった基地の所在地、全体図、統括している指揮官、人員構成、属する戦術人形の人数など。

ここまで事細かく調べ上げれたのは404小隊の力あってのものだろう。

 

「場所はS11地区。区内の端の部分に位置する基地の所在を確認。周囲に町村といった存在は無く、何もない辺鄙な所に基地があるわ」

 

「どうしてそんな所に?」

 

「一時期ここは鉄血の戦闘が激しかった経緯があるわ。けど激戦区がS-9地区へと移り変わった事をきっかけに後方支援基地として稼働しているそうよ」

 

最も今は最悪な巣窟を化しているけど、と45はそう最後に付け加えた。

 

「それで一番気になっているのが悪魔の事について。今回も悪魔が関わっているわ。それに関してはフードゥルとグリフォンが教えてくれた。只、一つ気になる事があって」

 

「気になる事とは?」

 

「まずはこれを見てくれるかしら」

 

スクリーンに映される映像。

どこかでカメラを固定して基地内部の様子を映したのだろう。黒であるというのに、それが嘘のように人の行き来が多い。一見特に気になる様な所は無いようにも思えるが…。

 

「随分とおぼつかない歩きをするのだな」

 

「そう。ギルヴァが言った通り、カメラに映った基地の職員全員が人間の様な歩き方をしてないの。若干前傾姿勢でゆらゆらと歩いていた。どう考えてもおかしいでしょ?」

 

確かにおかしい。

あの時人権保護団体過激派基地制圧時に討ったあの悪魔は明確な自我が存在していた。言葉を発していた。故に人の姿に扮していても何ら違和感を持たないだろう。だが映像に映っている奴らはどうだ?到底人権保護団体過激派とつながりがあったあの頭空っぽの悪魔と同じとは到底言い切れない。

あれではまるで人間に似るのではなく、人間という姿だけに化けているとしか思えなかった。

 

「で、妙だと思った矢先、上空を飛んでいたグリフォンが面白いものを見つけてくれたわ」

 

「これは…」

 

映像の次に写し出されたのは恐らくグリフォンに付けさせたカメラによって撮影された基地の姿。その日はとても晴れていたのだろう。青々とした空のおかげで誰もが基地の上空に浮かぶ物体に気付くのにそう時間はかからなかった。見た目は非常に禍々しく、魔力が漏れ出している何かの装置の様なもの。

どう考えても魔界の物だと容易に判断できる。そしてそれが何なのかが分かる専門家がそれについて話し始めた。

 

「所謂妨害装置みたいなものですよ。当然魔界製ですがね」

 

「どういった効果がある、マギー」

 

「見る限り視覚に影響を及ぼすものでしょう。基地全体…いいえ、基地とその周囲に展開されていると見ていい、それと恐らくですが、人形にも影響及ぼしているでしょう」

 

「つまり…あれを破壊しない限り、あの基地を我が物顔で歩いている悪魔を人間と誤認すると?」

 

「ええ。しかしこの手の物はそう簡単に作れない。人間では尚更のこと無理です…もしかしてですが、この基地の指揮官の背後に協力者が居たりしませんか?…って、あれ?」

 

マギーが不思議そうに声を上げた時には会議室全体が静まり返っていた。

そう言えば45達にフードゥルとグリフォン、そしてWA2000にはマギーがマキャ・ハヴェリの事をまだ話していなかったな。良く見れば全員驚いている。

その事もあって、幾つもの視線がマギーへと注がれていた。

そしてそれに気付いたのか、彼女は苦笑交じりに口を開く。

 

「そう言えばそうでしたね、あはは…」

 

この後、二度目となるマギー・ハリスンの素性説明会があったのは言うまででもないだろう。

 

 

 

「話を戻すわね。それでさっきの質問の答えはイエスよ。どうやらここの指揮官は普通の人間。その裏で糸を引いているのが…この男」

 

映し出されるのは一人の男の画像。

一見どこにでも居そうな風貌だが、この男を見たであろうフードゥルとグリフォンが間違いなく悪魔だと断言できる位にこの男からは魔の気配が出ていたのだろう。

魔界出身である二人がそれを間違える事とは到底思えない。

 

「基地のデータベースにハッキングして探ってみればこの男が浮上。名もどういう素性かも不明。分かる事と言えば、この男が悪魔であり、基地を悪魔の巣窟にした原因と言えるわ」

 

「加えて言うなればこの者はマキャ・ハヴェリ殿と同じく魔工職人であり、同時に魔術師と見ていい。恐らくであるがこの基地には多くの罠が仕掛けられていると考えられる」

 

フードゥルの言う通りならば厄介な相手だ。

フェーンベルツでの時もそうだったが、魔術師は転移系罠も平然とやってのける。幾らこちらが警戒していた所で魔術というのは現代の力では到底及ばない位置に存在する。

科学では魔術師に対する手段は…そう多くはないだろう。

 

「しかしだ。魔術師というのは得意不得意がある。フェーンベルツの一件で首謀者であったアルフェネスは転移系、強力な悪魔を召喚といった召喚系の魔術を得意としていた。無論その他も可能であったが、得意としていたのがこの二つである。そしてこの男が魔術を行使する所を見させてもらったが、悪魔を呼ぶ出す事が出来る」

 

「その手のタイプってのは物量で何とかする奴じゃねぇのか?」

 

報告会が始まった時から終始無言だったブレイクが口を開き、男の特性についてに疑問を投げかける。

よく見ればあいつ、さっきまで寝ていたな。大きなあくびをしているぞ…。

その疑問に対し、フードゥルは頭を縦に動かし問いに対する答えとして肯定の意を示すと、言葉を続けた。

 

「うむ。あの者は幾度となく魔界の住人…ヘルども呼び出していた。中にはヘル=バンガードがいた」

 

「ヘル=バンガード?」

 

「ヘルの名を冠する中で上位種に当たり、下位のヘル達を統括する役目も担っている。上位種だけあって、戦闘力も高い。魔力で形成された鎌での攻撃と魔術を用いて空間移動も得意とする。それらを駆使した強襲は油断出来ぬ」

 

となれば、部隊が基地の内部へと突撃する前に俺達が悪魔を粗方片付けておくべきか。

特にヘル=バンガードと言われる悪魔は俺かブレイクで始末する必要がある。だが問題はその後か。

 

―外の悪魔を相手して、内部の悪魔も始末しなければならない。

 

となれば俺かブレイクが外か内部かに分かれる必要があるな。

 

―同時に基地の指揮官も始末する必要があるな。ついで協力者もな。

 

ああ。

 

「基地全体が悪魔にあふれ、強力な個体種もいて、協力者もいる。視界に影響を及ぼす魔界製の妨害装置。でもそっちに集中していたら、この基地の指揮官を逃す可能性もある。またここにいる人形達を助け出さなくてはならない。となると…」

 

「…全て同時に行う必要がある」

 

ナギサ指揮官の隣に座っていたWA2000も同じ考えだったそうだ。

それに頷くとナギサ指揮官の表情が変わる。普段見せる優しい表情ではなく、指揮官としての真剣な面持ち。

彼女の雰囲気が変わった事によりこの場にいる人形達の背筋が伸びる。

 

「45、もう一度基地の全体、正面、後方…これらの画像を見せてくれる?」

 

「分かったわ」

 

指揮官の指示を受け、再度45はスクリーンに言われた画像を映し出す。

映し出された画像を真剣な眼差しで何度も見直し、目を閉じ指を顎に当て考える素振りを見せる。

しばらくして状態を解き、伏せていた目を開く彼女。

 

「マギーさん、魔界製の妨害装置は私達が持っている武器で破壊できる?デビルメイクライの皆が持っているのも含めて」

 

「そうですね…並みの攻撃は無理でしょうね。できるとするのであれば…代理人さんが愛用しているニーゼル・レーゲンのレールガン形態での最大出力時でしたら十分破壊できるかと」

 

「成程…。ブレイクさんに渡したあのバイクって確かマギーさんの手によるものだよね。あれって何か、こう…特殊機構とかあったりする?」

 

「特殊機構という程ではありませんが分離して双剣の様に振るう事は可能です。恐らく彼もそれを知っていると思いますが」

 

ナギサ指揮官の代わりに自分がブレイクの方へと向き、その事を知っているか目線で尋ねる。

その答えとしてブレイクは首を縦に振った。どうやらあのバイクが双剣にもなる事は知っている様だ。

 

「あれが分離して双剣になる…大きさもあるから悪魔を倒す事も出来る…その可能性は?」

 

「試した事はありませんが、可能かと」

 

「そう…」

 

自身の中で考えがまとまったのか、軽く息を吐くナギサ指揮官。

かつて見せたあの表情がそこにある。経験が多い訳でもない。だが時折見せるその真剣な表情は感心したものを覚える。今回で二度目となる悪魔案件。一度目は戸惑いがあったが、今はそれが見受けれない。

 

「マギーさん、事態は一刻を争います。別地区の基地に今回の作戦協力の申請を。どこでも構わない。手を貸してくれそうな所全てに申請して」

 

「分かりました。本作戦の参加する部隊はどうされます?」

 

「出し惜しみをして勝てる相手ではない。今回は第一、第二、第三、第四、全部隊参加させます」

 

「了解。部隊の彼女達全員ここに来るように通達しておきます」

 

「うん、お願い」

 

マギーが会議室を出ていくのを見届けたナギサ指揮官は俯いているWA2000へと向く。

 

「WA2000、貴方の力も貸して」

 

「え…。でも…私は…」

 

その声は震えていた。

確かに彼女にとってはあの基地は楽しい思い出など一つも存在しない。それどころかあるのは苦しみしかない。

 

「…私は皆を置いて…逃げた奴よ。そんな奴に助けられたって嬉しくないわ…」

 

自虐気味な笑みを浮かべ、立ち上がるWA2000。

 

「…だから私には…出来ない。…皆を捨てた裏切り者である私に皆を助けに行く資格なんてッ…!」

 

「WA2000!!」

 

指揮官の制止の声も届かず、彼女は会議室を飛び出していった。

訪れる沈黙。誰も言葉を発しない。そんな中、自分は椅子から立ち上がり、彼女が出ていった会議室の出入口へと歩き出す。

 

「彼女を追う。…後は任せる。代理人、作戦内容等の重要事項等は後で教えてくれ」

 

「かしこまりました」

 

代理人の了承を得られた事で会議室を出ていく。

さて…彼女はどこに行ったのやらか。

らしくはないが、手当たり次第に探すしかないか。

 

―助ける資格はない、か…

 

自分だけが逃げた事が彼女にとっては重しになっている。…だが彼女がいた基地で起きた事を考えれば…

 

―誰だって逃げ出したくなる…。横暴なやり方に怯えたまま残るか、それとも逃げて自由を選ぶか。嬢ちゃんは後者を取った訳だ。しかし嬢ちゃんにとってはその選択はある種悪夢みてぇなものだった訳か。もしかすればあの嬢ちゃんは…フェーンベルツの大聖堂の地下で死ぬつもりだったんじゃねぇのか?

 

分からん。だが…

 

ーだが?

 

死ぬつもりだったならば、何故あの時俺が貸した銃を手に取った?彼女も…ほんの一欠けらの望みにかけているのではないか?計算されたものでないにしろ、自分達が属していた基地の実態を知ってもらう為に、大事な仲間を助けてくる事に願っていたのではないか?

 

―それは…

 

その事は彼女に聞かない事には分からん。それにだ…

 

 

 

 

 

 

「資格がどうこうに対して…少しな」

 

 

 

 

 




次回はわーちゃんじゃい。

恐らくですが…次回を投稿したの内、活動報告にてコラボ依頼を出すつもりです。
かなり大規模になるけど…いいのかなぁ…。悪魔も大量に出てくるし…。


では次回ノシノシ
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